ハイヒールネタです。この二人書いて見たかった。
文才なんかありません。
案の定駄文。駄文。
cpはどこかに記載してます。
主はにわかです。解釈違いがあると思います。
※ご本人様には関係ありません。
少し不穏
情報収集の為に身体を売るngが存在する世界線
凪ちゃんはいつも編み上げブーツみたいなものを履いている。レースアップだかロングブーツだかなんだか言っていた気がするが、特に興味がなかったから覚えてない。
実際、それ自体はどうでもいい。気になるのはブーツのヒール。ハイヒールみたいになってるそれは、よく女の人が履いているものよりも、もっと高い。きっとブーツを脱げば、凪ちゃんの顔はもう少し離れた位置にあるはずだ。
歩きづらくないの、と聞いたら、馴れれば別にとかいう適当な答えが返ってきた。
いつもそうだから。別に期待もせずに、なんで履いてるの、と聞いた。そしたら曖昧に笑って。
“私の方が上なんだって示すためですよ。別に誰にでもという訳ではないですが”
って。その時は意味わかんなくて、適当にそうなんだ、みたいに言ったと思う。
凪ちゃんが情報収集のために男に抱かれてるのを知ったのは、その会話よりも少し後だったから。
あれ、珍しい。
部屋に入ってまず、そう思った。部屋の中にあったのは、長椅子に座ったまま、頭を前に下げて眠っている凪ちゃんの姿。それ寝づらくないのか、なんて少し考えたが、足音を消して近づいてみれば、聞こえてくるのは規則正しく安らかな呼吸音。どうやら眠りは深いらしい。最近は目の下のクマをコンシーラーで誤魔化していたくらいだし、きっと疲れていたのだろう。
なんにせよ珍しいことだと、ゆっくりと目の前の男を観察し始めた。綺麗に整えられた黒髪、白い首とその首にあるほくろ、かなり細身だが、女性に比べればしっかりとした肩幅や胸元、思ったよりも細い腰。段々と視線を下へ下へと移動させれば、最後に目につくのはやっぱりそのブーツ。いつも通り綺麗に紐の結ばれたそれに目を細めた。
俺、知ってるよ。凪ちゃん。
このブーツ、凪ちゃんの武器なんでしょ。自分の心を守るためのもの。紐をしっかりと結んで、高いとこから見下ろして。それで、自分が主導権を握っているって。抱かれるんじゃなくて、抱かせてやってるんだって、思い込んでること、俺は知ってる。
紐に手をかけて軽く引けば、紐がシュルって解けた。随分無防備なことだと呆れる。紐をアイレットから引き抜いて、もう一方の紐も同じように。繰り返して行けば、通されている紐は先程の半分まで減っていた。
されるがままのそれに気分を良くして、もう片方のブーツにも手をかける。上から2番目の紐を引き抜いたところで、頭上から驚きと焦りの入り交じる声がした。
『…なに、して…』
ああ、起きたんだ。抵抗のために動かされた足を少し後ろに下がって避けると、凪ちゃんは俺から距離をとるように長椅子から転がり落ちた。何とか立ち上がって逃げようとしたところを、靴紐を踏んでそのまま転ぶ。普段の彼に似つかわしくないようなその動きに、胸の奥で何かがふつふつと湧き上がった。
喉でくつくつと笑って、凪ちゃんに近づく。そのまま後退ろうとする凪ちゃんの足を掴んで引き寄せれば、怯えたようなタンザナイトと目が合った。
「俺さ、凪ちゃんの目、ずっと綺麗だなって思ってたんだよね」
空いている方の手をすっと伸ばして凪ちゃんの目元を優しくなぞれば、何か身構えるように長いまつ毛がふるふると震える。
いいね。その顔。
無意識に上がる口角を無視し、足を掴んでいた手を靴紐の方へと滑らせる。そうすれば、ほら、すっごく可愛い顔。
俺、知ってるよ。でも、まだ知らないから。だから、いいでしょ?
ちゃんと見せてね、凪ちゃん。
ヒールブーツを脱いで、武器を失って、身も心も守ることも出来なくなった貴方は、どんな顔をするのかな。プライドも尊厳も信念も。全てを踏み躙られて、壊されて。そうしたら、貴方は俺をどんな目で見て、どんな言葉を零すかな。
高鳴る胸と逸る気持ちを押さえつけて、そっと凪ちゃんの耳に口を寄せて、独り言みたいに小さく囁いた。
「凪ちゃんのこと、俺だけに全部教えてね。」
コメント
9件
いや、本当に、マジで、神作品をありがとうございます…!!!! 「ヒールで自分を精神的に守っている」って考え方がすっごいかっよくて、対するセラフの行動がめちゃくちゃそれもそれで良くってとにかく最高です………。( ߹ㅁ߹)✨ ありがとうございます!
ぱって思いついたネタはその日のうちに書き終わらせないと数ヶ月放置することになります。ソースは自分。