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MAKO
貴族たちの集まるパーティーの準備の依頼と当日ついでに新しい主の紹介もしろとの手紙が届いた。
「申し訳ありませんが、私たちが必ず御守りいたしますので来ていただけますか?」
🌸『は、はい・・・』
申し訳なさそうにそう言ってきたルカスに🌸は不安になりながらも頷いた。
パーティー前日、忙しそうな執事達の邪魔にならないよう部屋で🌼と2人で時間を潰していた。
🌸『パーティーってどんなだろうね』
🌼『んぇ?・・・んばぅ、だぁっ』
🌸『人がいっぱい来るのかな?』
🌼『あぅ、きゃーっ』
🌸『ごはん、楽しみだよね』
🌼『たーぁ?』
🌸『んふふ、お喋りさんになったねぇ』
ベビーベッドでおもちゃをしゃぶりながら喃語で返事をしてくれる🌼に笑みが溢れる。
🌸は🌼から目を離し、部屋の隅に掛けてあるドレスを見つめた。
いつかは、と憧れていたお姫様のように裾がふんわりと広がった可愛らしいドレス。
自分には似合わないと言っても、フルーレは絶対に似合うからとゴリ押しで可愛いデザインのドレスを作ってくれた。
(試着した時、鏡の中にいるお姫様が自分だとは信じられなかったっけ・・・)
フルーレのドレスは勿論、ハナマルのヘアアレンジ、ユーハンのメイクの技術も素晴らしく、🌸をお姫様に変身させてくれた。
🌸はドレスの裾を少しだけ持ち上げ、ナックが刺繍したという模様を見た。
「私は主様方のお世話を直接することは出来ませんが、少しでもお役に立つべく刺繍を入れさせていただきました」
そう言って寝不足でできた隈を目元に浮かべて笑っていたナックの顔を思い出した。
今度、何かお礼をしなくてはいけないなとぼんやり考えた。
そして、横のテーブルに置かれているベビードレスに目を移した。
フリルとレースがこれでもかとあしらわれた、とても可愛らしいドレスだ。
🌸の落ち着いた色味のドレスと対照的に、花嫁のような真っ白なドレスである。
靴下や帽子もフリフリで統一されているあたり、フルーレの本気度が伺える。
何処の貴族の子供よりも豪華で上品なドレスを着ていること間違いなしの🌼の可愛い姿を思い出して口角が上がる。
きっと明日の夜は楽しくなることだろう。
ベッドに入っても、🌸はなかなか寝付けないでいた。
🌼のドレスを見て、ウェディングドレスに憧れていたことを思い出したのだ。
愛していたあの人と並んで、綺麗なドレスを着て、幸せな将来を誓う・・・
今考えれば、馬鹿な夢を見ていたと思う。
あんな男と一緒になったところで、幸せなんか一つもなかったというのに。
この屋敷であれば皆相手を全力で選考し、🌸を絶対に幸せにする人物と結婚させてくれるだろう。
その時作ってもらうウェディングドレスは、やはりフルーレに頼むだろう。
フルーレであれば、🌸が考えられないほど素敵で美しいドレスを作ってくれることは間違いない。
そんな事をぼんやりと考えているうちに夜は更けていった。
「さあ!主様!お着替え終わりました!」
🌸『ありがとう、フルーレ君』
「うんうん、よくお似合いです!
さて、あとはハナマルさんとユーハンさんに髪とお化粧をお願いしましょう」
🌸は鏡の前に移動し、ハナマルとユーハンの間の椅子に座った。
「いや〜、やっぱ可愛いね〜」
「はい、とてもお似合いです」
🌸『あ、ありがとう』
🌸は少々照れながら褒め言葉を受け取る。
ハナマルは🌸の髪を編んでアップに纏め、ドレスの色味に合わせたリボンを結んだ。
「あとは適当に髪飾り着けていっちゃって良い〜?」
🌸『はい、おまかせします・・・』
「主様、少し目を閉じていただけますか?」
🌸『はい・・・』
ユーハンは瞼に控えめに色を乗せていく。
そして、アイラインを入れると儚いながらも凛とした🌸の魅力を最大限引き出したメイクが出来上がっていた。
「はい、出来ました主様・・・素敵ですよ」
「あら〜綺麗になってぇ・・・変な男に声かけられたらすぐ逃げるんだよ?」
ユーハンは🌸の姿をうっとりと見つめ、ハナマルはパーティーで変な男に引っ掛からないか心配していた。
🌸『大丈夫、皆近くにいてくれるって』
「う〜ん、まあ、そうなんだけどぉ」
「どうしても給仕などありますから、主様をずっと見ていられないので・・・」
🌸『そっか・・・』
🌸は改めて気を引き締めてパーティーに臨もうと深呼吸した。
🌸『私、頑張るね』
「はい、無理なさらない程度でお願いいたします」
「何かあったらすぐ執事が来るから、安心してて大丈夫よ〜」
ハナマルとユーハンに送り出され、🌼を迎えに行った。
「あ、主様・・・とても綺麗だね・・・
🌼様のお着替えも済んでいるよ」
🌸『ありがとう、ミヤジ先生』
地下の3人と共にパーティーに向かうことになっているため、馬車の準備ができるまでは地下の執事部屋で過ごすことにしていた。
フルーレのドレスを着せてもらい、ラトに遊んでもらっていた🌼がドアの音で振り返る。
🌸『わあ!可愛い!!』
お姫様のようなフリフリのドレスを着た🌼はお人形と見間違えるほど可愛らしい。
「くふふ、良かったね🌼様」
ラトは🌼の頭をよしよしと撫でて可愛がっている。
「そりゃ、俺が作ったんだから当然!」
フルーレは誇らしげにラトに言った。
「流石フルーレだね」
「へへ、今日は素直だね?」
フルーレはラトから素直に褒められて照れくさそうだ。
そこに、執事達の手伝いをしていたチビ悪魔達が入ってきた。
〔あるじさま〜!〕
〔ばしゃ、もうすぐのれるよ〜!〕
〔わ〜!かわいい〜!〕
〔🌼ちゃんもかわいい〜!〕
チビ悪魔達曰く悪魔と縁のある人間にしか見えないため、パーティーでは🌼の子守をするという。
チビ悪魔達もフルーレに作ってもらったヘッドドレスを身に着けていた。
🌸『チビ悪魔ちゃんたちもパーティーに来るんだよね?』
〔そーなの!〕
〔🌼ちゃんとあそぶの〜〕
〔あるじさまもまもってあげるからね!〕
🌸『ふふ、ありがとう』
🌸がぬいぐるみのようなチビ悪魔たちの頭をポムポムと撫でてやると、チビ悪魔たちは嬉しそうに🌸に纏わりついた。
「こらこら、もうすぐ馬車に乗るんだから主様と遊んでいる時間は無いんじゃないかな?」
ミヤジに叱られてチビ悪魔たちはハットして飛び上がった。
〔そーだった〜〕
〔あるじさま〜きて〜〕
〔もうのれるみたい〜〕
馬車で待機していたチビ悪魔から連絡があっていたようで、チビ悪魔たちは急いで馬車に🌸を連れて行く。
フルーレ、ミヤジ、ラトの3人も必要なものを持って🌸を追いかけた。
🌸『ちょっと高いね・・・乗れるかな?』
🌸は🌼を抱えて馬車に乗るのは怖かったらしく、馬車の前で右往左往していた。
ミヤジが🌼を抱えて先に馬車に乗り、ラトが🌸を持ち上げてミヤジに引き上げてもらった。
🌸『わ、ありがとうラト君、ミヤジ先生・・・』
まさかラトに簡単に持ち上げられるとは思っていなかった🌸はちょっとびっくりしつつ礼を言った。
フルーレが乗り込むと馬車が走り出し、グロバナー家主催のパーティー会場へ向かうのだった。
コメント
1件
ああ、もう、よかった…💧💧 🌸がドレス着て鏡の前で自分をお姫様みたいって思うところ、すごく胸にきたよ。過去のあの人とのことを思い出して「馬鹿な夢だった」って思う切なさと、でも今の屋敷のみんなが全力で守ってくれてる温かさが同時にあって、じーんとした。 🌼のベビードレス、フルーレの本気度やばいね(笑)チビ悪魔ちゃんたちと一緒にパーティー行くの、めっちゃ楽しみ。 MAKOさん、今回も優しい世界をありがとう。次の話も静かに待ってるね🌙