「は?」って思ったか?
お前の気持ちなんざ知らん。
私は魔理沙。ごく普通の魔法使いだ。
いきなりなんだが、私には親友がいる。
そいつの名は、博麗霊夢。巫女だ。
よく腋巫女とか貧乏とかイジられてるけど、
失礼。
…で、最初言った「寂しい」って、意味分かるか?
最近、霊夢が相手をしてくれないんだ。
「よう、霊夢!」
なんて声をかけたら、すぐに顔を背けて逃げるんだよ。
そりゃあもう、とんでもねえ速さで逃げる。
少し前まで、アイツとは何でもしてたなのになあ…
例えば?
例えば、か…
まあ、酒は一緒に呑んで…泊まるのも普通だな。
あと…一緒に風呂入ったり、冬はマフラー巻いたな。
2人で1枚だけど。
…普通じゃん。
アリスに魔法でも掛けられたか?
どうすれば良いんだか…
あ。
そうだ、霊夢ん家(神社)、行こう。(泊まりに)
会いに行って聞けねえなら、家を占領するのみ。
そうと決まれば、早速行こう。
着いたぜ。
流石は魔理沙ちゃん。
「霊夢ー!家取るぞー!(?)」
「は?」
やべミスった。
「…」
「あちょ、おい待て霊夢!」
「…!」
「…速えなんてもんじゃねえ…」
ま、いっか。久々に”動く”としますかね…
私、霊夢。
普通の巫女。
単刀直入に言うと、魔理沙が好き。
まあ、うん。そっちの意味で。
じゃあなんで逃げるのって?
合わせる顔が無いのよ。いろんな意味で。
きっかけとか色々あるのよ…
まあ…意味から話すと。
単純に恥ずかしいのと、キモくなってる。(多分)
キモいってのは、まあ…
恥じらったりニヤけたり…です。説明終わり。
きっかけは…宴会の王様ゲームにて。
紅魔館のお嬢様が、
「2番が3番に、壁ドンで告白して。」
なんて言ってきた。私は3番でした。
2番は誰かって?
神奈子に決まってんでしょうが(?)。
あいつの告白は…まあ…
下手くそで可愛かったわ。照れてたし。
問題はその後よ。宴会の後。
魔理沙は神社に泊める予定だったの。
私が廊下を歩いてた時にそれは起こった。
後ろから魔理沙が抱き着いてきたのよ。
で、耳元で…
「お前を愛して良いのは、私だけだよな?」
って。
反射的に振り返ったら、キスされた。
酔ってたのもあって、魔理沙は止まらなかった。
魔理沙ったら、乱暴に私を押し倒してきたのよ。
廊下に。
でも押し倒される時、魔理沙が頭だけは守ってくれた。
そして、そこら辺から魔理沙は暴走し始めた。
「好きだ、霊夢。」
「好き…!?てかこれ、床ドンってやつ…?」
「…お前は、どうなんだ?」
「え、何が…?」
「私の事…好きか?」
「えっ?」
「…答えろ。好きか、好きじゃないのか。」
「そんなの…」
声に出そうとしたけど、出なかった。
「…ずっと、嫉妬してた。お前の周りの奴らに。」
「…それって、どういう理由で?」
「あいつらは、何かとお前に群がりやがる。」
「む、群がるって…アンタねえ…」
「…なあ、霊夢。」
「今度は何よ…」
「答えを聞かせてくれ。」
「…」
「…なんで、黙るんだ?」
「それは…」
「…言ってくれないお前が悪いんだからな。」
…はーい。
随分と長い事、思い出してましたね。はい。
でも、こんな事されたら誰だって堕ちるでしょ。
私は堕ちたわ。
私が恋色マスタースパーク撃てそうなくらい。
だから、魔理沙を避けてる。ニヤけるから。
「よし、こんなもんでいっか。」
霊夢が飛び出して行ってから、数時間。
私は神社で、家事、炊事、その他諸々をしている。
これでも飯は自信あるからな。
…家は汚えけど。
「さあて、霊夢はどんな反応するかな〜…」
それにしても、私を避ける理由が分からないな。
なんか霊夢に悪い事したっけ?
…アイツが帰ってくるまで、本でも読むかな。
「…流石にもう居ないわよね?」
私は神社に戻ってきた。
流石にもう居ない…と、思って、帰った。
「え?」
でもそこには、確かに魔理沙がいた。
嘘でしょ?
「…お、帰ってきたな。おかえり。」
「…」
「霊夢、こっち来い!」
「…うん…?」
(あああ…顔キモくなってないよね…恥ずかしい…)
「ほれ。飯だぞ。」
「…なんで?」
「ん?なんでって?」
「…いや、何でもない。」
「いやー…なんかお前に悪い事したかなってさ…」
「わ、悪い事…?」
「え、それで避けてたんじゃないのか?」
「いや…違う、けど…」
「…そか。なら良かった。」
魔理沙は、ご飯を作ってくれていた。
理由は分からないけど。
「食おうぜ?」
「…うん。」
「霊夢。なんで避けてたんだ?」
「…教えない。」
「なんでだよ。」
「…あの時の宴会。」
「宴会?」
お前を愛して良いのは、私だけだよな?
「…」
「…」
(あれか…少し覚えてるけど、そういえば言ったな…)
「…思い出した?」
「ああ…まあ、曖昧だけどな…」
「…それ以降、恥ずかしくて。本当じゃなくても。」
「え?」
「え?って何よ。」
「…本当に好きだぞ。霊夢、愛してる。」
「え?」
「え?って何だよ。」
「…」
「…」
「…そういうジョークは控えてよ…?」
「あー、はいはい。分かりましたよ。」
「…もう…」
ああ、やっぱり好き。
こいつの事は好きだけど。繋がりたい…けど。
この絶妙な距離感が、私は好き。
だから今日も、あくまで”親友”として隣に居ようか。
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