テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
バレンタインの朝は、やけに甘い匂いがした。
二人で住んでいるシェアハウスのキッチンで
エプロン姿のすちは静かにボウルを混ぜている。
泡立て器の音が、しゃかしゃかと小気味よく響く。
翠「よし、完璧」
テンパリングも手慣れたものだ。
溶かしたチョコはつやつやで、プロ顔負けの仕上がり。
そこへ、ぱたぱたとスリッパの音。
瑞「おはよ〜、未来のショコラティエ」
寝ぐせをぴょこんと立てたこさめが現れた。
パーカーの袖に顔を半分埋めて、にこにこしている。
翠「……まだ寝ててよかったのに」
瑞「えー? 彼氏が朝からチョコ作ってるのに寝てるとか、恋愛偏差値ゼロでは?」
翠「誰の偏差値がゼロ?」
瑞「こ・さ・め♡」
即答。
すちは思わず吹き出す。
こさめは可愛い顔で、あざといポーズをとる。
ほっぺに指をつん、と当てて首をかしげる。
瑞「ねぇすっちー、今日ってなんの日か知ってる?」
翠「バレンタインでしょ」
瑞「正解〜! ごほうびにこさめをあげます」
翠「いらない」
瑞「即答!?」
こさめは床に崩れ落ちるフリをする。
瑞「くっ……彼氏にフラれた……ニュース速報です……」
翠「朝から騒がしいなあ」
翠「それに、こさめちゃんはすでに俺のでしょ」
さらっというイケメンめ‥
実はこさめも、昨日の夜こっそりチョコを作っていた。
キッチンを使う時間がかぶらないように、わざわざ深夜に。
ただし。
料理スキルは壊滅的。
出来上がったのは、見た目が若干隕石みたいな物体。
瑞(味は……たぶん大丈夫。たぶん)
こさめはそっと袋を抱きしめる。
瑞「ねぇすっちー」
翠「ん?」
瑞「好きって言って」
翠「んんぅ、急だな」
瑞「バレンタイン特典だよ」
すちは少しだけ考えて、それからまっすぐこさめを見る。
翠「好きだよ。可愛くて、うるさくて、面白くて。……全部ひっくるめて」
こさめの顔が、茹でタコみたいに真っ赤になる。
瑞「ちょ、今の不意打ち禁止!!」
翠「特典なんでしょ?」
瑞「ぐぬぬ……」
その後、すちは綺麗にラッピングした生チョコを差し出した。
翠「はい。いつもありがとう」
瑞「え、え、なにこれ完成度高すぎない? 売れるよ? 店で出そう?」
翠「出さないよぉ、俺がこれ作るのはこさめちゃんにだけだよ」
こさめは大事そうに受け取る。
そして意を決して、袋から例の“隕石”を取り出した。
瑞「こ、こさめも作ったのあるけど……笑わないでね?」
すちは一瞬だけ固まる。
黒くて、でこぼこしていて、謎の迫力がある。
翠「……これ、宇宙由来?」
瑞「チョコ!!」
すちは真顔で一口かじる。
こさめ、息を止める。
翠「……うん。甘さ控えめで、意外と美味しい」
瑞「“意外と”って何!?」
翠「ちゃんと美味しいよ。本当に」
すちは残りも食べてしまう。
こさめは目をぱちぱちさせたあと、にこっと笑う。
瑞「じゃあ来年はもっと上手くなるね。毎年レベルアップする彼女、どう?」
翠「楽しみにしてるね〜」
瑞「でしょ? 伸びしろの塊なんで」
翠「そこはチョコの塊って言うところじゃない?」
瑞「うまいこと言ったつもり?」
ふたりで笑い合う。
こさめはすちの手をぎゅっと握る。
瑞「ねぇ」
翠「ん?」
瑞「来年も、その次も、その次の次も、チョコ交換しようね」
すちは少し照れながらも、ちゃんと握り返す。
翠「うん。毎年、隕石食べる覚悟しとく」
瑞「だからチョコだってば!」
バレンタインだね
うふふふふ((
あ、ライブの当落言っていいすか?
言いますね
保険はつけたからね?
ワンクだから一応、うん
神奈川5月5,6日。
2日とも当選しました!
神奈川行きます!
関西から行くぜぃ
わぁぁぁぁぁぁい
うれぴよ
話戻りましてバレンタインですね
チョコもらったよ
友チョコ
明日、私本命チョコ渡しに行くの
緊張しすぎて胃が痛い‥
キリキリしてるよ
コメント
4件
話のテンポ早くて面白いw やり取り可愛いし、それっぽさを出すの上手すぎませんか…?
むいは地方民なんで無理だあ...