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第五章:火線を越えて(再結束)
山の夜に、銃声がこだました。
敵の奇襲に対し、ロジン小隊は散開し、岩陰や低い段差に身を隠しながら応戦した。
「左から回り込まれる! シラン、遮蔽物へ!」
ロジンの叫びに、隊員たちは即座に従う。
この瞬間、小隊は“疑念”よりも“生存”が優先される、原初の連携を取り戻していた。
■ ホシュワンの行動
裏切り者として追及され、隊の信頼を失ったはずのホシュワンだったが―
彼は迷わず敵の正面へ飛び出し、激しい射撃で味方の退路を確保した。
「ロジン隊長! この崖の上を抑えれば突破できます!」
ロジンは迷わなかった。
「アザル、右から回れ! ホシュワン、援護を続けろ!」
このときロジンは理解していた。
裏切り“行為”はあったが、ホシュワンの心はまだ味方にある。
■ 崖上の攻防
山肌の急斜面を駆け上がるロジンとアザル。
足場は不安定で、砂利が滑り落ちるたび敵の弾がそれを追う。
アザルが息を切らせて言った。
「隊長……いつもの、あれを?」
ロジンは短く笑った。
「ああ、やるわ。」
二人は視線を交わし――
ロジンが正面から牽制射撃を浴びせ、その間にアザルが岩場を飛び移り、敵の側面へ回り込む。
「今だ、アザル!」
アザルの射撃が決まり、崖上の敵兵たちは、数人銃弾に倒れ、 残りの敵は撤退した。
■ 戦いの終わりと静寂
しばらくして銃声が途絶え、山には静寂が戻った。
隊員たちが続々と集まる中、ロジンは全員を見渡し、ゆっくりと息を吐いた。
「全員、生きてるか?」
シランが答える。
「はい…全員無事です。」
隊員同士が安堵の笑みを交わす中、ホシュワンだけが遠巻きに立っていた。
その顔には 「ここに居る資格があるのか」 という迷いが浮かんでいた。
ロジンは彼に近づく。
「ホシュワン。今日の戦いで、あんたは仲間を救った。」
ホシュワンは首を振る。
「でも、俺は部隊を危険に晒したんだ。」
ロジンは静かに言葉を続ける。
「その責任は後で必ず話し合う。
けど、あたしたちは、味方のために戦ったあなたを見た、 それは事実だ。」
ホシュワンの表情が少しだけ緩んだ。
周りの隊員も、彼を見る目をわずかに変えつつあった。
「俺は……もう一度仲間として戦ってもいいのか?」
ロジンは小さくうなずく。
「あんたがそれを望むならな。
ただし、ここからが本当の戦いだ。」
■ 小隊の再結束
その夜、焚き火を囲む小隊の表情には緊張の影はあったが、
そこに漂う空気は確かに“ひとつのチーム”だった。
アザルが笑いながら言う。
「ロジン隊長、また無茶したなあ。」
ロジンも珍しく笑った。
「あなたたちが支えてくれるからよ。」
こうして小隊は、裏切りと危機を乗り越え、再びひとつにまとまった。
だが―
ロジンの表情の奥には、まだ消えない決意が燃えていた。
「仲介人は、まだこの山のどこかにいる…」
そして小隊は再び、闇の中へ足を進める。
■ 小隊の再結束
その夜、焚き火を囲む小隊の表情には緊張の影はあったが、
そこに漂う空気は確かに“ひとつのチーム”だった。
アザルが笑いながら言う。
「ロジン隊長、また無茶したなあ。」
ロジンも珍しく笑った。
「あなたたちが支えてくれるからよ。」
こうして小隊は、裏切りと危機を乗り越え、再びひとつにまとまった。
だが―
ロジンの表情の奥には、まだ消えない決意が燃えていた。
「仲介人は、まだこの山のどこかにいる…。」
そして小隊は再び、闇の中へ足を進める。