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無惨の体内で暴れ続ける黒血が、まるで制御を失ったように彼の体を支配していく。五条悟はその様子を冷静に見守りながら、手を軽く広げ、無惨に最後の一撃を与える準備を整えていた。
「どうした、無惨?」五条は鋭い視線を向け、微笑んで言った。「威勢はどこへ行った? もうお前の力は制御できないだろ。」
無惨は血を吐き、顔を歪めた。「くっ……!お前の術が、私を――!」
五条はその言葉に何も答えず、再度呪力を集中させる。無惨の血が逆流し、体内で激しい痛みを引き起こしている。反転術式の効果は完璧で、無惨はその痛みに耐えられず、動くことすらままならない。
「お前の体内で暴れているのはお前の力そのものだ。」五条は淡々と続ける。「反転術式を使えば、傷を癒すだけでなく、すべてを逆転させることができる。お前の強さも逆転させる。」
無惨はその言葉を受けて、目を見開き、体を必死に動かそうとする。しかし、反転術式の力がそれを許さない。血液が無惨の全身を締めつけ、その血管が膨れ上がり、破裂しそうになる。その痛みに、無惨はついに膝をついてしまった。
「こんな……!」無惨は顔を歪め、震える手で自分を支えようとするが、その力も次第に失われていく。「私は負けるわけがない……私は――!」
その言葉の先に、五条の冷徹な視線が無惨に向けられる。「お前が負けを認めない限り、俺は戦い続ける。だが、もう無駄だ。お前は勝てない。」
無惨は最後の力を振り絞り、再び血鬼術を発動させようとするが、その動きすら鈍くなっている。五条の圧倒的な力の前で、無惨は完全に無力化されつつあった。
そして、五条が一歩前に踏み出した瞬間、無惨の体から最後の力が抜け落ち、彼は完全に動きを止めた。
「終わりだ。」五条は静かに呟き、その手をかざす。その一瞬で、無惨の体に残っていたすべての血が暴れ、反転術式によってその全身が崩れ始めた。
「ぐああああああああ!!!」無惨の体が激しく震え、その血が一気に吹き出す。その全ての力が暴走し、無惨の存在そのものが崩壊するように見えた。
そして――無惨の体は完全に崩れ落ち、地面に無惨な痕跡を残して消えた。
五条は一度、深いため息をつくと、無惨の体を見下ろし、静かに歩き出した。「これで、終わったな。」