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「美味しいです!」
「ほんと?」
「はい!」
僕はお母様のご飯を頂いている。
今、食べたのはローストビーフだ。
久しぶりに食べたのもあるだろうが、美味しすぎてほっぺが落ちそうだ。
「陽向くん、これはどうだ?」
「これですか?」
「あら、あなたったら、自分が手伝ったからって」
僕はおすすめされたピラフを食べる。
「これも美味しい!」
「いやぁ、嬉しいなぁ」
「ほんと、唯月にはもったいないくらいよ」
お母様とお父様にはそういう風に見えているんだなと思い、笑いながらご飯を進める。
「母さん、父さん、陽向が困ってるからその辺にしといてくれ」
いつも余裕そうな唯月さんはやれやれと返事をしている。
僕はその唯月さんが普段と違いすぎて笑ってしまった。
「いいじゃないか、陽向くんも笑っているしな!」
「そうよ!そうよ!」
「はぁぁぁ、」
唯月さんがため息を付いた後、みんなで沢山笑いあった。
嬉しいな、
そして、僕達はご飯を食べ終わりソファでくつろぐ。
「唯月、ちょっとこっちに来てくれる?」
「母さん、なんで」
「ほら、」
お母様は唯月さんを別室に呼び出した。
部屋にはお父様と僕の二人となった。
「陽向くんはどんなお仕事をされているんだっけ?」
「僕はコーヒー屋で働いています」
「あぁ、そうだったな」
お父様の声は小さくなる。
「唯月には好きなことをさせてあげられなかったんだ」
お父様は話し出した。
「きっと、唯月は陽向くんの好きな事をやっているところに惹かれたんだろうな」
「そうなんですか?」
「ああ、」
お父様は僕の目をしっかり見つめる。
「陽向くん、唯月と幸せにな」
ああ、僕はなんていう幸せ者なんだろう、
唯月さんと繋がれて、
それだけでも幸せなのに、
お父様にも幸せを願ってもらって、
気づくと僕の目からは涙が出ていた。
「はい!幸せになります!」
その話をしている間、唯月と唯月の母親は扉越しでその会話を聞いていた。
最後の陽向の言葉を聞いた二人は見つめ合い抱き合っていた。
そして、帰る時間になった。
「もう、帰っちゃうの?」
「陽向は明日も仕事なんだよ」
「そうね、わかったわ」
僕達は玄関まで行く。
「じゃあ、また」
「お母様、お父様、ありがとうございました」
お母様とお父様は驚いた顔をする。
「あらやだ!お母さんとお父さんでいいのに!」
「そうだ!堅苦しいのはやめだ!家族だからな!」
僕は家族と言われ、また涙を流す。
僕は満面の笑みで言う。
「お母さん、お父さん、ありがとう!」
「はい!またね!」
「気をつけろよ!」
僕達は車に戻った。
本当はもう少し居たかったな、
そんな事を考えていたら、車が出発した。
「どうだった?」
いつも通りの唯月さんだな、
「楽しかったです!」
「なぁ陽向、母さんと父さんみたいに俺にも敬語なくせよ」
唯月さんはしゅんとした様子で言う。
その様子がおかしくて、僕は笑う。
「なくせって言ってんだけど、」
「じゃあ、そうしよっかな!」