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体育館では入学式が行われた。
体育館の天井を見上げると、無数の蛍光灯が一列に並んでいて、味気ない。
「…新しい環境で皆さんがどう成長するかが…」
校長の声は、スピーカーから響いているけど、私にはほとんど意味を成さなかった。
周りを見渡すと、他の生徒たちも同じようにぼんやりしている。
入学式というのは、ただの形式でしかないと、昔から思っていた。
「早く終わんないかな…」と心で呟き、時計を確認する。
式が始まってからまだ10分も経っていないことに、ため息をつくしかなかった。
隣に座っている子も、同じように退屈そうにしていた。
校長の挨拶は続いているが、まるで時間が止まったかのように感じる。
「…では、以上をもちまして、令和6年度の入学式を終了いたします。」
入学式がついに終わり、私たちは拍手の中、体育館を出ていった。
入学式の後、片付けをすることになった。
そこで親友の名井遥香と佐々木彩葉に会い、私の気持ちは完全に晴れた。
クラスが離れたことを嘆いて、片づけに戻ろうとした時。遥香が
「片付けしながらイケメン 探そうよ!!」
と 馬鹿らしい提案をしてきた。
だが、これは私たちにとっては普通で、ツッコミもなく彩葉と私は同意した。
片付けが終盤になってきて、することがなく私はイケメンを探した。
そして、私の目の前に一人、間違いなくイケメンと言える男性が現れた。
こんなタイミングで現れるとは思ってもいなかったのでとても驚いた。
端正な顔立ちに、爽やかな笑顔。 心の中で「あの人だ!」と思った。
私の目は釘付けになり、時が止まったような感覚に襲われた。
上履きを見ると、“松岡信介“と書いてあった。
「えっ、嘘でしょ」
私は思わず声に出してしまった。
まさかの事態に私は状況が読み込め無かった。
その日はあまり考え込まないことにし、また、2人に 会えないまま学校での活動を終えた。