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コメント
2件
良い!!良い!!けど胸が痛いぜ…(←ハピエン厨)
『あの夏が飽和する。』
曲パロ
Room4S
🦉🎻……『』
📄……「」
御本人様達には一切関係ありません。
御本人様の御迷惑になる発言等お控えください。
それではお楽しみください。
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『……ねぇ、凪ちゃん。』
「…どうしました?」
『俺、さ…、』
『 昨日、人を殺したんだ。 』
貴方はそう言っていた。
梅雨時、ずぶ濡れのまま部屋の前で泣いていた。
夏が始まったばかりと言うのに、貴方は酷く震えていた。
__そんな話で始まる、あの夏の日の記憶だ。
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「…誰を、殺したんですか?」
『……殺したのは隣の席のいつも虐めてくるアイツ…、』
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《__、___?___www》
『っ……、!!』
ドンッ!!
もう嫌になって、肩を突き飛ばして、
《は……?》
ガンッ!
『っ……ぁ……、』
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『打ち所が悪かったんだ……ッ、』
『……もうここには居られないと思うし、どっか遠い所で死んでくる、』
そう君は言ったから、私は言った。
「……なら、私も連れて行ってください。」
『ぇ……、』
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財布を持って、ナイフを持って、携帯ゲームもカバンに詰めて、
いらないものは全部、壊していこう。
あの写真も、あの日記も、
「…今となったらもう要らないですよ。」
人殺しとダメ人間の、君と僕の旅だ____
グイッ
『っ、わ……?!』
そして私達は逃げ出した。
タッタッタッタ……
この狭い狭いこの世界から。
家族もクラスの人達も何もかも、全て捨てて貴方と二人で。
「……遠い遠い、誰も居ない場所で二人で死のう。」
もうこの世界に価値などない。
「…人殺しなんて、そこら中湧いてるじゃないですか。」
『、!』
ギュウ
「……大丈夫、貴方は何も悪くないですから。」
君は何も、悪くないから。
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「…結局私達は、誰にも愛されたことなんてないんですよ、」
そんな嫌な共通点で私達は簡単に信じあってきた。
ギュ
貴方の手を握った時、微かな震えも既に無くなっていて、
誰にも縛られないで、二人で線路の上を歩いた。
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金を盗んで、二人で逃げて、
何処にも行ける気がしたんだ。
__今更、怖いものは僕らにはなかったんだ。
額の汗も、落ちた眼鏡も、
今となっちゃどうでもいいさ。
___あぶれ者の小さな逃避行の旅だ。
いつか夢見た優しくて、誰にも好かれる主人公なら、汚くなった俺達も見捨てずにちゃんと
『…、救ってくれるのかな?』
「……そんな夢なら捨てましたよ。」
「…だって、現実を見てくださいよ。……シアワセの4文字だってなかった。今までの人生で思い知ったじゃないですか。」
『……、そうだね』
「__どうせ、自分は何も悪くないと、誰もがきっと思ってるんですよ。」
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宛もなく彷徨う蝉の群れに、
水もなく揺れ出す視界に、
迫り狂う鬼達の怒号に、
馬鹿みたいにはしゃぎあい、
ふと、貴方はナイフを取った。
「セラ夫……、?どうしたんですか?」
『…凪ちゃん、俺はさ、凪ちゃんが居たからここまで来れたんだ。』
「は……?急に何言って、」
『……だからさ、もういいよ』
『…、もう、いいよ』
「は……、?」
『死ぬのは俺一人でいいよ』
ザシュッ
「……え、」
そして貴方は首を切った。
まるで何かの映画のワンシーンだ。
白昼夢を見ている気がした。
気付けば私は捕まって。
貴方がどこにも見付からなくって、
貴方だけが何処にもいなくって。
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そして時は過ぎていった。
ただ暑い暑い日が過ぎていった。
家族も、クラスの人達もいるのに
何故か貴方だけは何処にもいない。
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「…………、」
ふと、あの夏の日を思い出す。
私は今でも謳ってる。
貴方をずっと探しているんだ。
貴方に言いたい事があるんだ。
九月の終わりに嚔して、六月の匂いを繰り返す。
貴方の笑顔は、貴方の無邪気さは、私の頭の中を飽和している。
誰も何も悪くない。貴方は何も悪くはないから。
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「もういいよ。投げ出してしまおう。」
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そう言って欲しかったのだろう?
「なぁ__?」
そう呟いて、アイツの形見のイヤーカフを付けた。
アイツと私では体格差はまぁまぁあったが、イヤーカフは私の耳にぴったりだった。
そして、アイツの遺影を握り、屋上のフェンスに手を掛けた。
そして、アイツのイヤーカフにそっと手を添えてこう呟いた。
「…今、そっちに行きますから。」
「__来世では、絶対幸せになりましょうね、」
そう呟いて、私は勢い良く屋上を飛び降りた。
_____END
______________________どう?!?!
良くない?!?!(