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ある日、手紙が届いた。

🌸「いるま!お前宛てに来てる!」

📢「………?」

有給を使ったからか身体が軽くなり1つ1つの仕事を早めに片付けてる時らんからもらった 何も書かれてない白い封筒。裏を見てみれば見覚えのある名前を見た。





‪✕‬‪✕‬‪✕‬警察署 巡査部長

碧也須莉



📢「___…!」

それは警察からの手紙だった。それにこの名前も以前、なつについて調べた時にもコイツの名前があがっていた。

何故、俺の元に___?

🌸「……お前、まさか…」

一緒に封筒を見てたらんはそう言うと懐にしまってあった拳銃に手をかけた。

📢「…待て。中を見てからだ」

そう言って手で制止すればらんは素直に手から拳銃を手放した。俺は手で封を乱雑に破けば中には1枚のコピー用紙が入っていた。字でバレないようにしたからなのだろう、取り出し中身を見れば綺麗なフォントでコピーされてる手紙が出てきた。



『お話があります。逮捕は致しません。今週の土曜に〇〇喫茶に来て頂きたいです。』


明らかにバレてる、いや、ようやくか。

らんを見ればあの時同様ゴミを見る目で手紙を見下し、また拳銃に手をかけていた。

🌸「いるま、俺も行く」

あんなにメンヘラで俺を好き勝手に使うコイツでも俺の事は大好きなのは分かってる。俺を失いたくないんだろう。だがこれは俺の問題だ。こんな俺自身の問題で仲間を使いたくないし売りたくもない。

📢「……いい、俺だけが行く」

🌸「っ…でも…!」

📢「お前に関係させたくない、着いてくんなよ?」

そう言って手紙も封筒もくしゃくしゃに丸めてゴミ箱に投げ入れる。らんはまだ何か言いたげな顔をしていたが俺がもうこの話をする気がないのを察したのか諦めてくれた。

🌸「…捕まんじゃねぇからなっ」

📢「っは!じゃあ捕まったら警察署行ってその拳銃で俺の事殺してくれよ?」

俺はここにいる理由なんてないんだ。とっくに俺はもう死んでるからな・・・・・・・



まだ仕事はあるが家でできるような物だった為先に上がった。あの警察官の手紙を見てからほんの少しだけなつがいるか確認したかった。少し速足で歩いて5分にあるマンションに帰りエントランスに入る。 エレベーターに乗り自分の部屋の番号に行って鍵を使って開ける。



🍍「…え…ぁ……」

📢「………え?」

なつはちゃんと居た。

キッチンにいるエプロン姿のなつが。

📢「………」

俺は少しの安堵と見た事ない格好のなつに思考がこんがらがり羽織っていたジャケットの肩の部分がずるっと落ちた気がした。

🍍「ぇあっ…と…おかえり…///」

黄緑色のエプロンを腰に巻き片手にはお玉を持って少し照れくさそうに目を逸らして俺に出迎えの挨拶をする姿に思考が停止しかける。そこらにあるAVの裸エプロンをしてるタレントより破壊力があった。

📢「……お前、襲って欲しいんか?」

🍍「はぁッ?!/// んな訳ないじゃん!//」

📢「飯も風呂もいいからお前…」

🍍「ちょっ…/// 今日はダメっ!///」

今日じゃなければいいのか。覚えとこ。

そんなバカップルみてぇなやりとりに鼻で笑いそうになる。最近のなつは素を見せてくれている。俺から移ったのか前からなのかたまに口が悪くなったり、距離が近くなったりと猫みてぇな可愛いコイツに俺も少しずつ心臓に悪くなっていった。

なつに抱きつきつつ近くにある鍋を見ればぐつぐつと煮込む良い匂いがした。匂いだけでもう腹の音も鳴りそうになる。

🍍「ぁ…カレー作ってみたんだけど…」

📢「…カレーなんて初めてだ」

🍍「へぇ…え…はぁ!?」

📢「言っただろ?俺の昔の話」

小さい頃から虐待されてた俺はもちろん義務教育を習っていないし親も俺なんていないもんだと思われてたからカレーなんて知らなかった。今は名前だけは聞いたことある程度

🍍「…とりあえず…盛って?」

📢「?…白飯でいいんだよな?」

🍍「お前やば…」



📢「……うッッッま…」

🍍「…どーも …///」

2人で食卓を囲みながらテーブルに出されたカレーとサラダを食べていく。初めて食べたカレーはシチューに似てるが白飯の相性が良くて何よりなつが作ってくれたっていう事実からか今までの中で1番美味しいと感じた

🍍「まだ残ってるから明日食べて…」

📢「毎日食えるわこれ」(モグモグ

🍍「っ…w それは飽きねぇ?w」

くすりと笑うなつを見て可愛さと安心感で身体が温かくなる。それと同時に土曜の事を思い出させた。警察、なつの仮の恋人に会いに行って来る。その実感がまだ湧かなかった。

なつに言った方が良い話なんだろうが家族の話をすればまた眠れない夜が続く可能性だってある。……いや、勝手に会うのも本人には悪いかもしれない。




📢「……なつ?」

🍍「ん?」

📢「…食事が終わったら部屋に来い」







📢「……ここか」

手紙に書かれてた喫茶店に足を運ぶ。相手にはバレているのかもしれないが念の為スーツではなく清潔感のある物を着て来た。カバンにはなつから貰った物と念の為の拳銃を入れている。中に入って小柄な店員さんに『碧也』と伝える。どうやら先に着いていたらしく店員さんに席を案内してくれた。


📢「…すみません、少し遅れました」

🍵「…!いえ!来てくださりありがとうございます!」(スッ…

そいつは俺に手を差し伸べてきた。少し警戒しつつも何も無いと考え俺も彼の手を握る。

碧也須莉(みどりやすち)。警察署長の息子であり、なつと恋人関係を築いてる。24という若い年齢で巡査部長として働いてる男。

🍵「何か頼みましょうか!」

📢「…そうですね」


メニューを開き暑くなってきたため俺はアイスコーヒーを頼みソイツはアイスティーと抹茶アイスを頼む。

🍵「ごめんなさい、俺が払いますんで…」

📢「いや、気にしなくていい」

ほわほわとこちらに話しかけてくるコイツに少し警戒しつつ頭で話をする際の言葉選びをする。

🍵「率直に言わせてください」

📢「……」


🍵「暇ちゃんは貴方が誘拐しましたよね」

いきなり言ってきたコイツは笑顔だったが目が笑っていない。普通の人だったら圧を感じるだろう、俺は何も言わずコイツの目を見た後に届いたアイスコーヒーのストローに口をつけた。

📢「…なんで俺だと?」

🍵「暇ちゃんが失踪した後残されたメモ帳と買い物バックを調べた」

焦っているのか興奮しているのか早口で言ってくる。

🍵「指紋が確認されたけどどれも当てはまらない者が多くて大変だった。」

📢「……じゃあ人間違いじゃ」

🍵「でも、暇ちゃんの部屋を探索した時ある物が出てきて指紋認証をさせてもらった」

するとソイツは隣の席に置いていたカバンからZIP袋を取り出した。中に入っている物に俺は心底驚いてしまった。




それは俺が昔渡した1000円札だった。

なつに初めて会ったあの数年前の物。しわくちゃになってはいたがちゃんと保管していたんだろう切れても汚れてもいなかった。

顔に出ないように冷静を取り戻す。

🍵「…俺はここまで頑張って来た。暇ちゃんが行ってそうなお店を探して店の店員さんにも話を聞いて指紋も回収して」

📢「…………」

🍵「貴方なんですよね?」

コイツの顔を見れば目の下に隈があり、きっとなつのために身体を張って調べたんだろう

渡すなら今だと感じた。

📢「……これを」(スッ…

🍵「…?手紙……?」

そうするとソイツは封を切り中の手紙を出した。すれば驚愕したようで顔に出ていた。

🍵「っ…暇ちゃんっ…!」






🍍「っ明日…すちに会うの?」

📢「…あぁ」

結局なつに話をした。もちろん驚きと困惑が混ざったような顔をしたが思ったより深刻そうな顔はしていなくて安心する。

📢「…何か渡したい物があるならくれ」

🍍「渡したい…もの……」

そう言うとなつは悩んだ後俺を置いて部屋に戻って行った。何をするかと思い部屋を覗けばベッドを椅子替わりにして用意された小さいテーブルに何かを書き始めてた。俺はなつの邪魔をしないようにリビングへと戻った。

たった1ヶ月と数回会っただけで少しは分かる。俺の個人情報なんか書かないだろうし俺にも心を開いてくれたのだから裏切るような事もしないだろうと。


🍍「…できた。渡して欲しい…」

📢「……わかった」

翌朝手紙を貰い俺は喫茶店へと向かった。







あれから静かな空間が広がる。店内に流された音楽を右から左へと流しつつ俺はアイスコーヒーを飲み進めた。ソイツはなつが書いた手紙を読んでいる。俺は内容なんか分からないしなつと家族のことに加入する必要もない、したくもないから静かに待つ。

すれば読み終わったらしくソイツは手紙を封の中に入れて綺麗なままでカバンにしまう。

🍵「…いるまさんはこの事を知って?」

📢「…俺は手紙の内容なんか知らないよ、なつが書きたい事を書いただけだ」

そう言えば「そうですか…」と言い黙ってしまった。見れば抹茶アイスを静かに食べ始めたが顔は少し悔しそうな顔をしていた。顔に出やすいタイプだということと俺の予想通り個人情報を漏らしてない事は分かった。






🍵「…今日はありがとうございました。すみません、何も話さないままで…」

📢「…いや、いい。なつからの手紙を渡しただけでも十分だろう」

コイツを見てると俺の事だけを知っているだけであってマフィアな事はまだ知らないのだろう。知っていれば俺をその場で捕まえるか応援を呼んだりするだろうから

📢「…俺の事捕まえなくていいのか?」

今更だが少し揺るがせてみる。

🍵「…手紙を渡さなかったらもしかしたら調査で捕まえてたかもしれない。」

📢「……」

🍵「…暇ちゃんがここまで心を許す人なんて少ないからね…見逃すよ」

そう言うとソイツは深呼吸をした後俺に向かって指を指して言った。

🍵「でも、いつかお前を捕まえる」

📢「……!」

🍵「…もちろんまだ暇ちゃんが隠してる事だって沢山あるだろうからそれ次第でお前を捕まえるかを決めるけど」

🍵「今はまだ見逃してあげる」

そう言って子供のようにはにかむソイツを見てまだ餓鬼なんだなと感じさせた。

📢「…そんなに心配も焦りもしなくていい。俺がアイツを幸せにしてやるよ」

🍵「っんな!?俺だって…!!」

こうやって焦りながら俺と対戦してくる姿にもまた餓鬼だと感じさせてくる。これから俺らはライバル同士になるのだろう、こうやって話をしつつも目の中の闘志は互いに持っていた。



🍵「じゃあ!また会う時が来ましたら」

📢「……あぁ、いつかな」

曲がり角でそう言いソイツと別れた。

また調査をするのか早歩きになっていて気合いに満ち足りて帰る背中姿に 見送る。

俺も帰りを待ってくれてる愛人の元へと帰って行った。

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