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3話 もう一人の契約者***
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戦いの余韻
みこ「……海、なんで……?」
(異形を両断した佐々木海は、青いステッキを軽く振り、残った霧を払うようにした。その顔は冷静だったが、みこには彼がいつもより少しだけ緊張しているように見えた。)
海「お前こそ、なんでこんなとこにいるんだよ」
みこ「え、だって……私、魔法少女になっちゃったし……」
海「俺もだよ」
(海はポケットからスマホを取り出し、画面を見せた。そこにはみこと同じ《Magica Order》のアプリが開かれている。)
みこ「……私と同じ?」
海「そういうことだ」
みこ「なんで?」
海「知らねぇよ」
(海はため息をつきながらステッキを消した。そして、みこをじっと見つめる。)
海「とりあえず、ここから離れようぜ。こんな時間にいたら、不審者扱いされる」
(みこは周囲を見回した。戦闘の影響なのか、街灯はまだチカチカと点滅している。静まり返った公園の空気が、やけに重たく感じられた。)
みこ「……うん」
帰り道の会話
(公園を後にし、二人は並んで歩き出した。夜道を歩くのは少し怖かったが、海が一緒にいるだけで少し安心できた。)
海「なあ、みこ」
みこ「ん?」
海「お前、怖くなかったのか?」
みこ「……怖かったよ」
(みこは素直に答えた。あの異形の怪物、アノマリー。実際に目の前で見たときは足がすくんだし、逃げたくなった。でも——。)
みこ「でも、逃げたらダメな気がして……」
海「……そっか」
(海は少し考え込んだ後、ポツリと言った。)
海「俺もさ、最初はわけわかんなかった。突然、アプリがインストールされて、ステッキが届いて、そして戦いに巻き込まれた。でも——」
(彼は拳をぎゅっと握る。)
海「戦わなきゃ、何かもっとヤバいことが起こる気がする」
みこ「……ヤバいこと?」
海「わからねぇ。ただ、そう感じるんだ」
(海の言葉に、みこは黙り込んだ。《Magica Order》——このアプリが与えた魔法の力は、一体何のためのものなのか。)
みこ「……ねえ、海」
海「ん?」
みこ「魔法少女って、普通はかわいくてキラキラしてるもんじゃない?」
海「いや、お前の戦い見た感じ、全然キラキラしてなかったぞ」
みこ「うるさい!」
(二人はいつものように軽口を叩き合いながら、それでも心のどこかで、不安を抱えたまま家へと帰った。)
アプリのメッセージ
(その夜、ベッドに横になったみこは、スマホを眺めていた。《Magica Order》のアプリには、新しいメッセージが届いていた。)
《次の契約者が目覚めます》
みこ「……次の契約者?」
(みこはその言葉に眉をひそめる。まるで、新たな魔法少女が生まれることを告げるようなメッセージ。そして、その相手は——。)