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コメント
1件
ああ、面白かったです…! タイトルから想像するよりずっと軽妙で、でも根っこに「捨てられる」痛みがあるのが沁みますね。 特に「ハンプティダンプティは自爆する卵のおっさん」ってアリスのナチュラルな嘘、好きです。あの場面のルイスの「そんな機会ねーよ」という冷静なツッコミも良い塩梅で。重くなりすぎないユーモアが三人の関係性を柔らかく見せてくれていて、読んでいて心地よかったです。 離陸シーンの「シートベルトない、席ない、終わった…」の乾いた絶望と、その後の「くらくら〜」のギャップもツボでした。続きが気になります!
「ルイス、状況整理」
ちっちゃくなった(155cmから113㎝になった)アリスはこめかみを押さえたくなった。
実際、押さえているが。
「現在地、多分日本ではないどこかへ移送させられ中。多分飛行機のどこか。
4歳ん時は日本だったはず。桜とアルテはいない」
「多分苗字が違うからだと思う。
で、全員今五歳。現在捨てられてる」
死んだような目で指を折って数えているルイス(160cmから112㎝になった)とキャロル(1570cmから111㎝になった)。
「どうやって生きていきます?」
「っぱ銀行強盗?」
首をかしげるルイス。
「え最初に出てくんのがそれ?。通行人の荷物片っ端から奪うだろ普通」
「んどっちも大して変わんねーよ」
ハリセンを持っていたらぶっ叩いていただろう勢いでアリスは二人にチョップをお見舞いする。
「まるでヘンゼルとグレーテルみたいだ」
捨てられる前、道中で拾った、そこらへんに生えていた雑草を食べながらアリスはそう口にする。
危険なので真似しないように。
「まるでハンプティダンプティみたいだ?」
「あ言ってない言ってない」
速攻でアリスは首を振る。
「ハンプティダンプティってなに?」
ルイスはツツジの花(白は毒があるのでピンク)の蜜を飲みながら疑問を口にした。
こちらも危険なので真似しないように。
「自爆する卵のおっさん」
「へー」
ハンプティダンプティは自爆しないので、ナチュラルに嘘を吹き込むアリス。
「今度から「まるでハンプティダンプティみたいだ」って使うわ」
「そんな機会ねーよ」
不思議の国のアリスの知識はなくてもそこはしっかりツッコむルイス。
『本機は、間もなく離陸します。席に座ってシートベルトを着けてお過ごしくださいませ』
唐突にアナウンスが絶望を知らせた。
「ルイス」
「シートベルト、ない。席、ない。終わった…」
乾いた声でこの世の終わりに等しい絶望を教えるルイス。
「ええい!。全員身を寄せるぞ!」
ちなみに。
飛行機の離陸時の重力は約1.2Gから1.5Gである。
なので。
「わあああああああああ!!!」
「頭ぶつけた!」
「ぐえええええ!!!」
シートベルトを着けていないと非常に危険である。
そしてしばらくすると・・・。
「くらくら~」
「世界が…回ってます~」
「へなへな~」
ようやく揺れが収まったが、どったんばったんしてた時に平衡感覚をやられた三人。
「くらくら~」
「回ってます~」
「へろへろ~」
全員もれなくばたんきゅー状態である。
「い、今のうちにぃ~」
「回ってます~」
「い、移動しないとぉ~」
結局、全員くらくらしながら間一髪で飛行機から脱出した。