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桃 源 暗 腐
神 門 × 四 季
⚠ 神 門 が 重 い
「夜の帳に堕ちる」
夜の公園には人の気配はなく、蝉の声すら沈黙している。街灯に照らされたベンチに、二人の少年が座っていた。
桃太郎機関の神門。そして、鬼機関の四季。
敵同士。殺し合う関係。だが、奇妙な偶然が彼らを引き合わせた。数ヶ月前の戦闘のあと、四季の元へ自分の足で四季の安否を見に行った。その際四季に見つかって四季の思いをぶつけられ仲直りした。その日の夜から、二人はこの公園で出会うようになった。
「……今日も、来てくれたんだな」
神門の声は、どこか嬉しそうで、それでいて怯えたようでもあった。
「ああ……神門といると、不思議と落ち着くんだよな。変だよな、俺たち敵なのに」
四季の笑顔に、神門の胸がきゅう、と締めつけられる。
やめてくれよ、その「俺たち」って言い方。まるで……まるで僕たちがただの友達みたいじゃないか。
「……四季君さ。僕のことどう思ってる?」
その問いに、四季は少し戸惑ったように、視線を逸らした。
「どうって……友達?神門は一生大切な友達だよ。 」
その言葉が、ナイフのように神門の心に突き刺さった。
まただ。何度目だ? この「友達」って言葉で、僕の気持ちを殺すのは。
言えないくせに。好きだって。僕のこと、見つめるときの目、全部知ってるのに。
僕といるとき、安心してるのも、楽しいって思ってるのも、全部、知ってるのにどうして、踏み込んでこない?
「……僕、もう限界かもしれない」
神門がポツリと呟いた。
「え……?」
「『友達』って言葉で、四季くんは自分を守ってるんじゃないか?でもね、僕は生憎そんなもんで収まるような感情、もう持ってない」
ぐっと、四季の手首を掴んだ。
「っ、神門……?」
「四季くんが他の誰かと笑うのが嫌だ。君が僕以外を好きになる可能性があるって、それだけで……僕は狂いそうになる」
神門の瞳は、暗闇の中でぎらぎらと光っていた。熱と、執着と、狂気と愛が混ざった色。
「やめろ、放せよ……冗談、だろ……?」
四季は引き離そうとするが、神門は逃がさない。そのままベンチに押し倒すようにして、四季の身体を上から覆った。
「僕のモノになって。そうしたら、ずっとそばにいられる。誰にも渡さなくて済む。君もそれを望んでるんじゃないの?」
首筋に手が回る。その指が、じわりと力を込め始める。
「やめ……ろ……! ぐっ……!」
「どうして君は……そんなにも友達って言葉にしがみつくのかな……僕は、こんなにも、君が欲しいのに…っ」
四季の瞳に、涙が浮かんだ。それは恐怖か、哀しみか、それとも――理解なのか。
神門の手が震える。だが、それでも、力を抜くことはできなかった。
「お願い……怖がらないで。僕は、君を壊したくない。ただ、手放したくないだけなんだ……」
やがて、四季の身体から力が抜けていく。
「……わかった。わかったから……もう、いい。俺、お前に抗えないよ……」
その瞬間、神門の中で何かが決壊した。
嬉しさ、安堵、そして、深い罪悪感。
彼はそっと、四季の首から手を離し、その頬に触れる。
「……ごめんね、痛かったよね。苦しかったよね。でも、もう離さない。ずっと僕のそばにいてほしい」
四季は、力なく微笑んだ。
「最初から、そうなる運命だったのかもな。俺ら、きっと壊れてるよ」
「壊れててもいい。お前が俺のものなら、それでいい」
こうして、四季は神門の手の中に堕ちた。
それからの日々、彼は神門の指先一つで動くようになった。
逃げることも、抗うこともできなかった。
いやできなかったのではない。したくなかったのだ。
神門の目の奥に宿る狂気と愛、それに魅せられてしまったから。
もしかしたら、最初から。
彼もまた、そうなることを望んでいたのかもしれない。
夜の帳に沈んだ二人の少年の物語は、もう戻れない場所へと進んでいく。
━━━━━𝙚𝙣𝙙 .
私の中でみかしきはくっそ重い話です、みかどは好きすぎて狂ってるって解釈なので、かわいい楽しい感じのみかしき思いつかなかった!!でもかわいいのも見たいから今度書こうと思う!!
️♡ 💬
▷モチベ⤴
コメント
5件
愛が重いって最高ですよね💕💕
やっばいすきです最高すぎましたт т♡
神門が激重なのめっちゃわかる! (≧▽≦)