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5週目
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手から何かが離れる感覚に目を覚ます。
少し重い瞼を開くと、見覚えのない天井が視界に入る。
ここはどこだろうと辺りを見渡すと、隣にナギが座っていた。
「あ、レイナ。目、覚ました?大丈夫?身体怠いとか無い?」
「大丈夫だけど…ここは?」
レイナがそう聞くと、ナギは安心したように気絶した後のことを説明してくれた。
ナギの話によると、レイナが魔力不足で気絶した後、鬼が追ってきたようで、ハスの事を狙ったらしい。その時、シーがハスを庇ってやられ、そこで鬼が居なくなり、生き残った全員で神社に集まったようだ。その時にソウもやられたことが判明したらしい。魔力が枯渇していたレイナは、魔力の形が一番似ているナギが、さっきまで魔力を分けてくれていたらしい。
魔力を分けるのは、とても疲れることだ。よく見ると、ナギの表情はどこか疲れているように見えた。
「ごめん…魔力供給って疲れたよね…」
「大丈夫だよ。歩ける?」
「うん」
「じゃあ、客間の方にみんな居るし行こっか」
レイナが立ち上がろうとすると、足に力が入らず、バランスを崩したレイナをナギが慌てて支える。
「歩けないっぽいね…俺がみんなに起きたって伝えて来るよ」
「うん。ありがと」
ナギはそう言うと、襖を開けて部屋から出て行った。
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布団の中でゆっくりしていると、いきなり外から大きな足音が聞こえてきて、勢いよく襖が開き、アスカが入ってきた。
「レイナ〜!良かったぁ…」
勢いよく抱きつかれ、押しつぶされそうになった所を、ナギがひっぺがす。
「こら、レイナ潰れてる」
「あ、ごめん。レイナ、大丈夫?」
「うん。大丈夫」
「気絶するまで魔力使うなんて、命知らずなことよくやったねぇ」
アスカとナギの後ろから、ウミがスタスタと歩いてくる。
「レイナさん、大丈夫っぽくて良かった…」
少し遅れてエドも入ってきた。先程の足音からしてアスカは走ってきたのだろうから、追いつけなかったのだろう。
「あれ、ハスとトウヤさん達は?」
「2人は像がどうなってるか見に行ったよ。ハスくんは…」
ナギが気まずそうに言うと、エドが説明するように言った。
「ハスは…目の前で誰かが死ぬのを始めてで…しかもそれが本当に仲のいい相手で、だいぶショック受けてたんだ。今は別の部屋で休んでる」
「そっか…」
(私も初めて見た時吐きそうになったし)
ハスがどうなっているかを聞いて、自分も含めた周りの方の反応がおかしく、ハスの反応が普通だということを思い出す。
「そういえば、レイナは見てもあんまり同様していないけど、見たことあったっけ?」
アスカが思い出したかのように言う。
「前に1回くらいかな」
(本当に?)
単独任務の時を思い出し答えると、いきなり頭がズキリと痛んだ。
「っ…」
あまりの痛みに周囲の音が遠のき、手で頭を抱えてうずくまる。周りが騒がしい気がするが、分からない。
思わず目を瞑ると、一瞬、しかしはっきりと、2人分の死体が見えた。
(誰これ?任務の時とは違うやつ…見たことある?私はこれを知っている。いや、知らない。だって始めて見た。本当に?本当に始めてみた?分からない…)
混乱する頭の隅でぼんやりと、前もこんなことがあったなぁと考えていると、いきなり今まで聞こえなかった音が聞こえた。
「レイナ!?大丈夫!?」
「っは…!」
ナギの声に、周囲の音が戻ってくる。いつの間にか過呼吸になっていたようで、息が苦しい。
「レイナさん、ゆっくり、落ち着いて深呼吸して下さい。1…2…」
「スーハー…」
エドが数字を数えるのに合わせて深呼吸を繰り返すうちに、息苦しさが遠のいていった。
「大丈夫?辛いとことか無い?」
すっかり息が落ち着いたレイナに、アスカが心配そうに訊く。
「大丈夫。ありがとう」
「…レイナ、もしかしてさぁ、何か思い出した?」
先程までの出来事を黙って見ていたウミが言う。
「思い…だしたのかな?分からない」
「以前に似たようなことは?」
見たものが一瞬すぎて、思い出したとは言えないだろう。レイナはそう答えると、ウミは少し考え込んでから「これと同じような経験は?」と聞いてきた。
「うーん…今まで何度も頭が痛むとかはあったけど、これみたいに過呼吸になるのは2回目かな」
レイナがそう言うと、ナギも思い出したかのようにレイナを見る。1回目は、単独任務の時の地下室でナギと電話している時のことだった。
「頭が何度も痛む、か…レイナ、どんな時に頭が痛んだとかは言える?」
アスカが言うが、レイナはそのことをいちいち覚えていない。
「そんなの覚えてない」
「…そういえば、ウミ達が来なかった日、俺とレイナで旅館の庭に出たでしょ?あの時もなんか様子がおかしかったよね」
「あぁ、あれはなんというか…既視感を感じたの」
「既視感?」
「なんかこの景色見たことあるなぁって」
「見たことある…」
ナギが復唱するように言う。
その様子を見て何か心当たりがあるのかを聞こうとした時、襖が開いた。
「おぉ、目覚ました?大丈夫?」
「あ、マミサさんとトウヤさん!帰ってきてたんですね」
エドが言う。
「それで、像の方は…」
レイナも訊く。
「像は、倒れたままでした。マミサが言うには、鬼が戻したのではなく、戻ったのだろうと…」
トウヤが残念そうに言うのを聞いて、アスカが不思議そうに言う。
「そんなことあるんですか?」
その疑問には、ウミが答えた。
「あるよ。魔力とかが強かったりすると、すぐに元の状態に戻っちゃうんだ」
「魔力を弱らせるために直そうとしても、魔力が強くて倒れるのか…」
エドがそう言いながら、念の為メモする。
「…すんごい突拍子の無いこと言うんだけどさ、」
アスカがかなり躊躇いながらおずおずと手を挙げる。
「レイナの魔力をマミサさんに注いで、それで刀封印するのと同時にやったりとか出来ない?」
それは本当に誰も思いつかないような案だった。
どうも。最近NLもいける腐女子どころか姫女子にもなってきて、だんだん地雷も克服していき最強に近ずいている変態です。
ヤバい…沼り出したら出られねぇやこれ…
みなさんもどうでs(((((
それでは〜( ᐙ)/