テラーノベル
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「本気でやらなきゃいけない相手だな……」
公太が低く呟いた。
「ネオコード――灼獄(しゃくごく)、解放!」
瞬間、紅蓮の炎が公太の全身を包み込む。
揺らめく炎のオーラを見て、カイタが目を見開いた。
「なんだぁ……!? そりゃあ!」
公太が腕を振るう。
ドンッ!
炎弾が一直線にカイタへ襲いかかる。
「やばっ!」
カイタは咄嗟に身を翻す。
そして、木から木へと飛び移りながら、猿のような身のこなしで炎弾を次々とかわしていく。
「ちっ……まるで猿だな」
公太が舌打ちする。
一祟も冷静にカイタの動きを分析していた。
「只者ではありませんね……」
唯我が刀の柄に手をかける。
「時間をかけるわけにはいかん。俺たちも行くぞ」
「はい!」
「連携だ、公太」
「あぁ!」
一祟は静かに目を閉じた。
「ネオコード――解放」
ゴォォ……。
周囲の空気が震える。
同時に、唯我が龍焉刀(りゅうえんとう)を抜き放った。
刃にネオコードの力が宿る。
「幻影の眠り」
淡い波動がカイタへ向かって広がっていく。
「……なんだ……?」
カイタの動きが止まる。
「急に……眠気が……」
瞼が重くなる。
だが――
「負けるかよっ!」
カイタは歯を食いしばり、必死に意識を保った。
「見せてやる……オイラの力を!」
次の瞬間。
紫色の霧のようなオーラが、カイタの全身から一気に噴き出した。
「これは……!」
一祟が目を見開く。
「アビスか!?」
「違ぇよ!」
カイタが叫ぶ。
「オイラの力――紫装武猿(しそうぶえん)だ!」
紫の光が、カイタの武器へとまとわりついていく。
そして――
無数の刃が空中へ展開された。
「これでも喰らいな!」
次の瞬間。
ドドドドドドッ!!
無数の武器が、一斉に三人へ向かって放たれる。
「くっ!」
一祟が拳を構える。
「神威撃!」
ドォォン!!
凄まじい突風が巻き起こり、飛来する刃の軌道を次々と逸らしていく。
その隙を逃さず、公太が叫んだ。
「灼獄――炎陣!」
ゴォォォォッ!!
炎と風が重なり合う。
無数の武器が炎の渦に飲み込まれ、次々と焼き払われていく。
「なにっ!?」
カイタの足元から炎が広がる。
「うわっ!」
足場が崩れ、カイタの身体が宙へ放り出された。
ドサッ!
「いてて……」
地面に落ちたカイタへ、公太が駆け寄る。
「大丈夫か?」
カイタは苦笑しながら身体を起こした。
「強ぇな……お前ら」
「お前もな」
公太も笑う。
「正直、一対一だったらどうなってたか分からなかったぜ。悪く思うなよ。そっちから仕掛けてきたんだからな」
「分かってるさ」
カイタは立ち上がり、服についた土を払う。
そして、公太たちの力を興味深そうに見つめた。
「それにしても……その力、すげぇな。どこで身につけた?」
「それは……」
公太が言葉を濁す。
すると、唯我が静かに口を挟んだ。
「悪いが、話す義理はない」
「すみません。事情がありまして」
一祟も申し訳なさそうに頭を下げる。
「あらりゃ、そうか」
カイタは肩をすくめた。
唯我が背を向ける。
「急ぐぞ」
三人が歩き出そうとした、そのとき――
「待ってくれ!」
カイタの声が響いた。
三人が振り返る。
「オイラも一緒に行っていいか?」
一祟が戸惑う。
「え? どうします?」
公太は少し考えたあと、ニッと笑った。
「いいんじゃねぇか。ついてくるだけならな」
そしてカイタを見つめる。
「こいつのこと、もっと知りてぇし」
唯我が振り返る。
「妙な真似をしたら……ただでは済まさん」
「わーってるよ。おっかねぇな、あんた」
カイタは苦笑する。
こうして――
公太、唯我、一祟。
そして、新たに加わったカイタ。
四人は、鬼哭丸の眠る神社へ向かって歩き始めた。
しかし彼らは、まだ知らなかった。
この先で待ち受けているのが、伝説の名刀だけではないことを。
鬼哭丸を巡る戦いは、今まさに新たな局面へと動き始めていた。
コメント
1件
第99話、読了! 公太の灼獄、一祟の幻影の眠り、カイタの紫装武猿…それぞれの能力がバトルでしっかり生きてて熱い🔥 特に連携の炎陣と神威撃のコンボは痺れたわ。カイタが仲間になってよかったけど、唯我の警戒心が笑えた。この先の鬼哭丸を巡る戦い、どう転ぶか楽しみ。たけっちさんのバトル設計、安定の解像度だわ!
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