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青年は続けた。

「君が見てるこの景色と、俺が見てるこの景色って、やっぱり違うんだよ」

「この景色」旅人はコーヒーから口を離した「君にはどう見える?」

水平線、モスク、宮殿、城壁、ガラタ橋、ジェノバ人の塔、家、高層ビル、太陽、船、かもめ。

「別に、普通だよ」と青年は答えた。 

一隻の船がジェノバ人の塔の方へ進んでいる。船腹にはキリル文字が見える。

「あの船は黒海に出て、ウクライナに行く。そこから、神の管轄はアッラーからキリストに代わる」と旅人は言った「そこから船を下りて進むとしよう。そのままロシアを抜ける。今度はキリストから、地元民しか知らない氷の神の管轄となる。北極を越えて進むと、暖かくなって、熱くなる。そのまま真っ直ぐ進んで赤道を越えると、今度は涼しくなって、寒くなって、南極を越えるとまた暖かくなって、熱くなって、もう一度赤道を越えると暖かくなる。地球を一回りすれば、始まりと同じこの向き、この風景で終わる。一見バラバラに見えたことが多かったけれど、進み切れば、やっぱり地球は一つだった」

キリル文字が見えなくなり、続いて船の姿が見えなくなった。

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