〜side星導〜
規則正しい寝息が聴こえる
俺が抱きしめようが髪の毛に触れようが、お構い無しで眠っている
相当疲れてしまったらしい
俺も眠ろうとしたけど、小柳君の顔を見ていたら眠れなくなってしまった
肌蹴た肩に毛布を掛け直す
すると小柳君はおでこを俺の腕に擦り寄せ、顔を埋める
そんな行動一つが愛おしく思う
時計に目をやると、もう朝の5時を回っている
今更になって瞼が重くなってきた
少しだけ眠ろう‥‥
小柳君の温かさを感じながら瞼を閉じた
「‥‥い‥‥‥‥おい!起きろって」
「‥‥‥‥ん」
腕の中が急に寂しくなる
と、同時に体を軽く揺すられた
「星導!起きろって!」
「ん?‥‥‥‥何‥‥?」
「何じゃねーよ。遅刻だ、遅刻!」
「‥‥‥‥ふぇ?」
「歯抜けた声出してないで起きろ!」
今寝たばかりなのにと思いながら目を開ける
既に小柳くんは部屋の中には居ない
壁に掛けてある時計に目をやる
もうすぐ10時‥‥
その時間を見ても体が起きない
と言うか起こす気がない
洗面所で身支度を整えた小柳君が部屋に戻ってくる
「おぉい!嘘だろ。いい加減に起きろって!」
布団を剥がされ、両手を引っ張り上げられる
上半身を起こされ、俺は小柳君の腰に手を回して抱きついた
「ねぇ、今日くらいは休みません?もうどうせ学校も始まってるんだから‥‥」
「休ませねーよ。俺と付き合うならちゃんとしろよ」
「‥‥寝坊はしたのに」
「うるさいな。出れる所から授業に間に合わせるんだよ」
「‥‥今日は休みたいのに」
「俺と喧嘩したいのか?」
「わかりましたよ、準備します!」
小柳君が用意してくれたものを使い、準備を進める
身支度を整え部屋を出ようとした時、ふとある事が頭を過ぎた
「今、二人で学校行ったら‥‥なんか言われそうじゃない?」
「なんかって何?」
「いや、ウェンとかがさ‥‥何かと色々‥‥」
「色々?」
「詮索されたりとかしたら‥‥だったら俺、時間ずらして行っても良いよ」
そう言うと小柳君が俺の背中を押して部屋を出る
「詮索したい奴にはさせとけば良いだろ?勝手にすればいい」
「いや、そうだけど‥‥絶対ウェンとか聞いて来そうじゃない?」
「教えてやればいい」
「‥‥‥‥小柳君ってそう言う所男前だよね」
「俺はいつでも男前だが?」
「あ‥‥そうだっけ?」
「わからん奴とは破局だ」
「やめてよ!付き合った次の日に縁起でもない」
君は知らない
俺が小柳ロウの『特別』になった事をみんなに知られる喜びを‥‥
END.
コメント
4件
学生の恋愛って感じがしてめちゃ良きでした!あと、普通にるべろうが好きww
\((,,> <,,))/ 最高でした!!