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じゃむじゃむあっぽー🍏
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第6話
店を出て、駅へと続く人気のない夜道を重い足取りで歩いていた。
頭の中はぐちゃぐちゃだった。心配と、焦りと、そしてどこか冷たい諦めのような感情が渦巻いている。
その時、前方からバタバタと激しい足音が近づいてきた。
「はっ……ひ…..若井、くん…。!」
街灯の光の下に飛び出してきたのは、息を激しく切らせた涼架だった。
私服のシャツは少し乱れ、いつも綺麗に整っているふわふわの髪もボサボサになっている。肩を大きく上下させながら、涼架は俺の前で膝に手をついて激しく咳き込んだ。
「涼、架….つ!お前、今までどこに一ー」
心配のあまり駆け寄ろうとした俺の足を、涼架の次の言葉が止めた。
「ごめ、ん……っ。僕、ちょっと、寝坊?しちゃってさ….。時計見たら、もうこんな時間で、慌てて走ってきたんだけど…..っ」
涼架はそう言うと、無理に作ったような、ふにゃりとしたタレ目で「あはは」と力なく笑った。
その顔は、街灯の白い光に照らされて、驚くほど青白い。額にはびっしょりと冷や汗がにじんでいる。
「…寝坊?」
俺の口から、冷え切った声が出た。
何時間も連絡がつかず、あんなに心配した理由が、ただの「寝坊」?
いや、違う。そんなわけがない。この青白い顔、異常な息の上がり方、絶対に体調を崩して動けなかったはずだ。
あの階段の時と同じだ。こいつはまた、そうやって嘘をついて隠そうとしている。
だけど、何度も何度も連絡を無視され、何一つ本当のことを話してくれない涼架の態度に、俺の胸の奥で、どす黒い感情がふつふつと湧き上がってきた。
「若井くん、本当にごめんね?パフェ、また今度…..」
「….もういいよ」
涼架の言葉を遮る。
「え….?」
「連絡くらい一本入れられただろ。何時間待たせたと思ってんだよ」
「それは、スマホの充電が切れちゃってて、」
「嘘つけよ」
低く、威圧するような声。
鏡で何度も見た、自分のあの嫌いなツリ目が、今は涼架を真っ直ぐに睨みつけているのが分かった。
涼架が小さく身体を強張らせ、えたように目を見開く。
本当は、「どこが悪いんだ」「何に苦しんでるんだ」って抱きしめて問い詰めたかった。
だけど、頑なに心を閉ざして嘘を重ねる涼架を見ていると、自分が酷く拒絶されているような気がして、それ以上言葉を重ねる気力が失せてしまった。
「….ひどいな、お前」
ぽつりと言い残し、俺は涼架の横をすり抜けた。
「若井、くん…..っ、待って、違うの….っ」
後ろから衣服が擦れる音と、掠れた声が聞こえた。
だけど、俺は振り返らなかった。今振り返ったら、どんな顔をして涼架を見ればいいのか分からなかったからだ。
冷たい夜風が、俺たちの間を吹き抜けていく。
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