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翌日・桜組の拠点、地下の作戦室
ざわつく室内に、爆弾のようなニュースが落とされた。
凪斗「……は? 天野が、うちに?」
結羽「……麗奈、それは本当ですか?」
麗奈は無言でうなずく。大鎌を壁に立てかけ、フードを脱いだ姿がいつもより少し疲れて見えた。
麗奈「あいつ……一晩で200人倒してた。しかも、返り血まみれで飴舐めながら立ってたんだぜ。…勧誘するしかねぇだろ」
凪斗「ちょ、ちょっと待って!? そいつ俺らよりやばくねぇか!?」
結羽「冷静に考えて、常識的に言って…いや、もう言葉が出ません」
(そこに、ふわっと扉が開いて――)
天野「…ども、よろしく」
淡々と、返り血がまだ落ちきってないジャケットのまま現れた天野。
右手には、今日も飴。
紫兎「あっ! 天野だーっ! わーいですぅっ!」
ばたばたと駆け寄り、天野の手を握る紫兎。血がつこうが関係ない。
紫兎「紫兎、天野が一緒なの超うれしいですぅーっ! これで飴友達ですぅ!」
天野「……あんたの笑顔、武器より強いかもな」
(にこりともせずそう言うが、ほんの少しだけ口角が緩む)
凪斗(小声)「やっべ……静かなのに、めちゃくちゃ強ぇオーラしてんな…」
結羽「……麗奈、責任は取ってくださいね。彼女、制御できるのは…おそらく貴女だけです」
麗奈「わかってるよ。だからあいつには――最初の任務、付き合うつもりだ」
(その瞬間、天野の目がピクリと動く)
天野「任務?」
麗奈「ああ。“無法地帯の連中”を掃除する。お前にぴったりだろ?」
天野「――いいね。暴れる口実ができた」
その声は静かで、深くて、凍てつくような静寂をまとっていた。
紫兎「ですぅ!? 天野と麗奈で任務なんて、絶対楽しいですぅ!」
結羽「楽しい……という表現は、さすがに不適切かと…」
麗奈(ニヤッと笑って)「――じゃあ、行ってくるわ」
そして、二人の影が闇の中に消えていく。
この日、“静かなる怪物”は初めてその力を組織のために振るい、
桜組に新たな“伝説”が刻まれた。
コメント
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かっけぇぇぇぇ!!! 紫兎と麗奈の出会いも見たし、これも見たら皐月っちめっちゃうまいっしょぉぉぉ!!!うちも頑張らな!抜かされちまう☆