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そして、その日が来てしまった。
そう、今日は唯月さんのご両親に挨拶をしに行く日だ。
緊張で心臓が破裂しそうだ。
「行けるか?」
「はい、大丈夫です、」
「そんなに緊張しなくても大丈夫だ」
そんな…
僕はそう思いながら、唯月さんと共に車に向かった。
「やっぱり、僕」
「大丈夫だ、父も認めてくれるから」
車は発進した。
ご両親の家はここから近くの高級住宅街にあると唯月さんは言っていた。
「着いたぞ」
唯月さんの家から20分程だろうか、
緊張を落ち着かせている間に着いたみたいだ。
「じゃあ、行こうか」
「はい」
僕達はインターフォンを押した。
ここら辺の住宅街は一軒家が立ち並ぶ場所だ。
ご両親のお家は周りと比べれば少し小さい。
それでも標準よりはだいぶ大きいが、
「はーい」
「母さん、帰ったよ」
「はい、今開けるわね」
お母様だろうか、
優しそうだ、少し安心する。
「はい、いらっしゃい」
「ただいま」
「ぉ、おじゃまします」
僕は唯月さんに続き家の中に入る。
整えられた玄関に靴を並べる。
「あなたが陽向くんね」
「はい、お招き頂きありがとうございます、地元のお菓子です」
僕はどんな反応をされるだろうとヒヤヒヤしながら、持ってきたお菓子を渡す。
「もう!そんなかしこまらなくていいのよ、あらこのお菓子食べてみたかったのよ」
「良かったです!」
予想していた反応とは違い、歓迎してくれているみたいだ。
僕は嬉しくて、元気に返事をしてしまった。
「母さん、そろそろリビングに」
「あらやだ!陽向くんも何とか言ってよ!」
「あはは」
僕はお母様の元気具合に思わず苦笑いをする。
お母様は社長婦人という立場なのに尖ったところはなく、こうやって僕にも明るく接してくれる。
僕は唯月さんとお母様に案内をされ、リビングに向かった。
「あなた、陽向くんが来たわよ」
「ただいま、父さん」
「失礼します」
そこには、テレビでよく見る唯月さんのお父様が居た。
お父様は僕に近づく。
「君が陽向くんか!」
「は、はい!」
お父様は興奮した様子で僕に話を続ける。
「君のことは唯月から聞いていたよ!唯月はそういう事は一切話さなくってな、それに少し前までは女遊びが酷くてな、」
「はぁ、」
勢いに乗って沢山話しているけれど、僕、唯月さんが女遊びしていたこと知らないぞ、
まぁ、こんなにもいい顔をしているんだ、していてもおかしくないか、
お父様はそう思っている僕の事は気にせず喋り続ける。
「だから、紹介したい人がいると聞いた時はとても驚いてな、もしかしたらおかしな人かと思ったが、陽向くんを見て安心したよ」
「え、」
「陽向くん、唯月の事をこれからもよろしくお願いします」
そう言って、僕に頭を下げた。
突然の事で頭が追いつかないが、大丈夫ということでいいのか?
「いやいや、頭を下げないでください!上げないなら僕も下げます!」
「ハハッ、陽向くんには頭を下げさせたくないな」
お父様は唯月さんに似た笑い方をしながら、頭を上げた。
「ほら!ご飯よ!早く座って!」
「は、はい!」
僕はお母様に促され椅子に座る。
認められないと思っていた頃が信じられないくらいだ。
僕はこんなにも歓迎してくれてとても嬉しく思った。