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第1話『世界学園、開校日。』
ここは、世界中の国たちが「学生」として通う不思議な学園――
『世界学園』。
戦争も、歴史も、全部置いて。
今日から、彼らはただの『クラスメイト』。
だけど、普通の日常なんて、彼らにはきっと似合わない。
◆
「えー、今日からこのクラスを担当する、プロイセンだー。ま、仲良くやれよー。」
気だるげに教壇に立つ、プロイセン先生。
彼は世界学園のベテラン教師であり、ちょっと適当、でも根は熱い。
「じゃ、出席とるぞー。」
ガラッ。
教室のドアが開き、長い金髪の少女が入ってきた。
「ナチス。……ふん、まあ、よろしく。」
淡々とした態度に、周囲がざわめく。
彼女は少し孤高で、でも目を引く存在だった。
「日帝、よろしくな!」
元気に手を挙げたのは、日帝(♂)。
隣の席のナチスをちらりと見て、にやりと笑う。
「やあナチス、今日からお隣同士だね、楽しみだよ。」
軽くウィンクしたのはイタ王(♂)。
「……俺も、隣がいい。」
小さくぼそっと言うのは、ソ連(♂)。
ナチスは軽くため息をついた。
「……面倒くさい連中ばっかり。」
しかし、内心まんざらでもなさそうだ。
◆
「今日もあなたの隣にいるわ、イギリス。」
**フランス(♀)**がいつものように微笑む。
「……そのように馴れ馴れしくしないでいただきたい。」
**イギリス(♂)**は淡々と敬語で答える。
「ふふっ、素直になればいいのに。」
「不必要です。」
「じゃあ、文化祭で私とペア組むのは?」
「合理的に考えれば、君以外に適任者がいないので。」
「え? それ、まさか……」
「勘違いなさらないでください。」
イギリスは全く照れない。
でも、どこかフランスの押しには付き合ってしまうのだった。
◆
「日本、今日も昼食一緒に食べるアルか?」
**中国(♀)**が笑顔で声をかける。
「……はい、中国さんのお弁当、楽しみにしていました。」
少しだけ顔を赤らめた日本(♂)が小さく頷く。
「また手作りしてきたアルよ。」
「ありがとうございます。とても光栄です。」
二人は静かに席を並べ、昼休みを過ごした。
(この二人……いい雰囲気だな。)
周囲の生徒たちは、どこか見守るように微笑んでいた。
◆
放課後、職員室。
「江戸、お疲れ。今日も平和だったな。」
気さくに声をかけるのは、オランダ先生。
「まあな。日帝も、日本も、しっかりやってる。」
「江戸、また夕方に甘いものでも食べに行くアルか?」
そこへ、清(♀)先生がやってきた。
「行くか。今日は俺が奢ろう。」
三人は本当に仲が良い。
歴史は複雑だったかもしれない。だけど今は――
「オランダ、また江戸に変なもの売るなよ?」
「何言ってんだよ、全部正規品だって。」
「信用ならないアル。」
(……この感じが、心地いい。)
夕陽の中、三人の笑い声が響いていた。
◆
こうして、
世界学園のにぎやかで、ちょっと複雑で、どこかあたたかい日々が始まった。
どうでしたか?できるだけこの話は毎日投稿するつもりです!
では、さようなら!