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桜組の日常

5 - 天野と結羽の喧嘩

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2025年04月26日

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【結羽と天野の喧嘩】


──夜の廃墟、かすかな風が吹く中。


天野「……また真面目にやってんのかよ、結羽。疲れね?」


結羽「当然です。麗奈のためですから」


天野「あーあ……もうちょっと気楽にやろーぜ。ウチ、あんた見てるとイラつくんだわ」


結羽「……イラつくのは、貴女の勝手でしょう」


天野「『しょうがない』って顔すんなよ。余計ムカつくっつーの」


結羽「……。貴女は、もう少し周りを見た方がいいですね」


天野「あっそ。(ラムネを口に放り込みながら)……なーんでもかんでもルール通りに動くなっつってんの」


結羽「秩序がなければ、組織は壊れます」


天野「は? ガチガチすぎて息できねぇって言ってんの。そんな空気、ウチは嫌いなんだよ」


結羽「……なら、勝手にどこかへ行ってください」


天野「言ったな」


結羽「ええ、言いました」


一触即発の空気。

天野はポケットに手を突っ込んだまま、にやりと口角を上げる。

結羽は表情を変えず、静かに天野を睨む。


──二人の間に、ピリッとした緊張が走った。


そのとき──


凪斗「おーい、ケンカすんなよ〜。オレ、どっちもめんどくせーからな〜」


麗奈「……まったく、お前ら……」


天野「……チッ、つまんね」


結羽「……無意味な争いをするつもりはありません」


そう言いながらも、二人はお互いに背を向けた。

だがその背中は、どこか似ていて──

気付かぬうちに、少しだけ、理解し合っていくのだった。

──一触即発の空気。

天野と結羽が、互いに譲らず睨み合っていた、その瞬間。


バシッ──!!


麗奈「……やめろ、二人とも」


鋭い声と同時に、麗奈が天野と結羽の間に立ちはだかった。


天野「……っ、麗奈……」


結羽「……麗奈……さん」


麗奈「ここで喧嘩するなら、私が相手になる。……それでもいいか?」


静かに、だけど確かに怒りを含んだ声。

普段は穏やかな麗奈の、低く響くその言葉に──二人とも、思わず言葉を失った。


麗奈「私たちは、敵じゃない。……仲間だろ」


天野「……っ……」


結羽「……申し訳ありません」


天野は舌打ちしそうになったのを飲み込み、そっぽを向く。

結羽は静かに頭を下げる。


麗奈は、そんな二人を見て、少しだけ目を細めた。


麗奈「……次やったら、殴る」


それだけ言うと、麗奈はくるりと背を向けた。

天野と結羽は、お互いに何も言わず──ただ小さく、ため息をついた。


天野「……あーあ、マジで、麗奈に怒られんのが一番キツいわ」


結羽「……本当に、ですね」


小さな声で、ふたり、同時に言った。


──夜風が、少しだけ優しくなった気がした。

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