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fu side
俺が泣かせた…?rmを? いつもあんなにおちゃらけてて、毒舌で弱いところなんて一切見せないようなrmを泣かせた?
最近少し元気ないなとは思ってたけど、泣かせてしまうなんて。
でも、なんでrmはバース性を隠したがったんだ。βなんて珍しいものじゃないし、なんなら4人ともβだっておかしくなかったんだ。なんたったって、人口の80%はβなんだから。
『f…!! …u、…。』
fu『は、ぇ…』
自分でも驚く程間抜けな声が出た。そして俺が目線を上げると目の前には、心配そうな紫色の瞳と桃色の瞳があった。
kz『おい、大丈夫かよ』
紅の夕焼けに照らされ、kzの白銀の綺麗な髪の毛ほんのり紅く寒空の下の風でふわふわと髪が揺れる。
fu『いや、大丈夫…』
〃『俺は…。大丈夫』
俺は大丈夫。そう、俺 “は” …。rmの不安に揺れる瞳、浅い呼吸、震える唇。あのrmの俺を見る目が脳裏から離れない。
sy『fu…。rmの荷物もって追いかけなよ』
〃『あのままにしちゃ…危ないかも、』
syの瞳も不安に揺れる。syのアメジストのような綺麗な紫色の瞳が、俺を捕えて訴えてくる。
俺は走った。rmの荷物を持って、一直線にrmの家に走った。
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rm side
逃げてきてしまった。家に着いても親は夜勤でいないし、まあ…ちょうどいいか。こんな顔見せたくないし。あー、みんなにあんな顔見せたし、明日会いたくないな。
rm『はッ…ぁ、っ』
心の中の不安がじんわりと溢れてきて、俺の心を侵食していく。こんな俺とは対称的に窓から見える夕焼けは綺麗で、俺の心も浄化してくれそうな気がした。
rm『くそ、ッ…俺なんかじゃ、ッ…。』
俺の頭は、嫌な事ばかり考えてしてしまう。こんな事を考える度、頭がぐわんぐわんして痛くて心も体もしんどくなる。
俺がこんなになっている時いつもそばに居てくれるのはfuだった。俺が、熱を出して寝込んだ時も、寝不足で倒れそうだった時も、いつもfuがそばに居てくれた。
いつも俺を愛おしそうに見る目、俺を呼ぶ甘い声がただただ恋しくて。でも、会いたくなくて。そんな大きな矛盾に俺の心は追いつかない。
俺がこんなことをぐるぐると思考していると、家のインターホンがなった。
rm『…だれだよ。』
急な訪問者を不快に思いながらも、俺はドアスコープを覗いた。
すると、そこに居たのは紛れもなく1番会いたくて、会いたくなかったfuだった。
外は闇に包まれていて、視認しにくい。でも、fuのエメラルドグリーンの分かりやすい綺麗な髪の毛が映ったのだ。
rm『ぁッ…fu…』
会いたかった。会いたかった。会いたかった。
会いたくない。会いたくない。会いたくない…?
二つの対極的な言葉が俺の脳内を駆け巡る。
ドアノブを握る俺の手は汗ばんでいて、呼吸が浅くなる。
俺の思考は止まらない。会いたい、会いたい…。
俺はドアノブを強く握り、扉を開けた。扉を開けると、世界で一番愛おしい彼が。
いつもの瞳で、声で俺を出迎えてくれた。
fu『rm…。』
喉がギュッと締められて、目頭が熱くなる。やはり、いつもそばに居てくれるのはこの人なのだと。
ふわりと香る、愛おしい人の匂いとともにそう感じた。
fu『rm…目真っ赤じゃん、』
〃『ごめんなぁ、…』
そういうとfuは、ふわりと抱擁してくれた。 暖かくて、蜂蜜のような甘く蕩けそうな匂いがする。fuの抱擁が大好きだ。
rm『fuッ…ひッ、ぅ…っ、fuッ…、』
俺はしゃくりあげた声でfuを呼んだ。俺が名前を呼ぶ度、fuは優しく「なぁに?」と甘く、俺だけに向ける声色で返答してくれた。
そして、fuの肩に顔を埋め、じんわりとfuの暖かさを感じると不思議と心が軽くなっていくのだ。
fu『ん、お部屋行こ?…風邪ひいちゃう。』
rm『ん、ッ…ぐすッ…っ、ッ』
俺はfuに抱き上げられ、部屋に連行された。
fuは、俺の部屋に行きベッドに腰掛けると。ふわふわと俺の頭を撫でてくる。
rm『ん、っ…fu…?』
この手が好きだ。いつ暖かくて、骨ばっているのに触り心地のいいこの手が好きだ。
fuは、俺の髪を繊細な糸のように丁寧に丁寧に扱う。そんな手つきが少しくすぐったくて、ちょっとした抵抗のつもりで、俺はfuの首筋に口付けをした。
ちゅっ、と部屋の中にリップ音が響く。それと同時に俺の髪を触るfuの手が止まった。
rm『ん…、っ』
不思議に思い、fuの方を見上げると。
fuは、既視感のある目をしていた。
いつも行為前のfuの目に似ている。お前を抱くぞ。ぐちゃぐちゃにしてやる。という意志を感じる目をしている。
俺はこの熱い視線が好きだ。あー、これから俺はこの人に抱き潰されると感じられるからだ。
rm『ねぇ、fu…』
fu『んー?』
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fu side
俺はあれから急いでrmの家へ向かった。rmの家は電気すらついていなくて、もしかしたら居ないのかもしれないとも思ったが、一縷の望みを賭けてインターホンを押した。
インターホンを押して数分。応答は全くなかった。
俺が諦めようとしたとき、目の前の扉が開き中にふわふわとした水色の髪が見えた。
rmの目は真っ赤になっていて、頬には涙の跡が残っていた。あー、俺のせいだ。俺はあの時の俺の行動を恨む。
申し訳ないと謝罪し、rmを抱き締めるとrmは泣き出してしまった。
声をしゃくりあげ、俺の名前を呼ぶ。それが愛おしくてたまらない。いつも俺を呼ぶ元気ハツラツとした声ではなく、俺にすがりついて助けを呼ぶような弱々しい声。
何もかもが愛おしい。俺はこんな愛おしい人を泣かせてしまったのだ。
俺の肩が、じんわりとrmの涙で濡れていくのがわかる。
玄関前は寒い。このままではrmが風邪をひいてしまうと思い、俺はrmを抱き上げ部屋へと連れていった。
俺は、ベッドに腰を掛けrmの髪の毛をふわふわと撫でる。
rmの髪の毛は柔らかく、さらさらしていて触っていて気持ちがいい。俺は上から下にそっと手を撫で下ろす。たまに、髪を束ね持ち上げ、さらさらと落としていくとrmはくすぐったそうに身を捩らせる。
そして、rmはそれに抵抗するように俺の首筋に口付けをした。
rmのリップ音が部屋に響いた。
その瞬間俺の中で閉じ込めていたものが解放されて感覚がしたのだ。
そして、rmはこう言ったのだ。
と、そう言ったのだ。
To Be Continued_________
コメント
4件
初コメ失礼します❕♡ 本当に性癖ぶっ刺さる作品ありがとうございます📖🪞🤍一つ一つの描写がとても綺麗で読み心地半端ないです尊敬です🥹🩵最初から面白すぎて衝動で一気読みしてしまいました🤍✨️続き全力で待ってます😭😭