コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
『担当執事達に愛される日々』〜御奉仕致します、主様〜
EIGHTEENTH butler ミヤジ・オルディア
私の今日の朝は何やら忙しい。
コンコンっ。ガチャ。
『失礼するよ、主様。おはよ――』
ごちんっ!!
『いた…っ!』
私はドアの上の縁に頭をぶつける。
『な、なんの音!?』
寝ていた私はその音で目が覚めた。
『す、済まないね。頭をぶつけてしまって。』
『だ、大丈夫?』
『あぁ。いつものことだからね。』
(いつもぶつけるんだ…。背が高いのも大変なんだな…。)
『おはよう、主様。今日はお仕事かな?』
『ううん、お休みだよ。』
『そうか。そしたらゆっくり休むといい。朝ご飯ができるよ。支度ができたら下に降りよう。』
『うん、ありがとう。』
『じゃあ部屋の外で待っているからね。』
『うん。』
私は支度を済ませ、ミヤジと一緒に食堂に向かった。
『今日も美味しそう。』
『良かった。今日の朝ごはんは私も手伝ったんだ。』
『え、そ、そうなの?』
(じゃあこの赤いスープは…。)
『少々スパイスを入れすぎてしまったかな。』
(少々…?)
私はスープを凝視する。
『食べてくれるかい?』
『……。』
私は躊躇したがスプーンですくってスープを飲む。
『…か、かりゃい。』
『す、済まない…。主様には辛かったかな…。私が食べるから残しても大丈夫だよ。』
『う、ううん。大丈夫。ミヤジがせっかく作ってくれたし、食べるよ。』
『ほんとかい?良かった…。』
私は牛乳を飲みつつ辛いスープを完食した。
『ご馳走様でした。』
『辛かったのに食べてくれてありがとう。主様。』
『ううん。美味しかったよ。』
(辛かったけど。)
『そうか、良かった。』
私は席を立ち部屋に戻ろうとした時だった。
がしっ。
ミヤジに手を掴まれる。
『ミヤジ?』
『っ…その…。今日はお休みなんだよね?』
『う、うん。』
『そしたらもう少し…私といて欲しい。』
『え…?』
『主様に聴かせたい音楽があるんだ。聴いてくれるかな?』
『う、うん。もちろんいいよ。』
(びっくりした、ミヤジがそんなこと言うなんて…。)
私とミヤジは楽器・ダンス練習部屋に向かった。
『主様に1曲作ったんだ。』
『私に…?』
『あぁ。』
ミヤジは私を椅子に座らせてミヤジはピアノを弾く。
それはとても優しい音色で心地よかった。
(ミヤジらしい優しい音…。これを私の為に…。)
『どうかな。まだ名前は決めてないんだ。』
『すごく優しい音で…ミヤジらしいと思ったよ。』
『ふふ、ありがとう。…そうだ、主様が名前を決めてくれるかな?』
『私が?』
『あぁ。』
『そうだな…。うーん…。陽だまり…とか?』
『陽だまり?』
『うん。天気のいい日に暖かい日差しに包まれたようなそんな優しい感じがしたの。』
『凄くいい名前だ。そしたらこの楽譜は主様が持っていてくれ。』
『え、いいの?』
『あぁ。主様が聴きたい時に私に演奏させて欲しい。』
『ミヤジ……うん。わかった。』
ミヤジはニコッと微笑んでくれた。
『そろそろおやつにしようか。ロノ君が今日はクッキーを焼くと言っていたよ。』
『ほんとに?ふふ、楽しみ。』
私とミヤジは微笑みながら部屋を後にした。
次回登場する執事
ヒント もうさすがに分かるよね?
最後の執事だもん( ◜︎︎𖥦◝ )