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うわぁこういうの大好きです! とてつもない量書けんの尊敬です!!
【あてんしょーん】
・nmmn
・BL表現を含む二次創作
・地雷さん回れ右
👻🔪×🐙🌟
学パロ
🐙🌟が冷たい
👻🔪が結構だるめ(小柳というより大柳)
自己満注意
伏字🍐
分かりにくい可能性🐜
ちょいグロ(表現優しめにしてます)
センシティブR15ぐらい
いってらっしゃい👋
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🐙🌟side
窓際の一番後ろ。居眠りしてもバレないから最高の席だと思ったり、日が当たるから最悪な席だと思ったり。考え方は人によって違う。しかも今は5月だからおひさまの光も心地良い。
俺だって先月…いや、昨日まではそんな考えだったのだ。夜更かししがちだからいつも眠たいし。
そんな考えは先日の席替えとともに打ち砕かれてしまった。
👻🔪 : なぁ星導、ノート見せてくんね?
ここは俺の聖域だったのだ。この狼が隣の席になるまでは。
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4月
高校最後のクラス替え。またの名を思い出作りに関わる最後のメンバーシャッフル。
ということで俺は少し緊張していた。自分のクラスは勿論だが、あいつ──小柳ロウのクラスのことも。
入学してから何故かずっっっっと粘着されてる。俺何もしてないのに、入学式の途中から視線を感じると思ったらこいつだった。
そこから1年、2年、と同じクラスの状態が続き、俺はこいつのお世話係のような立ち位置についてしまっていた。
今年こそは平穏な学生生活を送りたいのだ。
そう願ってクラス表を見ると──
やっぱり同じクラスに名前があった。なんでだよ。
驚きと悲しさで固まっている俺の背後に誰かが来る。別に振り向かなくても誰だかわかる。
とっ、と肩に手を置かれたかと思うと、そいつは口を開いた。
👻🔪 : 星導、俺とお前何組だった?
声を出す気力もなく、指で2、と教えてあげる。
👻🔪 : んは、俺とお前三年間一緒だったんだ、
「流石に別れたと思ってた〜笑」と快晴のようにケラケラと笑う彼の姿とは対照的に、俺の心は曇りまくって雨が降っている。
👻🔪 : こんなのだったら流石に運命感じるよな〜笑
🐙🌟 : …そうですね、
適当にあしらって教室へ向かう。勿論後ろから彼は着いて来るけれど。
幸い”星導”と”小柳”では出席番号が違いすぎるので席は近くなかったが俺はずっと憂鬱だった。
初対面のときから何かしら理由をつけて絡んできて、俺が何度か突き放したら悲しそうに去っていく。すると俺は、やっと離れてくれて嬉しい気持ちと、何故か感じてしまう申し訳なさでいっぱいになるのだ。
💡 : あ、星導じゃーん。
🐝🤣 : お前らもこのクラスなん!?よっしゃ、今年当たり引いたわー♪
「よっ、」とでも軽く挨拶してきそうなライと何故か嬉しそうなマナ。2人は小柳くんと仲良いから嬉しいだろうけど俺は全然嬉しくないよ。
そしてマナの言葉を皮切りにか、知ってる顔がぞろぞろ出てくる。
🍱🦖 : るべしょ〜!!
🥷🔫 : 狼もおる!!よろしくな〜
まずはウェンとその近くで談笑していたカゲツ。
🌩️🦒 : あ、そこ2人まだ一緒なんだな
🤝 : 言うて俺たちも三年間ずっと一緒じゃん
🌩️🦒 : それもそうだな笑
何故かここも三年間一緒らしいリトとイッテツ。
助かったのかは分からないが、このクラスの男子の約半数は、いつもつるんでいる奴らばかりだったのだ。
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4月は出席番号で座るのでよかった。
そして5月も席替えで離れたのでよかった。
だが俺の隣に座った女子生徒の視力が悪く、そこで手を挙げたのが小柳くん。
俺はこいつの隣に強制的にならされてしまったのだ。
🐙🌟 : ほんっっと最悪ですよ…
👻🔪 : 嬉しいの間違いじゃね?
🐙🌟 : うるさいです
高校生活の大半をこいつと過ごしたからか、最近はこのやり取りに懐かしさすら覚える。
上手く言えないが、それが本当に面倒である。
昼休み。俺は静かになれる図書室へ向かっていた。
👻🔪 : ほしるべー
👻🔪 : どこ行くん
🐙🌟 : 図書室です
👻🔪 : へー、珍しい
👻🔪 : お前本読まねぇのに
そこでふと違和感を覚える。俺は教室でもたまにだが小説を読んでいる。なのにどうしてそれを知らないのか。2年間も一緒に居るのに。
🐙🌟 : 読みますって。どこの男と間違えてんですか
👻🔪 : え?
👻🔪 : ……………あー…すまん、
きまり悪そうに声が小さくなる。
👻🔪 : …ッ、
👻🔪 : 俺…教室戻るわ、
👻🔪 : じゃあな
そう言って俺とは反対の方向へ進んでいく。
図書室に入り、気になるものはないかと本棚を見る。
だがさっきの小柳くんの悲しそうな声色と心に微かに感じた痛みであまり集中出来なかった。
予鈴が鳴りそうだったので取り敢えず目に入った昔の王国の話だという小説を借り、そこをあとにした。
教室に戻っても小柳くんは絡んで来ず、そのまま邪魔もされずにその日を終えた。
帰宅して寝るときも、窓の外の景色を見るように小柳くんの横顔を見たときのとても悲しそうな顔が頭から離れなかった。
🐙🌟 : …寝れない、
俺がいつも寝るときに抱きしめているクッション(*イカなのかタコなのかよく分からないが真ん中に紫色と薄紫のクローバー模様のようなものがあるちょっと可愛いやつ)を抱きしめても眠れないので、今日図書室で借りた本を読むことにする。
こうすれば、自然と眠たくなるだろう。
勉強や作業に使っている椅子に座り、明かりをつけて本を読む。
不思議だったのは、初めて読むはずの本なのに次の展開が恐ろしい程に分かってしまうことだった。
途中までだが、その小説の話はこうだった。
昔、戦いに強い国があった。
そこの国王は血が苦手だったので息子である次期国王に小さい頃から軍隊に稽古をつけてもらえるようにしており、いつでも自分の代わりとなれるように教育していた。
最初はだるがっていたものの、次期国王は稽古をするうちに戦いが好きになり、様々な相手と手合わせをしていた。勿論護身も出来るようになっていた。
中でも剣術と空手では彼の右に出る者は国におらず、他国との武術大会でも負けなかった。
だが、いくら才能に恵まれたからといっても所詮人間。秘密のひとつやふたつあるものである。
そして、その秘密の内容が人生最大の不幸を招いた。
秘密とは、彼の愛人のことであった。
元々彼は人付き合いが苦手で、父の家臣の中でも彼が心を開いているのは片手の指で数えられる程だった。
だがその愛人──使用人にはすぐ心を開いたという。
惹かれたポイントをあげるとすれば、まず使用人の容姿だろうか。
夜という言葉が似合いすぎる容姿で、儚げな目をしている。手入れされているのであろう長髪もその助けをし、その姿を見ると、誰もが振り返るほどに綺麗だった。
でも、きっとこれが最大の理由ではない。
最大の理由は、人柄だろう。
誰にでも優しく、声質が柔らかいこともあってか親しみやすい印象を周囲に抱かせていた。それはあまり詮索を好まない彼にも同じだった。
自分のことをあまり聞かず、家柄で態度を変えることもなく友人に接するように話しかけてくれることは性格のこともあって今まで友人を作ってこれなかった彼にとって、幸せの他なかった。
そのため彼は心をすぐに開いた。
周りの世話を彼以外にさせず、たまに行く散歩にも一緒に行かせた。
次期国王が使用人のことを愛していただけでなく、使用人も次期国王のことを愛していた。
こんなに仲が良いのなら、父王も許しただろう。
だが一番の問題点は、使用人が男だったことである。
ある日次期国王が使用人の髪をブラシで梳かしていると、使用人はこう言った。
「 次の戦はいつ頃ですか 」
と。それに対して次期国王は、
「 来週頃この国を発つ。きっとすぐ戻ってこられる 」
と返した。
「 帰ってきてくれたらまた一緒に寝てくれますか 」
と使用人が問うと、
「 お前がそう思うなら 」
と次期国王が返す。
そこから楽しげな会話をしていたのだが、これを部屋の扉の前で国王が聞いていた。
「最近ご子息と長髪の使用人の仲が怪しい」
という密告があり、ずっと盗み聞きしていたのだ。
次期国王が国を発った翌日、国王は使用人を呼び出し、解雇を告げた。
“ 解雇か死かどちらか選べ “
と。
「 どうして死という選択肢があるのですか 」
と使用人が問うと、
「 お前は国とあいつにとって有害な存在であり、我が国の繁栄に大きく影響を及ぼす」
「 お前が今ここで死ねば、あいつも諦めるだろう 」
と国王は静かに言った。
すると使用人は、はっきりと次のことを言った。
「 ならば私を、今ここで殺してください 」
と。
血が苦手な国王は、まさか使用人の覚悟がここまでと思わず一瞬狼狽えるが、家臣に命令し、使用人を処刑場まで連れていった。
使用人は、勤めを辞めてこれからを穏やかに過ごした結果よりも、生涯次期国王の従者として生きた結果を選んだのだった。
その使用人の最期は、殺される直前とは思えないほど落ち着いていたという。
ここまでで一旦俺は本を閉じた。
展開が読めるのが不気味だと思ったのもあるが、これ以上は耐えられなかったからだ。
時計を見ると、もう午前3時になるところだった。
こんな遅くまで起きていたからか頭痛がしてきたので、頭痛薬を飲んで眠りについた。
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次の日
起きても頭痛がしていた。
いつもなら効く薬も、今日は効果を出さなかった。
仕方なく休みの連絡を入れ、ベッドでスマホをいじる。
今日は小柳くんに付きまとわれなくて済むのか、とちょっと安心したが、なんだか寂しい気もした。
気分が落ち着かないので夜の本の続きを読む。
ここからは展開が全く分からなかったのがまた不思議だった。
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次期国王は戦で重傷を負った。
意識が途切れかけている中でやっと国に帰ると、愛した相手が父の手によって居なくなったと知る。
戦は好きだが、血が苦手という理由で息子に殺人を教えこみ、自分は安全地帯からそれっぽいことだけを言って国を治めている “フリをしている。”
親から子への愛情さえ注いでくれなかった父王が嫌いだった次期国王は、父親を殺そうと決意する。
そして自分も死に、この国までも終わらせるのだ。こんな腐った国家、早く廃れればよいのだ。自分なんかが王になっても、隣にあいつが居ないなら意味は無い、と。
聞きたくはなかったが、愛人が死んだときのことを執行人から聞き、「 処したい者が居るから、この日の夜に準備をしておいてくれ 」と命じた。
本当なら同じ目に遭わせて地獄に送りたかったが、愛していた人と大嫌いな人の死に方がお揃いになることを嫌がった次期国王は、父親を自らの手にかけた。
深夜、数人の家臣しか起きていない頃を狙って。
「 俺から大事なものばかり奪いやがって 」
「 不都合から逃げ続けるお前なんかが王を名乗っていいわけがない」
「 ███ と同じところに行けると思うなよ 」
「 次お前が███に会うことがあれば、また俺がお前を殺しに行く 」
次期国王は我を忘れ、幼少期に受けた言葉遣いの教育の欠片もないような口調で父親への言葉を並べた。
今まで溜めに溜めた不満を晴らすように父へと罵声を浴びせ続け、一番得意だった剣で父親の大嫌いな血を見せながら刺していく。
幼少期から部下に命令して教えさせていたもので己の最期へと向かっていること、また、己の血を恐れながら死にゆく様は、彼から見ればなんと滑稽なものか。
父親から完全に生命の気配が無くなったことを確認した彼は、鉛のように重くなった身体を引き摺りながら処刑場へと向かう。
処刑場で準備をしていた家臣は冗談交じりに問うた。
「 そんなに血だらけとは、戦でもしてきたのですか 」
次期国王は答えた。
「 俺が一番憎い者を殺した 」
「 早く███のところへ行かせてくれ 」
そこで執行人は気づいた。昼間に言っていた「処したい者」とは次期国王自身のことだったと。
必死に宥めても壊れたレコードのように訴え続ける。
“ ███のところに行きたいのだ “
” ███が居ない国なんて壊れてしまえばいい “
「 … もう、限界なんだ」
「 どれだけ苦しんでもいいから、早く死なせてくれ 」
次期国王がここまでになるのは余程の理由があるのだな、と感じた執行人は小さく頷き、数日前長髪の使用人にした方法と同じ方法で、あのとき王に命じられたように楽にさせることもせずに、次期国王の生命を奪った。
数時間後、いつもの時間になっても起きてこない国王の様子を見に行くと、無数の刺傷がある国王の遺体が見つかり、国は騒然となった。
最後の希望だった次期国王の遺体も処刑場で見つかり、国の主導権争いが激化した結果、国の人口は急激に減り、破滅の一途を辿るのだった。
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結末はあまり気持ちの良いものではなかった。
何故か罪悪感が残る。
そしてこの物語に新たな違和感を覚えた。
どうして登場人物たちの個人名が具体的に載っていないのか。
長髪の使用人の名はあったが、黒で塗りつぶされていた。
モヤモヤするな、と思いながら本を閉じる。
あんなに俺を悩ませていた頭痛は、いつの間にか無くなっていた。
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翌日
体調も回復したので学校に行くと、小柳くんは休みだった。
🐙🌟 : 小柳くんどうしたんですか?
🐝🤣 : あー、、ロウな、
🐝🤣 : 家行っても出てこんのよ
🥷🔫 : なんかインターホン押しても「お前らと会う気分じゃない」 「学校なんて性にあわない」とか言っとんよ
🐙🌟 : え?
🐙🌟 : 小柳くん…そんなこと言うんですか?
🐝🤣 : 「だるい」とか、えらい…やないな、「しんどい」とか全然言うで?
驚きだった。俺の前ではずっと明るく、弱音なんて吐いたことがなかったのに。
まるで、あの小説の次期国王のように、まっすぐな人なのに。
ふとそう思ったが、どうしてあの本が出てくるのかが不思議だった。
まだ2人は話してくれているが、あまり内容が頭に入ってこない。ちら、とあの本を見ると、知らない記憶が頭に流れ込んできた。
” 俺の家のことなんて気にしてないんだな “
” 絶対次も勝ってみせるから。やっぱ国背負うんなら負けてらんねぇよな “
” なんで泣くんだよ、笑 何も悲しくねぇじゃん “
” 好きだよ、ホシルベ、 “
🐙🌟 : ッッッ゙ぁ゙あ゙ッ、
知らない。こんなの知らない。脳はこれ以上を拒むのに、お構い無しに知らない記憶は俺の頭の中を占領していく。
🌩️🦒 : るべ!!!お前大丈夫か!?
💡 : 星導!しっかりしろ!!
リトとライの声が聞こえる。意識が遠のいていく。
意識が途切れる直前、1番大きくて大事な記憶が流れ込んできた。そこで俺は全て思い出した。
俺の前世は あの小説に出てきた使用人。
そして愛し愛された次期国王は 小柳くんの前世だ。
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???年前
🐙🌟 : わ、広い……
まだ言語という概念がなく、どの国でも同じ言葉が使えた時代。俺──星導ショウは、故郷から遠く離れた国の使用人として働くことになっていた。
🐙🌟 : てかここ…大丈夫かな、
噂では国王のご子息はとても暴力的らしい。俺故郷に帰る頃にはズタボロなんじゃないの。
👻🔪 : ……こんなところでなにしてるんだ?
🐙🌟 : ッうわぁッッッ!?!?
後ろから聞こえた声に驚き、思わず持っていたカバンを振り回してしまう。
👻🔪 : ちょっ……!?なんだよ止まれ、、!止まれって…!!
👻🔪 : 止まれ!!!!
彼の大声でやっと我に返る。
🐙🌟 : あ…すみません、びっくりしちゃって。
👻🔪 : いや俺も悪かったが…驚き方が珍しいな、
ふは、と笑う彼の顔に少し見惚れる。故郷では見たことがない程の整った顔が近くに居ることに少しドキドキしてしまった。
👻🔪 : ……俺の顔に何か付いているか?
🐙🌟 : いえ、
🐙🌟 : それより俺迷子なんですよ。よければ案内してくれませんか?
👻🔪 : …お前俺の事舐めてる?
👻🔪 : 一応俺この国の…その、次期国王?ってやつなんだけど…
そこでハッとする。危険人物に結構やばめな口聞いちゃったかも。
🐙🌟 : ぇあっ!?あんな口聞いちゃってすみません!!
👻🔪 : んや、全然いい。あぁいう口調で話してくれるのは、お前以外に今まで居なかったからな、
👻🔪 : …俺にも友が居たら、こんな感じだったのだろうか
その発言でだいたい察した。この人はずっと孤独だったのだろう。接するのは年上だけで、同世代や歳下には恐れられる。そんな人生だったのだろう。
🐙🌟 : …居ないなら、俺がなってあげますよ
そう言うと、彼はぽかんとし、その後ふにゃっと笑った。
👻🔪 : んじゃ、お言葉に甘えて。
そこから国王への挨拶、あれよあれよという間に気づけば俺は次期国王の専属になっていた。
次期国王──ロウ様は、小さい頃から鍛錬ばかり、そして人付き合いを苦手とする性格から友達が居なかったらしい。
話していくうちに、だんだんと素を見せてくれるようになった。たまに愚痴を聞いたりもする。
👻🔪 : もし俺が王族の生まれじゃなかったら、何してたんだろうな
ロウ様はいつも「もしも」の話をしていた。王族というだけあって、欲しいものはだいたい手に入るはずなのに、ずっとロウ様は願望を俺に語っていた。それも、全て叶わないものばかりだった。
👻🔪 : 学校というものに行ってみたかった
👻🔪 : 俺はずっと家庭教師との勉強だったから
🐙🌟 : 学校へ行ってもいいことないですよ
👻🔪 : それはお前の学校が特殊だっただけではないのか?
🐙🌟 : 多分そうです
👻🔪 : やっぱりそうなのか
恋人になった日も、そんな風に何気なく話していたときだった。
👻🔪 : …ホシルベ、
俺の髪を梳いていた手を止め、真剣な声色になる。
👻🔪 : お前は初めて出会ったときのことを覚えているか?
👻🔪 : 友が居なかった俺に「友になろう」と言ってくれたときのことだ
🐙🌟 : …はい、覚えてますよ
🐙🌟 : 俺が貴方に殺されると思った日ですね、よく覚えてます。
👻🔪 : 流石の俺でも初対面相手にそこまではしねぇよ…
🐙🌟 : それがどうしたんですか?
👻🔪 : あー、、その…
👻🔪 : 俺に友達が居なかったから勘違いしているというのもあるかもしれないが、
👻🔪 : 他の奴らに比べてお前は特別というか…だから、
👻🔪 : …お前と恋仲になりたい、と思っているんだが、、
俺が振り向くと、彼は今までに見たこともないほど顔を赤くしていた。ここに来てからずっと隣で慕っていた人からの告白。嬉しくないわけが無い。
👻🔪 : …ッ、喋りすぎた。忘れてくれ
🐙🌟 : …忘れられるわけないじゃないですか
顔だけでなく身体も彼に向けて向き合う形になる。
そしてぎゅっと抱きしめる。
🐙🌟 : ずっと隣に居るので、貴方も俺の隣で笑っていてくれますか?
👻🔪 : …勿論だ、
彼は泣きそうな声で抱きしめ返してくれた。
その日は軽いキスをして、俺は使用人宿舎へ戻った。
そこからあまり変わったことはなかったが、ふとしたときの距離が前より近かったり、街の見回りという建前で、市場に二人で行ったりもした。
一度だけ身体を重ねたことはあったけれど、周りにバレないようにするために控えめに、そして短い時間で終わった。
そして、遂にあの夜が訪れる。
いつものように髪を梳いてもらっている間、ふと気になることを聞いてみる。
🐙🌟 : 次の戦はいつ頃ですか、?
👻🔪 : 来週末にこの国を発つ。きっとすぐ戻ってこられる。
毎日隣に居させてくれる彼でも、戦は危ないからと連れて行ってはくれなかった。
まだ主人と従者の関係だけだったときに一度だけついていったことはあったけれど、俺が攫われかけたのでそこから禁止令を出されてしまった。
🐙🌟 : …帰ってきてくれたらまた一緒に寝てくれますか
一度だけ犯した秘密の行為のことを思い出し、小さくお願いしてみる。
👻🔪 : …お前がしたいなら
予想外の反応が返ってきて少し驚く。
🐙🌟 : ふふ、やった
👻🔪 : お前は反応が可愛いからな
🐙🌟 : でももしこの関係がバレちゃったらどうしましょうか…
👻🔪 : そのときはそのときだろ
👻🔪 : 別に俺の代わりは居るし、元々国を治めるなんて性に合わないからな。
👻🔪 : お前のためなら俺はこの家を出てもいい。
🐙🌟 : それは駄目です
🐙🌟 : 市民もみんな貴方が王になることを楽しみにされております
🐙🌟 : 俺は貴方以外に適した人材は居ないと思います
そう反論すると、また彼がふっと笑う。
👻🔪 : …嬉しいことを言ってくれるな、
「こっち向け」と言われたので身体ごと向けると、グッと身体を引き寄せられる。
🐙🌟 : …んぅっ
そのまま深い方のキスをされ、ついそういう気分になってしまう。
口を離すと、彼は悪戯っぽく笑って言った。
👻🔪 : この続きは戦が終わったあとでな
🐙🌟 : はい…
顔が熱くなっているのを感じながら、この熱を冷ますために宿舎に帰ることにする。
👻🔪 : おやすみ、ホシルベ。
🐙🌟 : おやすみなさい。
俺が部屋の外に出ると、遠くから足音が聞こえた。
───────────────
🐙🌟 : …ッはぁっ、、
🐙🌟 : ゆ、夢…?
🥷🔫 : あ、起きたぞ星導!!!
白い天井にカゲツの大声。どうやら意識が戻ったらしい。
🐝🤣 : お前さぁ…心配させんなよ!!
🌩️🦒 : マナとテツ泣いてたんだぞ〜笑
🐝🤣 : ちょ、お前言うなや!!?
🐝🤣 : それ言うんならカゲツも泣いとったし!
🥷🔫 : はぁ!?!?
イッテツはこの場に居ないけれど、2人をよく見ると泣いた跡がある。
それがなんだか可笑しくて吹き出してしまう。
🥷🔫 : …笑っとんやったら元気か。
🐝🤣 : 俺らが話しとったら急に倒れたんよ。ほんま焦った…
そこから話していたが、ずっと頭から小柳くんのことが離れなかった。
今行かなきゃ、後悔する気がしていたのだ。
🐝🤣 : 今昼休みなんやけどさ、5限からどないするん?
🐙🌟 : …ちょっと今日は帰ろうかなって思ってます
🥷🔫 : サボりか?
🐙🌟 : 違いますって、笑
🐙🌟 : でもちょっと、学校に居る暇では無いと感じまして、
「えーっ」とマナとカゲツは言うが、リトだけは「行ってこい」と言ってくれた。
カゲツが俺の荷物を取りに行ってくれて、帰る支度が出来た。
🌩️🦒 : 授業とかは気にすんな。適当にウェンとかに頼んどくよ
🐙🌟 : ありがとうございます
🐝🤣 : また明日な〜!
3人の優しさに感謝しながら俺は学校を後にした。
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👻🔪宅
🐙🌟 : …ここでしたっけ、
だいぶ前に一度小柳くんが休んだときに来たことがあるので記憶だけを頼りにここまで来た。
インターホンを鳴らしても出てこない。電話をかけると、やっと出てくれた。
🐙🌟 : …小柳くん?
👻🔪 : なに?
👻🔪 : …用ないなら切るけど
小柳くんではなく、冷たい別人のように感じた。一体彼に何があったのか。
🐙🌟 : 切らないでください
🐙🌟 : もし切るならインターホン連打しますから
👻🔪 : お前だったんだ
👻🔪 : 来てくれたとこ悪ぃんだけど今人に会う気分じゃないんだわ
🐙🌟 : 待ってください!!!
電話だというのに、思わず大声を出してしまう。
👻🔪 : …なんだよ、
🐙🌟 : 思い出したんです。小柳くんのことも、昔の俺のことも。
🐙🌟 : …貴方の帰りを待っていてあげられなくてごめんなさい
謝罪を口にすると、電話越しにでも小柳くんが息を飲んだのがわかった。
🐙🌟 : 2年間ずっと冷たくしてごめんなさい
🐙🌟 : 貴方は…ずっと隣で守ってくれてたんですね、
👻🔪 : …ッ、
👻🔪 : …俺の方こそ、
👻🔪 : あのときは守ってやれなくてすまなかった、
👻🔪 : あいつのせいで今世もずっと隣に居なくちゃ星導がどっか遠いとこに行きそうで怖かったんだ…
「ごめん」とずっと謝りながらだんだん涙声になっていくのを聞くのが辛くて、外だというのに俺も泣き出してしまう。
その後一旦中に入らせてもらうことになった。初めて入る家の中は、意外に片付いていた。
👻🔪 : 適当に座ってて、
そう言われたのでソファに腰掛ける
🐙🌟 : 失礼します…?
👻🔪 : そんなかしこまらなくてもいいだろ、笑
👻🔪 : もうあのときとは違うんだからさ
🐙🌟 : …そうですね、笑
👻🔪 : 星導の敬語も名残だったりすんのかな
🐙🌟 : …考えたことなかったです
🐙🌟 : それなら小柳くんだって、
🐙🌟 : 前からずっとかっこいいじゃないですか
👻🔪 : ……、
言ってからまずかったかと思ったが、そういえばこの人は照れたら黙る人だったと思い出す。
👻🔪 : 褒めても何も出ないよ
🐙🌟 : 別に何もなくていいですよ
少しすると、2人分のマグカップを持って小柳くんが出てきた。そしてその片方を渡される。
🐙🌟 : これは…?
👻🔪 : …星導が何か思い出したら飲ませようと思ってたやつ
🐙🌟 : 薬とかでは…?
👻🔪 : んなわけねぇだろ、
恐る恐る口をつけると、懐かしい味が口に広がった。
🐙🌟 : …美味しい、
👻🔪 : んは、それならよかった
👻🔪 : 前の星導もこれ好きだったんだよ
そう言われるのでマグカップの中を見る。俺の顔が反射していること以外はあまり分からなかった。
🐙🌟 : …これなんて言うお茶なんですか?
👻🔪 : アップルティー
👻🔪 : 今の時代便利だからさ、結構似た味のやつ取り寄せられるようになったんだよ
🐙🌟 : 成程…
そこから他愛もない話をして、ここに来る前より多くのことを思い出せた。
そろそろ帰る時間、というとき、小柳くんが言いづらいという風に切り出した。
👻🔪 : …星導はさ、
👻🔪 : 今の俺のことどう思ってる…?
そうだ。前世の俺たちは恋人だったので今世ではどう接すればいいのか。きっと小柳くんはそこがいちばん気になっているのだろう。
👻🔪 : 最初の頃にお前の性格はあんま変わってないって分かったから世話焼いてもらえるような態度とってたんだけど…
あの小柳くんらしくない明るさはそこからか、と腑に落ちる。
🐙🌟 : つまり、どういうことですか?
👻🔪 : …俺は、お前のことが今でも好き、なんだけど…
昔と似た感じで告白される。小柳くんだって変わってないじゃん。
あのときのようにぎゅっと抱きしめる。
🐙🌟 : 今度こそ、死ぬまで隣に居させてください
👻🔪 : …ッ、よかったぁッ……、
安心したのか、また小柳くんは泣き出してしまった。
🐙🌟 : もー…なんで泣くんですか、笑
👻🔪 : ごめッ……嬉しいのと、変わってなかったんだなぁって、思って…
しばらく小柳くんを慰め、なんとか泣き止んでくれた。
他愛ない話をしたあと、俺は帰路についた。
小柳くんの家から帰る直前に、あの夜と同じ口付けを交わして。
───────────────
翌日
いつも通り登校していると、後ろから肩を叩かれる。
👻🔪 : 星導おはよ
🐙🌟 : おはようございます。小柳くん。
👻🔪 : お前から挨拶返ってくんのなんか嬉しいわ
🐙🌟 : これからは沢山返しますからね
👻🔪 : 楽しみにしてる、
🐙🌟 : 今はまだ分かりますけど、昔は恋人特有の甘さの欠片もなかったですよね
👻🔪 : まぁ環境のせいもあるけどな
👻🔪 : あのとき苦しんだ分、もう俺らを邪魔するのはもう何もない
🐙🌟 : それもそうですね
🐙🌟 : これから一緒に沢山知っていきましょう
👻🔪 : …そーだな、
そう言って小柳くんが小さく笑ったのにつられて俺も笑う。
長い間俺たちふたりを苦しめていた身分と記憶の呪いが、全て解けた気がした。
𝑭𝒊𝒏.
───────────────
おかえりなさい!
(下ちょっと長いです⬇️)
読み返してみたら結構小説パートと過去パートが長くてびっくりしました。
読みづらい文章だったと思いますがここまで読んでくださりありがとうございました。
前にも少しお話したのですが、こちらは私のテラー初作品のリメイク版となります!
別界隈で書いていたのですが、どうしても主従関係の前世話が書きたくなってしまい…。今回ドンタコでまた書き直させていただきました。
結局元の連載の方は未完だったのですが、その時点で17話あったものがこうしてひとつに纏まったのを見ると、私も少し成長したのかなぁなんて思ってしまいます。
(元作品は削除済)
そして昨日投稿するつもりだったのですが諸事情で今日になってしまい申し訳御座いませんでした。
投稿頻度は上げていくつもりなのでまた見て下さると嬉しいです。有言実行も頑張ります。
そういえばメモアプリ重すぎてこれ書くの四回目です。悲しい。
スクロールお疲れ様でした。
またお会いしましょう!
リクエストお待ちしております👍