テラーノベル
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※誤字脱字・年齢操作・nmmn
ご感想お待ちしております。誰のセリフかわからない等、質問はいつでもお答えします。(訂正も加えます。)
【みんながいるから怖くない。】 星導ショウ
一日の終わりが徐々に近づき、うとうとしてくる時間になってきた。
「ほしるべーっ!」
「おわっ!どうしたカゲツ?」
ソファーで本を読んでいると、カゲツが飛び込んできた。
「眠い。」
「…ふっ。いいよ、ライは?」
カゲツの素直な言葉に頬が緩む、そしてライも一緒に寝かせようとカゲツに問いかける。
「ロウと先ねちゃった」
カゲツは少し不機嫌そうに下を向いて呟く。
「あらら。じゃあ、どこで寝る?」
いつもライはカゲツと一緒に寝ているのに、と不思議に思いながら俺は本を閉じ、立ち上がりながら、質問すると、
「ほしるべの部屋!!」
カゲツがくるっと俺の寝室のドアに体を向ける。
「え?俺の部屋でいいの?」
予想外の答えに俺は戸惑いながらも聞き返す。
「ほしるべのベッドふかふか!!」
「そう?ならいいけど。」
嬉しそうに答えるカゲツに安堵し、俺はパジャマの上にカーディガンを羽織りながら答える
「行こっ!」
俺がカーディガンを着終わったタイミングでカゲツは俺の部屋に向かい始めた。
「はいはい、ちょっと待ってね。」
「…!そうやった!」
まだ明日の準備が終わってない。カゲツは俺のすることを理解したのか、ソファーに座って待つ。
「はい、行こうか」
「うん…」
朝ごはんの準備、仕事の準備、スケジュールの確認などのチェックを終えリビングに向かいカゲツを見ると、うとうとしていた。
「眠そうだw」
「眠くないもん…」
「ふっw」
明らかに眠そうなカゲツの返しに対しに自然と笑みがこぼれる。
「おわっ…なんや…」
「はいはい、連れて行ってあげるから、」
俺はカゲツを抱き上げて、部屋へ連れて行く。
「なぁ星導」
「どうしたカゲツ?」
部屋につき、ベットに入るとカゲツが声をかけてきた。
「明日はみんなで寝れる?」
「どうだろうね~小柳くん明日東の子たちにご飯誘われてるって言ってたし…」
カゲツからそんな質問があると思わず疑問に思いながら答える。
「そうなんや…」
「何かあった?」
カゲツが少し悲しそうに言っているので不思議に思い、質問する。
「…ぃ」
「…?」
カゲツはそっぽ向きながら小さな声で答えると、
「みんなと一緒に寝たい…」
こんな小さい子からの可愛い一言…さすがに可愛すぎますね…
「あ~……なんか怖い夢でも見たの?」
疑問に思いながらも頭の隅にあったことを何となくカゲツに問いかける。
「ぅん…星導怖いゲームしかやってないから…」
「あぁ…wごめんごめん」
予想外の理由だ。ごめんよカゲツ…俺がいつもは部屋でやっているホラーゲーム、気まぐれでリビングでやるのでたまに小柳くんの悲鳴が聞こえるんだよな…まさかカゲツにまで被害が行ってるとは…
「…星導は怖くないの?」
「うーん…慣れたからなぁ…」
カゲツからの質問に俺は少し戸惑いつつも、答えを返す。
「最初は怖かったやろ?」
「う~~ん…みんないるし大丈夫だよ。」
記憶がないというのは心の奥にしまって天井を見つめる。
「俺も、みんなと寝れば怖くない…」
「ふふ、そうなんだ。明日小柳くんとライに話しておくね。」
眠そうな顔に笑顔を浮かべるカゲツに頬が緩む、俺がそう言い切ったころにはカゲツはすやすやと息をしながら寝ていた。その姿に安堵しながら視線を天井に戻す。本当に怖かったもの…きっとあの時なんだろう、でも思い出せない。そんな自分が一番怖く感じる。何がきっかけなのか、自分はもともとどういうものなのか。全部が思い出せない。でも、みんながいれば安心きっとそれはずっと変わらない。そう思いながら目をつぶる。そして夜は過ぎて行き、次の日を迎えようとする…
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