一覧ページ
よくあるトラ転したら最推しが話しかけて来たぁ‼・改(※新しい方です‼)
第14話 - 第15話 キリト‼かっこよすぎやろぉぉぉ‼/親友…‼なんと良い響きの言葉なんだろうか‼羨ましいぜ…‼
22
2023年03月17日
この作品はいかがでしたか?
22
一覧ページ
22
2023年03月17日
この作品はいかがでしたか?
22
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
それでは…どぞ〜‼
私の周りを青色の美しい花が咲き誇る。その一角の青い蕾が成っている花壇に私は来ていた。そう、この青い蕾というのはキリトの指導生、ソルティリーナ・セルルト先輩が見たいと言っていたゼフィリアの花。キリトはリーナ先輩にこの花をあげるため、そしてアンダーワールドでのイメージ力の実験のため、この学院の花壇でゼフィリアの花を育てているのだ。
ここで、ライオス達が来るはず…と思って待ち構えていたのだが。
ミ「あれ私、時系列間違えてる…?」
途端にそう思えてきてしまったのだ。
そしてかれこれ数分後。心細い夜に1人花壇の前で立っていると、
ユ「ミオじゃないか、君も畑に来ていたなんて」
黒髪の青年と亜麻色の青年が、驚いた顔で私を見ていた。あ〜、間違えちゃった系だねぇ…、でも良かった。
ミ「そういえば、ゼフィリアの花結構育ったね」
ユ「確かに。もう蕾が膨らんできているじゃないか」
キ「ここまでに3回失敗してるからなぁ…今度こそ咲いてくれるといいけど…」
不安そうに蒼い花をじっと見つめるキリトと、少しの驚愕と歓喜が混ざった表情のユージオ。もうこの2人お似合いでお揃いだわ。推せる。目を閉じて拝んでいると、ユージオがキリトに尋ねた。
ユ「そういえば、キリトが香辛料商人から手に入れた種はこれで終わりなんだっけ」
ミ「種が見つかった時のあのキリトの喜びようは、驚いたなぁ」
キ「その事はもういいだろ……そうだな、これがラス…最後の機会だ。香辛料商人のおっちゃんも次の入荷は今年の秋になるって言ってたからな」
キリトが言うように、花は売っていなくても種は売っていた。だから、種からの発芽に挑戦しているんだよね‼原作で見ると数ページで書かれているけど、ここまで来るにはかなりの努力が必要だった。
1回目は失敗。2回目も失敗。しかし私もユージオも、勿論キリトも、今回は咲かせられると信じている。ユージオが水を汲みに行き、私はいつものように念じ続ける。『綺麗な花を咲かせて』と。
ユ「はい、キリト。水を持ってきたよ」
キ「…あ、悪い」
月夜でも分かるユージオの淡い微笑みは、キリトにもゼフィリアの花にも注がれていた。え、花になりたい…‼(切実な願い)
ユ「でも、2年間も一緒にいるのに、キリトにこんな趣味があるなんて知らなかったな。ミオは知っていたのかい?」
ミ「いやいや…っていうか、ユージオの方がキリトよりも長く居たでしょ。そんなユージオが知らないって言ったら私にも分からないよ」
しかし、キリトは静かに言った。
キ「うん、俺も知らなかったよ」
その一言で、ユージオは表情を改めた。かっこいい…‼
ユ「もしかしたら、記憶が戻る前兆なのかもしれないね。ルーリッドに現れる前のキリトは、自宅で花を育てていたとか…あるいはそういう天職だったのかも」
キ「…う、う〜ん、どうだろうな…」
明らかに焦ってる。ちょっと笑っちゃ駄目だけど笑っちゃう。思わず吹き出すと、ユージオは不思議そうに私を見た。
ユ「どうしたんだ?ミオ」
ミ「…い、いや…はは…あのキリトが…、戸惑ってるから…」
キ「……さ、さっさと水やりを済ませるぞ‼」
キリトの慌てた声音にユージオも吹き出しつつも、じょうろを花壇に傾けた。
ユ「そうだね、花が早く早くって言ってるよ」
キ「お、ユージオ君にもこいつらの声が聞こえるようになりましたか」
ユ「そりゃあ、もう半年もキリトに付き合ってるからね」
教師っぽい口調で元の調子に戻ったらしいキリトはユージオに言った。なんとも微笑ましいこの会話。(≧∇≦)bイイ‼←今この顔。
キ「…なんだその顔」
ミ「はぇ?」
ユ「はは、面白い顔だね‼」
ミ「おぉ、一生の恥‼切腹…かな?」
「「待って‼/待て‼気が早いよ‼/ぞ‼」」
そんな気安い会話を繰り広げる私達だったが、急にユージオが静かになると、自然と私とキリトも口を閉じた。私はユージオに問う。
ミ「ユージオどうしたの?」
ユ「ねぇ、キリト。ミオ。君たちは…記憶が戻ったら、どうするんだい…?」
「「‼」」
キ「え、どうするって…」
ユ「だってさ、キリトとミオがこの学院で修剣士を…整合騎士を目指してるのは、僕の目的に付き合ってくれてるんだろ?八年前、公理教会に連行されたアリスを取り戻すっていう…。でも…記憶が戻って…、「帰らないよ」…え?」
私は、ユージオの言葉にあえて被せて言った。固まっているユージオも可愛いけど、今はそんな時ではない。横を見ると、キリトも笑みを浮かべた。しかし、原作を読んでいるから嘘をついているという心の痛みを隠した笑みだということが私には分かっているのだよ‼
というか、決まってるでしょう‼私は‼ユージオを絶対に救うって決めたから‼エゴだとしても‼
ミ「たとえ記憶が戻っても、帰らない。ユージオに最後まで付き合うって決めたからってのもあるけど、ただ単に2人といると楽しいからね」※最後のは私の感想です。
この言葉に、キリトも大きく頷いて静かな声で言う。
キ「ああ。俺も記憶が戻っても、帰らないよ。俺はもといた場所では『剣士』だった。それだけは確かだと思う…花を育てる趣味があってもな。剣士なら央都の四帝国統一大会を目指すのは当たり前だろ?」
ユ「…‥‥‥」
口々にそういうと、ユージオは顔を俯かせたままその場にしゃがみこんだ。肩が小刻みに震えているのが分かる。大丈夫だから‼ユージオは強いから‼そう視線で伝えようとするが、ユージオは震えたままだ。ユージオは、しばらくの沈黙の後話しだした。
ユ「……僕は、弱い人間なんだ。ギガスシダーの下でキリトとミオに出会わなければ、僕はここにここにいないし、今も毎日毎日斧を振るってたと思う。天職を言い訳にして、本気で村を出ようともせず…いつかは…アリスのことも忘れてしまって…」
その声は徐々に細くなっていく。
ユ「……ザッカリアで衛兵隊に入れたのも、修剣学院の試験を受けられたのもキリトが僕を引っ張ってくれたおかげなんだ。だからせめて…この学院を卒業するまでには、キリトと同じくらい強くならなきゃって、ずっと思い続けてきた。それなのに、僕は今、記憶が戻っても故郷に帰らないってキリトがいってくれたことに…すごくほっとしているんだ」
あああああああああああああ‼これだからユージオは好きなんだぁ〜〜〜‼え、というか、私なにかしたのか?…北の洞窟のことしか思いつかんのだが。でも‼ああ。好き(真顔※恋愛感情ではありません)。
私が脳内で絶叫している中、キリトはいつもより一層優しい表情をしてユージオに語りかけた。
キ「…あのな、言っておくけど、俺だってひとりじゃとても央都までは来られなかったんだからな。道も分からなけりゃ、帝国基本法の記憶も怪しいし…何より、路銀が1シアもなかったし。俺らが今この学院にいられるのは、3人だったからだよ。これからだってそうだ。3人で力を合わせなきゃ、よちよち歩きの頃から剣を握ってきた上級貴族の若様だの、帝国騎士団の精鋭どもにはとても勝てないぞ。そん中にノアさんが入ってても容赦するつもりはないし。1人で頑張ろうって考えるのは、整合騎士になってからでも遅くないだろ。な?ミオもそう思うだろ?」
急に話を振られてびくっとしたが、しっかり頷いた。
ミ「うん。私もそう思うし、私だって、キリトと同じくユージオに何度も助けられたし、それ以前に、ベクタの迷子の私を優しく受け入れてくれたんだから。お互いに高め合うってのが友達でしょ?」
ユ「…‥‥‥」
2人で言ってもユージオはしばらく黙っていたが、やがて小さな声で答えた。
ユ「ああ…。ああ、そうだね。僕らは3人でここまで来た。だから、3人であの白い塔を上るんだ」
そう口にし、ユージオはいつもの穏やかな笑みを浮かべて立ち上がった。
ミ「そうだね、そのためにはまず今月の検定試験で12位以内に入らないと」
キ「…俺、実技の方はともかく、神聖術の方が怪しいんだよな…。部屋に戻ったら、素因ごとの適性媒体の所を教えてくれよユージオ」
ユ「さっそく、力を合わせてってことだね。良いよ」
キ「ミオも来るか?」
ミ「え」
推しの‼部屋‼見たい‼…でも…。恐る恐る私はキリトに尋ねる。
ミ「規則違反にならない…?」
キ「……まだ自由時間のはずだから大丈夫だ、と思う」
曖昧な答えを返してきたキリトに私とユージオは、今日何度目かわからない呆れ顔をしたが、ユージオは何か思い出したのか「あ」と声を出した。
ユ「あれ、そういえば、ミオを追いかける他に、僕に話があるんじゃなかったっけ」
キ「え…‥あ、ああ、そうだ。肝心なことを言い忘れてた」
キリトは、ユージオに体ごと向き直り、口調を正した。
キ「ユージオ。明日1日、お前の青薔薇の剣を貸してくれないか?」
ユ「うん、良いよ」
意外と呆気なく頷いてくれたユージオはもう一度首を傾げた。
ユ「でも、どうしてだい?感覚が変わるから、検定用の稽古はなるべく木剣でやったほうが良いって言ってたろ?」
キ「そうなんだけどさぁ……。さっき、リーナ先輩と約束しちゃったんだよな。最後に一度だけ、本気の剣を見せるって。木剣じゃ、出せるのは2連撃技くらいまでだからさ」
で、キリト…。夜空の剣の事は…忘れてるなこれ絶対。そう考えながらも、私はあのバカ重い剣を思い浮かべながら、独り言に近い言葉を漏らした。
ミ「青薔薇の剣の優先度は、木剣と比にならないくらい高いからねぇ〜…」
ユ「ああ、そういうことか。だったら、青薔薇の剣は自由に使ってくれて構わないけど…」
ユージオも、私と同じ事に気が付いたのか、キリトに不思議そうな顔を向けて言った。
ユ「でもキリト、忘れたのかい?明日の安息日はあの日じゃないか?」
キ「え?何の日だっけ…」
ユ「おいおい、3の月の7日だよ。あんなに楽しみにしてたのに」
ユージオがそう言っても全く思い出す様子がないキリトに、私はヒントを出す。
ミ「ルーリッドの村の名物は?」
そう問えば、キリトは弾かれたように俯かせていた顔を上げ、キラキラと瞳を輝かせた。
キ「名物…ああ、そうか!あれが出来上がる日か!……いやぁ、忘れてたわけじゃないんだけど…まさか、1年もかかると思ってなかったからさ…」
そう慌てて言い訳をするキリトだが、ユージオがすかさず突っ込みを入れる。
ユ「それって忘れてたってことじゃないか」
3人で笑った後、ユージオが笑顔でもう一度キリトに尋ねた。
ユ「どうする?青薔薇の剣を使うか、それとも…」
キ「いや、俺の剣を使うよ。きっとステイシア神のお導きってやつだろうからな。悪いな、貸すって言ってくれたのに」
ユ「いいさ。じゃあ、部屋に戻ろう?消灯までたっぷり勉強を見てやるからさ。ミオはどうする?」
いい笑顔をしたユージオは、最後に私に尋ねる。しかし、私が答える前にキリトが私の代わりに言った。
キ「ミオも来るだろ?ミオ、確か凍素得意だったよな」
ミ「そうしようかな。流石に消灯までは居られないけど、私も勉強の不安要素は解消しておきたいし」
そして、私達は学生寮に談笑しながら戻っていった。
ミオ・マルウィス(18歳)
親友同士の絆って良いよなぁ…ってしみじみ思った人。現実世界では陽キャ6割、陰キャ4割の微妙な性格だった。英語は無理。過去分詞?ナニソレオイシイノ?状態。得意な素因は凍素、苦手なのは熱素。
ユージオ(18歳)
キリトの言葉にまた前を向けた人。お互いに高め合う、か……。ミオの言葉が意外と刺さってる。勉強全般が得意。オールマイティで神聖術においてはミオやキリトよりも博識。歴史大好き人間で話し出すと止まらない。
キリト(18歳)
ユージオを励まし、夜空の剣を取りに行くことが楽しみな人。勉強はリアルワールドでもアンダーワールドでも苦手。英語はペラペラ。尊敬しますキリトさん‼