テラーノベル
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グロ描写注意⚠️
死亡シーン+嘔吐シーン〇
出来ればこういうの書きたくなかった…。
──────Hれいまり視点──────
私は、その一部始終を見る。簡潔に言うならば、勇者が圧倒的なまでな力を振るい、人類の敵を殺した。それだけ聞けば良い話だし、さすが勇者だと拍手をすべきなのだが、私はそれをすることが出来なかった。
何故ならばその光景はあまりにも、あまりにもだったからだ。一言で、馬鹿らしくいえばグロい。内蔵は全て抉られ、飛び出し、目はなにかの液体を吹き出し、淡い光を放ちながら徐々に消えている。口元には大量の血液が付着しており、もはや顔の原型がとどめられていない。ここまで酷い死体は初めてだった。
「…ぁ、れなんですか?」
私がようやく絞り出した声でガンマスさんに問う。ガンマスさんは至って当たり前のことだ、と言わんばかりに教えてくれる。
「ああ、この世界の魔族と上位種は異常なまでの再生力を持つんだよ。心臓も、脳が損傷したってそうそう死にやしない。だから徹底的にやらないといけないんだよ。」
いや、そっちではないのだが…とも思ったが、勇者には勇者なりの理由があることを知る。なるほど、と思うと同時にそうだろうとしてもやりすぎだろ、という勇者に対して非難する気持ちも溢れ、矛盾した思いが思考を渦巻かせた。
「…そういうことを思うヤツらがいるから勇者が嫌われるんだろうね。」
ガンマスさんがまるで、私の心を読んだかのように、そう言ってくる。私は、その言葉にハッとする。私は、勇者に対して、確かな驚異を感じ、恐怖も感じた。この世界の勇者が恐れられている理由をようやく知った気がする。たしかに、力がない我々からすればその力は脅威であり、魔族よりも厄介になることもあるだろう。この世界の人間に少しばかりの同情と、いえもんさんの力を見誤っていたことに恥ずかしさを覚える。
「…と、言うか。普通にメテヲさんに勝ちましたよ?いえもんさん。これ世界終わらなくないですか?」
そうだ、その通りだ。自分の言った言葉に自分で共感する。私はてっきりメテヲさんに負け、その結果この世界が滅ぶものだと思っていた。だが、結果はどうだろう?あっさりと、簡単にメテヲさんは死に、いえもんさんの肉体に傷1つつけられなかった。こうなってしまえば、勇者無双物語ではないか。滅ぼされる未来が見えない。
ガンマスさんは呆れたように私を一瞥して、視線を私からいえもんさんに戻しつつ話す。
「あなた、この世界の予習してないんですか?いくら捨ての世界だからって…。この世界は勇者が強すぎてしまったが故に───」
その瞬間、いえもんさんが空中に縛り上げられる。
私はその光景に心臓が飛び出でるかと思うほど驚いた後、その光景を凝視する。
───めめさんが、いえもんさんに指を向け、浮かせている。いえもんさんは驚きにより、声も出ない様子だった。
「───死神によって、処されるんです。」
「!?な、なんで!?神が魔王を倒すために生み出したんじゃ…!!」
私が反論のように、声を荒らげ、そう叫ぶ。ガンマスさんは表情ひとつ変えずに解説し始める。まるで、無知を憐れむかのような視線を送られた気がしたが、気のせいだろうか?
「違いますよ。勇者は精霊王との賭けの為だけに生まれたんですよ。人間に能力や、力を授けてみて、魔族に対抗できるか。
ただ、このルートだと勇者の能力が強すぎるだけ。調整をミスったんです。だから、殺される。」
「ぇ、だって…。めめさんといえもんさんあんなに仲良さげに───」
「神が人間に対して愛着が湧くわけないじゃないですか。どのルートでも、神が我々を有利にするように働いたことは無いです。神は、神です。死神は死神。期待なんてしない方がいいですよ。」
ガンマスさんがそう吐き捨てる。
私はガンマスさんから視線を外し、外した視線をいえもんさんに向ける。
めめさんが空に向かって、拳を段々と閉じていけば、それに呼応するようにいえもんさんの首元が段々青くなっていく。口から唾液が吐き出され、苦しそうに顔を歪める。
人間は神に逆らえない。我々人間は所詮、神の使い捨ての道具であり、どんだけ力、才能を持とうと逆らうことなんてできないのだ。なぜだか、今まで信じていなかった現実を突きつけられたように感じ、胸が、ぎゅっと苦しめられる。悲しい、どうして、なんで。そんな感情よりも先に───
「ォ゛え゛ェ゛…ッ!!」
どんな感情よりも吐き気が勝り、腹の奥から込み上げてくる気持ち悪さに耐えきれず、そのまま吐き出してしまう。舌の上に転がるゲロに耐えきれず、また吐き出す。気持ち悪い、気持ち悪い。なんだよそれ、なんだよそれ。言葉にできない、感情にもならない思いが吐き出され、全てを無かったことにしようとする。しかし、現実は残酷で。目の前に映る光景は変わることはなく、いえもんさんは既に白目を向き、泡を吹いていた。めめさんは力を弛めることなく、さらに強く握る。
「あ、あと30秒くらいですねー。わかってると思いますけど、この世界の主人公はいえもんさんで、主人公が死ねば物語は終わるので。ここまでありがとうございましたー。」
「ゥ゛えぇ゛ッ…?」
私が気持ち悪さにさらに吐いていれば、ガンマスさんはサクッと私の首をきりおとす。
───え、なんで殺された?わけも分からず瞬きを繰り返す。既胴体と泣き別れたはずなのに視界は、最後まで鮮明に情報を見ようとする。
「いやーこの世界のミッションがれいまりと親しくなった時に殺すだったんですよねー。どうせ世界終わるし、ミッションポイント稼がせてもらいますねー。」
そう淡々と説明するガンマスさん。その言い草はまるで、私のことを仲間ではなく、ポイントとして見ていたかのような───
「はぁ、最後に見る光景がゲロとか最悪…。」
ガンマスさんは嫌そうな顔を浮かべ、唾をペッと私に吐く。その瞬間、プツリと世界が終焉を迎えた。
ここで切ります!てことで、Hルート終了です!今回の話は、勇者物語(失敗if)でした。勇者が強すぎた影響で、賭けとして機能を果たさなかったので、殺された、みたいな感じですね。HはHEROのHから取りました!
なんかれいまり編長くないですか?2、30話で終わらせる予定だったのに…。まあ、諦めて書きたいルートを書いていく所存。
今ん所書く予定はIルートと、Rルートの予定ですね。それと、Sルートって感じか…。
…まあ、ぼちぼち頑張っていきまーす。
それでは!おつはる!
コメント
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てっきりメテヲさんが死んだふりをしていえもんさんを倒すルートかと思った
…なんか…今回の好きじゃないけど好きだわ…
やっぱ神って規格外ね〜