コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私は、奴が潜んでいると思われる屋敷へ向かうことにした。
「……お嬢ちゃんよぉ~。お前さん一人だけで乗り込むなんて無茶じゃねぇか?」……えっ!? 後ろを振り返るとそこには、私のよく知る顔があった。
私の背後に立っていたのは、見覚えのある顔の男だった。
「……あんたも大変だねぇ……」
「まぁねー。でもさぁ、こう見えても私ってば結構人気あるんだよ?」
「あー、はいはい。知ってるよ」
目の前の少女が、こちらを見てニヤリと笑う。
その表情からは感情を読み取ることができない。……こういうところがあるから苦手なんだよね……。
「えっとぉ……それでぇ、その人は今どこにいるのかなぁ?」
「今は仕事中だよ。お客さんが来る予定になってて、準備のために少し席を外すだけだからすぐに戻ってくると思うけど……。それより、君の方こそ何やってんの?こんなところで油売っちゃって良いわけ?」
そう言うと、少女が顔をしかめる。
その顔を見ただけで私は確信する。
あ~、これはまた面倒事に巻き込まれそうだわ……。
私の勘はよく当たるのだ。
「うっさいなぁ。ちょっとくらい休憩させてくれたっていいじゃん!それに、今日は休み取って来てんの!」
「休みぃ?一体どういう風の吹き回しだい?」
「そりゃもちろん、あんたが心配だから様子を見に来てあげたんじゃないの!!」
「……ふぅん?で、その割には全然活躍しないよね?」
「うっ……」
痛いとこ突かれた。確かにそうだ。
今年も、僕にとっての厄年にあたる年だっていうのに……。……まぁ、こんなこと言ってても仕方がないんだけどね……。