テラーノベル
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兎に角、地球の環境や生物の進化に多大な影響を与えた堕天使達は黙して語ることは無かった。
ユダヤがカナンで先住民を虐殺しようが、趙の人々が長平で生き埋めになろうが、十字軍が進行しようが、魔女と称された人々が焼き殺されようが、奴隷貿易が隆盛を極めようが、原子爆弾が二つの都市を焼き尽くそうが、ブチャで無差別爆撃が行われようが…… 見張りの天使が蛮行を止めに介入した事は無かったのである。
強いて言えばノアの大洪水の際、彼と彼の家族に協力した位が数少ない介入例だろう。
為政者は、権力者は、教会は、勝利者は、その不介入を免罪符とした。
脂ぎったしたり顔で恥ずかしげも無く神に祈って見せ、功罪は歴史が決める、等と妄言を繰り返していた。
長い時間と共に、滅びは人知れず静かに、しかし確実に忍び寄っていた。
傲慢を極めたニンゲンに対して、裁きは天から降臨するのでも、スピリチュアルな存在が立ち塞がるのでもなく、自ら掘り進めた足元からやって来たのだ。
前述の言葉を引用すれば、ニンゲンの行い、その功罪を歴史が決めたのだろう、仕方が無い。
その事にコユキを始め一部のニンゲン達が気付き始めても尚、見張りの天使達は動かなかった。
かつて神の威光に逆らってニンゲンに知恵を与えた彼等にとって、この危機すら人々が自ら選んだ選択に過ぎない、自主性に任せる事態だと言わんばかりに……
だが、沈黙を守り続けた見張りの天使達は、この日、揃って世界に顕現し、駆け付けたコユキ達、『聖女と愉快な仲間たち』と対峙したのである。
揃いのピンクビキニ、ニットの下着に身を包んだ、パッと見変態達を前にしたシェムハザは重厚な声で語った。
「ラミエル…… 『神の慈』か……」
「オルクスッテヨベヨ、バッカ!」
「ふむオルクスか…… そちらはラムエル、『神の雷』だな」
「モラクスです、モラクス! そんな古臭い名前で呼ばないで下さい! 区別も付き難いし……」
「お、おう、そうか、そんな事より大切な話があるんだ、えっと、オルカス? だったかな?」
「オルクスッ! バッカ!」
「シェムハザよ、兄はオルクスで私はモラクス、間違わないで頂きたいっ!」
「す、すまん! オルクスにモラクスな…… なあ、これも区別付き難くないか?」
「バ、バッカ!」
「付き易いですよ、心外だなっ!」
…………何だコレ、埒があかないじゃないか
仕方が無い、最初のやり取りやお互いの紹介や誤解や先入観による小競り合い部分を飛ばして、コユキと見張りの天使リーダーのシェムハザが話し合う場面まで早送りするとしよう。
羽海汐遠
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シュメール
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たつ
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コメント
1件
第1175話読み終わったわ。人間の歴史の残酷さと不介入を貫く天使の視点が重くてグッときたんだけど、最後のシェムハザ側の名前ごちゃごちゃで笑いが止まらなくなった。シリアスな世界観とギャップ萌えの落差、むしろ好きだわ。神話の設定をしっかり残しつつ、コユキたちの世界観に落とし込んでるのがニクい。早送り表現も遊び心あってよかった。続きが気になる🔥