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2話 最初の戦い
夜の公園——異変の始まり
(魔法少女のステッキを手にした桜田みこは、その夜も現実感のないまま眠りについた。けれど、深夜になって彼女のスマホが突然振動した)
《Magica Order》——討伐依頼発生
対象:アノマリー・クラスE
場所:市立第三公園
みこ「……え?」
(みこはスマホの画面を眺め、ゴシゴシと目をこする。まるでゲームのクエストみたいな通知。しかし、夢ならやけにリアルすぎる)
みこ「……行くしかないよね」
不安を抱えながらも、みこは布団を抜け出し、制服の上にパーカーを羽織って家を飛び出した。
出現する異形
市立第三公園——そこは普段、昼間は子供たちが遊び、夜は静まり返る場所。しかし、その夜は異様な気配に包まれていた。街灯の明かりがチカチカと瞬き、空気がどこか重い。
「……なにこれ」
みこが一歩踏み出すと、公園の砂場の奥から“それ”は現れた。
黒い霧をまとった異形の存在——ねじれた人型の影。目の部分が異様に赤く光り、不自然に口を開けている。
「ギギ……ギィィ……!」
その声が響いた瞬間、みこのスマホが震えた。
《敵性反応確認》
アノマリー・クラスE——討伐推奨
「……これが、戦えってこと?」
恐怖で足がすくみそうになる。しかし、手には確かに“魔法少女のステッキ”がある。——やるしかない。
戦闘開始——初めての魔法
「えっと……どうすれば?」
みこが戸惑っていると、肩の上に小さな影が飛び乗った。
「まったく、鈍いな!」
「——らんま!?」
黒猫のような小さな使い魔・らんまが、みこの頭をぴしゃりと叩く。
「いいか、まずはステッキを構えろ。そして、心の中で“撃て”と唱えるんだ!」
「う、撃て……?」
言われるがまま、みこはステッキを振るった。すると——
「——撃てっ!!」
ステッキの先端から、紫色の魔法弾が放たれた。光の弾は一直線に異形へと向かい、命中すると爆発した。
「ギャァァァ……!!」
異形は苦しげにのたうち回る。みこは驚きながらも、もう一度ステッキを構えた。
「——やれるかも……!」
予想外の援軍
だが、異形はまだ終わらなかった。傷つきながらも、みこに向かって跳びかかってくる。
「くっ——!」
避けようとするが、間に合わない。迫る鋭い爪——その時——
ズバァッ!!
「……っ!?」
青い光が一閃し、異形の体が真っ二つに裂けた。驚くみこの前に立っていたのは——
「……海!?」
佐々木海が、片手に青いステッキを握りしめ、静かに立っていた。
「お前だけにやらせるわけないだろ」
みこはその言葉に、息をのむ。
彼女だけじゃなかった。海もまた、この呪われた契約に巻き込まれていたのだ——。