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irxs sxxn 二次創作 桃桃
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「らんらんおはよー。今日も可愛いね」
「はいはい。おはようございます」
朝出社して、開口一番こんなセリフを言ってくる人は世界中どこを探してもないこさんだけだろう。
会う度に「かわいい」だなんだと言ってくる。
最初こそ困惑していたものの、今ではすっかり受け流すようになってしまった。今日もいつも通りの返事をする。
「もー、聞いてるの?」
「聞いてますよー」
ないこさんは俺の事を後輩としてずいぶんと可愛がってくれているようで。
だからこの「かわいい」もきっとその延長線なのだ。
明日も、来週も、来月もこの会話は繰り返されることだろう。
自分の中で積もり積もった、実るはずのない感情は見なかった振りをして、蓋を閉めた。
退社してからどれくらいの月日が経ったのだろうか。所属していたあの頃の記憶はもう定かではない。
引き継ぎが終わって以降、あの人と会う機会も無くなってしまった。
もちろんあの『かわいい』も、もう言って貰えないのだ。
当たり前に貰っていた、あの『かわいい』を。
独立後は慌ただしくて余裕なんてなかったはずなのに、ふとないこさんのことを思い出してしまうことがある。
社長として活動に向き合っている姿も、俺と会う度に無邪気な笑顔で『かわいい』なんて言ってくる姿も。
「ないこさんと一緒にいた時の方が俺、かわいかったなぁ」
今の俺を見たらないこさんはなんと言うのか。また『かわいい』と言葉かけてくれるのだろうか。あの時あしらわずにちゃんと答えていたらなにか違ったかもしれない。
事務所を抜けた俺に、もう興味はないかもしれないけど。
でもきっとあの人なら「今もかわいいじゃん」なんて簡単に言ってくれる気がする。
そんなずるいところに惹かれた俺は、まだこのお呪いから抜け出せない。
コメント
1件
あ、これ……すごく切ないお話ですね🌷 朝の「かわいい」の掛け合いが日常の延長に見えて、実は主人公の中で「実るはずのない感情」と自覚しているところがもう。で、独立後にふと「あの時あしらわずにちゃんと答えていたら」って振り返るシーン、胸がギュッとなりました。タイトルの「お呪い」って、ないこさんの言葉そのものが主人公にとっての呪いであり、でも解きたくない呪いでもあるっていう……。1話でこの空気感、大好きです。続きが気になります🌸
はな💐
#微BL
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