─信じるな、なんて言われても。─
注意喚起
・御本人様とは一切関係ありません
・BL(R18にはならないはず)
・zmさんの怪我、流血表現あり
・モブに名前があります
・shaとモブの恋愛表現あり
閲覧はあくまで自己責任でお願いします。
◇
ふぁ、と思わずあくびが溢れる。
眠い目を擦りながら、ショッピは屋上へと続く階段を登っていた。
もう一限目が始まっている時間だが、遅刻した自分にとっては今更教室に入る理由もなく。
そんなこんなで、久しぶりに授業をサボることにしたのだ。
金属製のドアノブを回すと、かちゃりと小君良い音を立てて屋上のドアが開いた。
「・・・・先客がおる」
ギィ、と軋む扉の向こう、誰もいないと思ったが先を越されたようだ。
ふわふわと風に靡いて揺れるくすんだ茶髪に、この学校では珍しい黄緑色のパーカー。
その人は顔を埋めるように隅に蹲っていた。
「・・・ゾムさん」
その名前を呼ぶと、びくりと肩を振るわせ、ゆっくりとこちらを向いた。
不安そうな瞳に、覇気のない顔。どこか様子がおかしい。
ゾムさんとは、たまに一緒にゲームをする仲だった。気さくな性格で、よくシャオさんも交えて夜を明かしたものだ。
そんな頼れる先輩であるゾムさんが、そのペリドットを恐怖で揺らしている。
「授業、どうしたんですか」
「・・・しょ、っぴくん」
普段の態度とはかけ離れたその姿に、何かあったのだと確信した。
「・・・・・何があったんすか」
「・・・・・・」
「ゾムさん」
「・・・っ、朝、きたら・・・・」
苦しそうに言葉を吐き出すゾムさんを見ているとどこか心苦しいが、辛そうな表情をされるよりもマシだと思い問いただす。
不安そうな表情のまま、ぽつりぽつりと朝の出来事をゾムさんは話し始めた。
「それで、・・・あいつらが、俺が悪いって・・・最低だって、言うから・・・だんだん俺も、おれがわるいんじゃないか、って・・・」
「・・・」
「でも、なにもやってないねん。でも、・・・っ、」
言葉をつっかえながら吐き出す。
「・・・シャオさんは?」
頭に浮かんだ、ゾムさんといつも一緒にいたあの人。
嫌な予感がして、思わず聞いてしまった。
「・・・・・っ、ぁ、・・・」
ゾムさんは一際大きく目を見開いて、それからふるふると虚しく首を振った。
それが、信じられなかった。
いつも隣にいて、目の前でも平然とイチャつきだすような、あのシャオさんが。
「・・・・・」
「・・・ゾムさん?」
「・・・ごめん。話、聞いてくれて、ありがと」
ゆっくりと震える声でそう言ったゾムさんは、顔を伏せたまま立ち上がって、扉に向かって歩き始めた。
「ちょ、ゾムさん、戻るんすか」
「おん。授業は受けなきゃだし」
意外と真面目なこの人は、敵だらけの教室に授業のためだけに戻ろうとしているらしい。
そんな辛そうな顔をするぐらいなら、俺と一緒に、サボればいいのに。
そう言おうとして、流石にキモいかな、と伸ばした手を引っ込めた。
「・・・・自分のこと、大切にしてくださいよ」
「・・・んー・・・」
「今日、一緒に帰りましょ」
なんとなく。今ここで別れたら、ふらっとそのまま消えてしまいそうな気がして。
一方的にそう約束していた。
「・・・・んふ。じゃあ、ショッピくんも、ちゃんと授業受けるんやで」
約束。
嬉しそうな表情で此方を振り返るゾムさんは、春風に吹かれて綺麗だった。
小さく差し出された白い小指に、自分の小指をきゅっと絡ませる。
「じゃあ、また後で」
屋上から階段を降りていくゾムさんの後ろ姿に、小さくそう言った。
◇
案の定教室は最悪だった。
賑やかな教室に自分が足を踏み入れた瞬間、周りが水を打ったようにしん、と静まり返る。
生憎もう授業が始まる時間で、重い空気を振り分けるように自分の席へと早足で向かう。
自分の周りの机が離されている。
はあ、と溜息を周りにバレない程度に吐いた。
ちくちくと刺さるような周囲の視線、頭上を飛び交う空っぽな囁く声。
俺をいじめる、という雰囲気よりかは、絶対関わらない、といった所か。
ショーウィンドウに閉じこめられたペットショップの動物になったような気分だった。
息苦しい。
◇
自我を無くしたように淡々と時間が進む。
あっという間に赤色が差す空になり、ちらほらと教室から人の形が減っていく。
そんなクラスメイトの間を縫うように教室を出て、廊下へ飛び出す。
噂はどこまで広がっているのか。
なぜか近くを通る全員が此方を見ているような気がして、気づけば走り出していた。
ショッピくんの学年は一つ下の階にある。
階段を駆け降りてショッピ君のクラスに向かうも、まだHRは終わっていなかったようだ。
廊下に一人、ぽつりと残される。
きゅ、と自分のリュックを前で抱きしめる。
今日何度見舞われたかわからないあの恐怖感が、全員に嫌われているという絶望感が、ひしひしと襲ってくるようだった。
現に、目の前を通る生徒の中には此方を見てひそひそと囁き合う人たちもいた。
まさか、自分の長い髪とフードがこんなところで役に立つとは思わなかった。
視界をシャットダウンするように目を瞑り、その場にずるずるとしゃがみ込む。
「聞いた?転校生の先輩を初日から虐めてるって話」
「告ったのに振られたから逆上したんだって」
「前から変人だとは思ってたけど、まさかここまでやるなんて」
聞こえてるんだっつーの。
男女のグループのそんな会話が聞こえてきて、心臓が握りつぶされたような緊張感がやってくる。
「シャオくんにもとうとう愛想尽かされたらしい」
「あいつも人がいいよな」
「ほんと、何考えてんだろう」
幻聴なのかもわからない。
自分の取り巻くそんな声が、耳から入って頭の奥までこびりつくような。
目をぎゅっと瞑れば瞑るほど何を考えてるのかもわからなくなる。
苦しい。気持ち悪い。辛い。
ぐるぐるぐるぐる、頭の中が、体の底が、意識がかき混ぜられるような、恐怖。
はやく。
はやく、ショッピくん、出てきてや。
「ゾムさん」
凛とした声が頭上から降ってきた。
「・・・あれ、寝てたわ、俺」
「そっすか」
顔を上げれば、無表情ながらもその目に心配の色が浮かんでいるのがわかって申し訳なくなる。
よいしょ、とおっさんくさい掛け声で腰を上げて、ショッピくんの隣に立った。
クールビューティーなショッピくんと、嫌われている俺。
側から見たらひどく不釣り合いだろう、と自虐にも似た乾いた笑いが込み上げてくる。
なんとなく言葉を交わしながら、靴を履き替え、校門をくぐり、その日はちょっと遠回りまでして、一緒に帰った。
◇
あまりにも遅い報告すぎるけどイベント楽しかったな
shpとutのコスプレしてる人おってばかかいわかった。写真貰っちゃったへへ
いつかコスプレしたいなとおもいますた
以上!
コメント
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あの、本当にコスプレしてた方々ありがたすぎて前転。 ぴやぁぁぁぁ、!!! 愛してます本当に。 続きめっちゃ楽しみ~🥹💞