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34 - 第34話 状況悪化(海のせい)

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2023年05月03日

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山路と雪が言い争いをしているのをしり目に、一楓はマスターに向かって言う。

「200万円なんて美術部が出せるわけないでしょー?菅沢君はお店を経営してるって話だったから、払えるよね」

「いや待て待て、確かに俺には300万くらい貯金があるけど、それ全部、大人になって使わなきゃいけないお金なんだ。だから今ここで使うわけには」

「えー、そんなあ。また文華ちゃんに怒られるよ」

一楓は肩を落としてため息をついた。

ガラガラ。

教室の後ろからドアの開く音が聞こえ、全員が後ろのドアを見た。

「おいおい。そろそろ攻撃に転じた方が……みんなインクがなくなって供給し始めてるから、今がチャンス……って何してんだ?」

ドアから入ってきたのは、尚人だった。

「あ、尚……じ、実はな……」

海が視線を山路と雪の方に視線を向ける。

「山路と雪が喧嘩してるんだよ。はあ、なあ、尚、あいつら止めてきてくんね?」

「いや、しかしなあ……うーん。しょうがないな~」

尚はそのまま二人の元へ向かった。

「おい、お前ら、落ち着け。今がどういう状況か分かってるのか?今は大会の途中だ、口喧嘩なんてやってる場合じゃないぞ‼」

『お前は引っ込んでろ!このゲーム廃人が‼』

尚が仲裁に入ろうとしたところ、二人が口を揃えて行った。

「ああ?」

2人の言葉を聞いた尚が、二人を見て、怒りに震える声を上げた。

「お前らなあ‼勝手に喧嘩してる癖に何言ってんだよ!ばっかじゃねえの!この馬鹿小説家ども!いい加減にしろよ‼」

そう言われた雪が尚に向かって言い返す。

「ああ?四六時中パソコン触ってネットサーフィンしてるくせに何言ってんだお前‼」

「お前らだってパソコン触って小説書いてんだろ‼」

二人で喧嘩していたのにも関わらず、三人が喧嘩し始めてしまった。

「おい海。悪化してるぞ」

三人にバレないように皐月が海に耳打ちする。

「……はあ、唯一頼りになる部長は流と話してるし……」

海の視線の先には、背の高い部長が、背の低い流に圧をかけているようにしか見えなかった。


時計の短針が十一と十二の間を指し、長針が六を指している。

「あと三十分だ。どうしよう……まだどこにも攻撃できてない……」

歩美がその頃ハンドガンを片手に敵を探していたが、全員インク残量が無くなり、第二美術室に向かっていた。

「あ」

「え?」

聞き覚えのある声に気が付き後ろを振り返ると、そこには、並河信梨が居た。

「信梨ちゃん」

「サッカー部知らない?海探してるんだけど……さあ知らないけどな……」

歩美が苦笑を浮かべると信梨は廊下の先を見た。

「この階って、第二美術室がある階だよね」

「あ、うん。そうだね」

「歩美、凄いな。ゼッケンが真っ白じゃん」

「ああ。逃げてたからね。そう言う信梨ちゃんも真っ白だけど」

「私は、攻撃を受けるつもりもするつもりもないわ。あのイケメンクソ野郎に痛い目見せるために、サッカー部にしか攻撃しないの」

「へ、へえ。あの、信梨ちゃんって、海くんと仲悪かったっけ?」

歩美が不思議に思って、信梨の顔を覗き込みながら問うと、信梨は、俯いた顔に冷笑を浮かべていた。

「いや、でも、この前、はとこが小学校に入学した祝いで、親戚全員で集まってみんなでゲームしたんだけどね。その時、海が全く手加減せずに、どんどん勝っていくから。私と一対一で勝負したとき、ぼろ負けして、勝ったときに馬鹿にされたから、ちょっとイライラしてるだけだよ」

信梨はとてつもない剣幕で、第一美術室を睨んでいた。

「あと三十分だし、サッカー部探さない?」

「あーじゃあ、せっかくだし」

信梨に誘われ、歩美は首を縦に振り、承諾した。

その時、信梨が衝撃的な言葉を口にした。

「実はね。大体場所は掴んであるんだ」

「……え?」

「あの、第一美術室、あそこから、山路と雪の声が聞こえてくるもの。口喧嘩もでかいとは、はた迷惑な小説家たちね」

信梨は張り付けた冷笑を一ミリも崩さず、じっと美術室を見つめた。

実は歩美は、山路たちが入るのを見ていたから、サッカー部の居場所を知っていた。

しかし、最初に言われた冴香の忠告によって、信梨にその場所を教えないでいたのだ。

「……」

歩美は、先導して先に進む信梨の背を心配そうに見つめていた。

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