中也の過去〜
俺は小さい頃研究所でずっと過ごしていた。研究所でダイナミクス性を診断してsubだと分かった日から研究所の奴らは俺をいいようにこき使った。ある時俺はsubdropに陥った 其の後はaftercareはされるようになったが、其れは俺という研究材料を失わない為であり、心など籠ってもいないものだった。
其れ以降俺はsubだと言う事を隠して生きていた、心の何処かでdomが怖いと思っていたのだろう
俺は太宰の事が好きだ、だが太宰は俺の事はよく吠える唯の狗(いぬ)だと思っているのだろう、そして俺はsubだ俺の事は今迄より狗として扱う、俺の事を1人の人間として見てくれないのだろう。
そんな事を思っていると「ねぇ中也、なんで教えてくれなかったの?」太宰が問う。
「え、と…」言いたくなかった、言えば俺は価値の無い人間と思われるからだ、何故か目頭が熱くなる。嗚呼泣いたら五月蝿いと叩かれるのか…忘れていた過去が喉まで上り詰めている、いっそ此の儘吐き出してしまえたら…などと無駄な事を考えてしまうそんな事を考えてると太宰が口を開く
「…say(云って)」
「う、ぁ…」ペタン、と其の場に座り込んでしまった。太宰は怖がらせないように優しく言ってくれていた、だが俺は見られた衝撃で正確な判断が出来なくなっていた。俺は太宰に狗と認識されてしまうという恐怖のあまり、歯が噛み合わなかった。其れでもdomの命令には従わなければいけないと言う本能が働く
「だざ、いがッ俺の事subだって 知ったら、俺の事ッ狗として…しか見てくれないッて思って、俺、太宰の事っ好きで、でもッッ」我慢していた淚が頬を流れる。泣きながら、身体を産まれたての子鹿のように震わせながら、太宰に嫌われないよう話した。 「ごめッなさッ泣いて、ごめんなさい。煩くてごめんなさい、迷惑かけてッごめんなさいッ…」
其の時身体が暖まった。何かと思い顔を上げると太宰が俺に抱き着いて顔を埋め乍俺の頭を撫でていた。
「ごめん…ごめんね中也、私のせいで中也が苦しい思いしてる事に気づけなくてごめん、」
違う、謝るのは俺だずっと相棒を、太宰を騙していた。俺が悪い筈なのに責めるどころか太宰が謝っている。違うって言いたいのに言葉が出ない、まだ少しsubdropの影響があるのだろう。俺は一生懸命に首を横に振った、
「中也…?」
其の時気付いたことがあった、其れは太宰が震えてる事だ。なんで、そう言おうとするとやっと声が出た
「なんで、太宰が謝るんだよ…俺が勝手に勘違いしてた、だけだ…」そう言うと今度は太宰が泣き出した、「よかった、私のせいで中也が死ななくてよかったッッ…」俺は其の言葉を聞いて太宰のことを強く抱き返した。安心したんだ。太宰が俺がsubだって事を知ったのに心配してる事に、
「ねぇ中也、こんな私でいいのなら、恋人になってください…//」嬉しかった。これ以上に無いくらい幸せだった。でも躊躇した。俺なんかが太宰と付き合っていいのか、と、太宰は俺の心を見透かす様に綺麗な目で俺の事を見てくる。
「中也、私は中也がいいの。中也以外と付き合う事なんて無いから」嗚呼そうだ、俺はこの目に一目惚れをしたんだ。何もかもを見透かす真っ直ぐな瞳、透き通った鳶色、俺の中に躊躇はもう無かった…
「俺でよければ…///」耳迄真っ赤にしながらそう言った。太宰は其れを聞いて俺を抱き締める力を更に強める、
「太宰力強ぇよッッ!」「あ〜チビの中也にはキツかったかな〜ニヤッ」「チビじゃねぇ!」
何時もの様に巫山戯乍も二人共ギュウッ、と効果音の付きそうな程抱き着く。
嗚呼、この幸せが何時までも続きますように
第2話不幸と幸せ____𝑒𝑛𝑑
コメント
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いやぁ……いいですね…ふふ…
泣いたり巫山戯たりなんか色々やばいねこの回