「ハッピーバースデー」
その言葉が嫌いだった。
毎年毎年、
嫌な思い出が
蘇ってくる
ツーツーツー….
「あーっ、あ、あー…」
「マイクテストマイクテスト…」
「よし!」
「こんにちは。」
「元気かな?」
「今年はー…」
「17歳の誕生日か、!」
「元気にしてる?」
「んーっと…..」
「ハッピーバースデー」
「もう、高校二年生かー、」
「早いね。」
…..
たんたんと喋るその声が
呪いのようにずっと頭に繰り返し、繰り返し流れていく
「高校生の姿、見たかったなあ。」
ふと悲しい顔をみせる画面の中の女性。
自分がいちばん知っていて、
その人も自分のことをいちばん知っているであろう
そんな存在。
いつまでも
いつまでもずっと一緒に過ごせるものだと
幸せな日々のせいで
錯覚していた
「….お母さん…」
コメント
4件
すげぇ。お話に引き込まれて面白った! 次も待ってるね!
初投稿失礼します。見て頂きありがとうございました!次回もよろしくお願いします 次回「日常」