4.『思い出せない記憶』
晴明『どうして?佐野君___』
佐野『俺………兄貴をさぁ、彼奴に殺されたんだ。』
晴明『えっ?け、けど、それとなんの関係が』
佐野『お前が言っていたあの子は俺の兄貴なんだよ』
晴明『えっ?』
佐野『俺もまさかと思った、けど兄貴が言っていた性格とかが全て一致してる』
晴明『わ、訳が分からないよ、と、とりあえず戻らないと』
晴明は佐野の手を振り払い先の教室へと戻ろうとする
佐野『神は記憶が戻らないんだ、』
晴明の足が止まる
晴明『どうゆう事?』
佐野『俺の兄貴神なんだよ。俺の兄貴は彼奴に殺されてから記憶の一部が忘れてるんだよ………』
晴明『一体、誰の記憶がッ、』
僕は息を飲んだ
嫌な予感がする
佐野『……お前のだ………』
予想は当たっていた
僕のだった
佐野『お前の全ての記憶が忘れてる、それに伴って、どんどん片方の記憶も消えていく………神ってそう言うもんだ』
晴明『し、信じられないよ。信じたくないよ』
佐野『お前の気持ちも分かる。けど本当なんだ、晴明思い出せるか?あいつの顔を』
晴明『思い出せるに決まっ_____』
あれ?
思い出せない?
思い出したいのに
思い出せない
あの子の名前も、あの子と過ごした日々も
あの子の顔さえも
確かに思えているのはあの子が自分の目の前で殺されたことだけ
晴明『あれ?』
佐野『思い出せないだろ?』
晴明『けど、あの子は生きてるんだね!それだけで僕は………僕はッ』
覚えてて欲しかったな何て言ったら佐野君に怒られちゃうかな?
佐野『泣きたい時は泣け』
晴明『佐野君ッ、』
僕の目から水がこぼれ落ちた
あぁ、これから僕はもっと、あの子との日々を楽しかった時間を忘れていくのが怖くって
あの子は僕の事はなんにも覚えてなくって
あの子と会ったらどうしようと思うと胸がいっぱいになって苦しくなって
けど、後悔だけが僕の中で渦巻いて
あぁ、あの時もっと話しとけば
あの時僕が庇っとけば良かったとか
色々の事を考えてまた涙が出る
その度に佐野君が慰めてくれる
やっぱり僕、あの子の事好きなんだなと再認識したってもう遅い
だってあの子は僕の記憶を忘れてる
だけど、諦めきれないこの恋心は何処へやったら良いのだろう
もし、これであの子と会ってしまった僕はきっと泣いてしまう
きっと迷惑をかけてしまう
だから僕は決めた
あの子に絶対に合わないようにすると
そう心の中で誓った
コメント
4件
悲しい…。大好きな人の記憶を忘れるなんて( ߹꒳߹ ) 最高でした!! 続き楽しみにしています!! 私は記憶忘れたら多分めちゃくそ泣きます😇
記憶を忘れてしまのは悲しいですね。話最高に良かったです✨続きすっごく楽しみに待ってます‼️