話がどんどん思いついて構成をまとめもせず書いてる猫好きです。
兄弟パロですが、少し暗めの過去が入ります。fkrさんが弟、sgiさんが兄設定です。
御本人様とは一切関係ありません!!
fkrさんside
須「福良さん、お疲れ様!流石パズル王だよなー。負けちゃったよ。」
福「須貝さんも強かったじゃないですか。」
須「俺?俺はまだまだだよ。でもいつか、福良さんを倒せるように強くなるから!」
福「ふふ、僕も負けてられませんね。」
須「じゃ、またあとの撮影で!」
さっきあったパズル王vs他メンバーのガチ勝負はハンデ一切なしの真剣勝負。僕が全勝で終わって撮影後、須貝さんが話しかけて来た。…だけどやっぱり寂しいな。
…何がって?それはね…
僕と須貝さんは…本物の兄弟だから。
え、名字が違う?生まれや育ちが違う?何が寂しいかって?
…それには全部理由があるんだ。
まず、寂しい理由は…須貝さんは記憶がないんだ。僕と兄弟って記憶が。だから、同僚として接してくる。それが寂しい。でもその理由は僕にあるんだ。
昔、物心ついたばかりの時、家族全員で買い物に行ったんだ。お母さんにもお父さんにもいっぱい甘えて色んなもの買ってもらって、お兄ちゃんの須貝さん…ここでは駿にいって言おうかな。今は恥ずかしいけどね。
それで、駿にいにも甘えてアイスを座って食べてた時、僕は頼まなかった駿にいのチョコアイスが少し食べたくなって勝手に少し取っちゃったんだ。お母さんからは少し怒られちゃったけど駿にいは笑って許してくれた。
「弟が喜んでくれてるなら何でも良いよ」
って。そうやってとても幸せな時間を過ごした。だけどそれは、一時の幸せだったんだ。
帰る時間になって、車に戻ろうと歩道橋を歩いてた。そして、階段を降りる時、僕はうっかり足を滑らせてしまったんだ。
お母さんが僕の名前を叫んでいるのが微かに分かった。でも返事も出来なくて、このまま落ちるだけ、そう思った。
不意に誰かに抱きしめられた。そしてゴロゴロ!と階段から滑り落ちる音が聞こえた。
目を瞑っていた僕は一向に衝撃が来ない事を不思議に思って目を開けた。すると…
「ッ………。」
……僕を抱きしめて、衝撃から守ってくれた‥だけど自分を犠牲にした駿にいが血を流して倒れていた。
「駿貴!!」
お母さんやお父さんの声が階段上から聞こえた。…僕は何が起こったか、その段階では分かってなかった。だけどお母さんが携帯で何処かに電話をして、お父さんが
「駿貴!聞こえるか!?聞こえてたら手を握ってくれ!」
って言ってるのを見てやっと何が起こったか全て把握したんだ。
「駿にい!起きて…起きてよぉ!」
必死に叫んだ。目を開けてほしい、いつものように笑ってほしい、その一心で。
…だけど、目を開けることはなかった。
救急車が来て、お父さんが一緒に乗った。お母さんは荷物を持って、僕と荷物を車へ乗せて急いで病院へと車を走らせた。もちろん法をギリギリ破らずに。
…病院につくと、手術が行われていた。
僕は不安で仕方なかった。僕が足を滑らせなければこんな事にはならなかったのにって病院の中なのに泣き喚いた。お母さんは優しい声で
「貴方のせいじゃないわ。もちろん、駿貴のせいでもない。私達が悪いの…」
って励ましてくれた。でも僕はちゃんと分かってた。僕が足を滑らせたからだって。お母さん達が助けれなかったのはうきうきしてた僕達の後ろにいたからだって分かってた。だから、泣き止むことが出来なかった。
しばらくして医者の人が来た。
「手術は無事成功しました。しかし、頭を強く打った影響で記憶に乱れが生じてしまってるかもしれません。」
と語った。僕は、記憶に乱れがあっても、無事である事に喜んだ。でも、現実は非情だ。まるで、僕に罰を与えるかの様に。
お母さんとお父さんは今後のリハビリや、入院の日程を決めるため、僕に駿にいの事を任せてくれた。病室にいって近くの椅子に座って起きるのを今か今かと待っていた。
しばらくして駿にいは目を覚ました。
「!駿にい!!良かったぁ!!」
「………。」
「…どうしたの?」
「君…誰?」
「!!」
「……俺…どうして病院に…」
当時の僕は記憶に乱れが生じてるってこう言う事だと今更理解した。
そして、家族が入ってきた。でも…
「…誰?」
…駿にいは家族を…僕達を忘れてしまったんだ…。
そして看護師さんが質問を色々した。その時に覚えていたのは、僕達と仲良くしていた、とある一家のことだけ…。
たぶん、分かった人も多いんじゃない?
…それが、須貝さんの名字の由来だから。
そう。今でいう須貝さんの弟さんと妹さんと仲良くさせてもらっていた……
須貝さんのところの家だったんだ。
これが、名字が違う理由。
それがショックだった。僕達を忘れ、他の所の一家の方を唯一覚えていたから。
…そして、話し合いの結果、駿にいに負担を掛けさせないために須貝さんの家に引き取って貰えないか頼んだんだ。もちろん家族全員そんなの納得していなかった。けど当時の駿にいは知らない人といるのが嫌いだったから僕達がお見舞いにいっても、全然嬉しそうじゃなかった。むしろ帰ってくれと言われる事が殆どだった。僕もお母さんもお父さんも記憶を取り戻す為に努力した。でも駿にいにはそれが不快だったらしく邪魔者扱いされてしまう程。だから、苦渋の決断だった。
須貝さんの家の所は事情を説明すれば納得して貰えた。もちろん心配もされたし、本当にそれで良いのかとも問われた。でも、このままじゃ駿にいはストレスがたまるだけ。だから…引き取って貰ったんだ…。
しばらくしてやっぱり駿にいは落ち着いたらしい。そして家の事情で京都に引っ越さなければならなくなり僕達は離ればなれになってしまった。それが、育ちが京都の理由。
それから数年…僕も高校生になる為に受験を頑張っていた時…お母さんの悲しそうな声が聞こえてしまった。聞こえたのは…
「駿貴は…あなた方の子と認識したのですね…いいえ、そうなるのも仕方ありません。あの子は一刻も早く私たちを忘れたかったようですから…よく自分を守る為に防衛本能が働き記憶を封じる事があると聞きます……ええ、はい。……それでは…よろしくお願いします…」
…だった。僕はその日泣いて、泣いて、泣き喚いた。あの笑顔がもう見れない、僕の名を二度と呼んでくれない…そう分かったから。
…家族も同じだった。「親失格だ。」「親を名乗る資格もない」って…。
須貝さんのところの御家族はその記憶の通り、元からこの家に生まれた長男として合わせてくれたらしい。
そう、生まれも京都と言われる理由は防衛本能が働き記憶を封じたから…。
これが…僕達の真実。
うぅ…今思い出すだけでもつらいな…
山「福良さん!?」
福「ん?なに?」
河「なに?じゃないよ!なんで泣いてるの?」
鶴「なにかあったんですか?」
僕……泣いてるの?僕…は…
福「ぅ…」
バタッ
鶴「!?福良さん!?大丈夫ですか!?」
河「取り敢えず仮眠室に運ぼう。パニックを起こして気絶した感じっぽいから。」
鶴「分かりました。」
河「山本は伊沢に連絡して!倒れたって!」
山「分かりました!」
trskさんside
撮影部屋で涙を流す福良さんの姿をみて、僕達は慌てて駆け寄った。すると気絶しちゃったらしい。だから仮眠室に運んだ訳だけど…
河「なにかあったのかな…?」
鶴「とても悲しそうでしたね…」
僕達は何も分からなかったけど、あのつらそうな表情は今まで見た事なかった。
福「うぅ…」
河「福良!?」
福「……にぃ…」
鶴「なにか言ってません?」
福「にぃ……んにぃ…しゅんにぃ…」
2人「しゅんにぃ??」
誰…?お兄さんの呼び方っぽいけど福良さんってお兄さんいたっけ?
鶴「河村さん、知ってます?」
河「お兄さんなんて聞いた事ないけど…」
その時…
ガチャッ
須「福良は…!?大丈夫なのか…?さっきまで元気そうだったのに…」
鶴「あ、須貝さ…」
あれ?そう言えば…須貝さんのフルネームって…須貝駿貴だよね?しゅんにぃってもしかして…
河「福良はまだ寝てるみたいです。あと、須貝さんに聞きたいことが…」
須「ん?」
河「須貝さんって妹さんや弟さんにしゅんにぃとか呼ばれてませんでした?」
どうやら考えてることは同じのようだ。
須「しゅんにぃ…?駿貴お兄ちゃんとかお兄さんとかなら言われたことあるけどしゅんにぃなんて呼ばれた事ないと思うけど…。」
河「…そうですか。」
まぁ、人違いだよね…妹さんと弟さんは結婚してるって言ってたし。
福「んぅ…」
須「あ、福良さん?」
まだ寝ぼけていそうな目が須貝さんを捉えた。その時だった。
福「しゅんにぃ!」
須「は!?」
二人「!!」
福良さんは須貝さんに向かってしゅんにぃ!と叫ぶように言いながら抱きついた。
須「なに寝ぼけて…」
福「しゅんにい…寂しかった…!」
…どちらも嘘をついている様には見えない…
この二人…何者なんだ?
須「落ち着け、しゅんにぃって誰?人違いだって!」
流石に対応仕切れないようだ。
僕も最初は寝ぼけているだけかと思った、でもしばらく経っても福良さんは須貝さんのことをしゅんにぃと呼んだ。これ…須貝さんの方になにかあるのか?
須「はぁ…誰と間違えてるんだか…」
流石の須貝さんもその人になりきったりは出来ないらしく、背中を優しく撫でるだけだった。すると少し眠くなったようで福良さんはゆっくり目をとじた。
須「はぁ…びっくりした。」
再び福良さんを寝かせた。けど…
河「須貝さん、単刀直入に聞きます。貴方は福良の兄なんじゃないですか?」
そう、それが気になっていた。
須「は、はぁ……?俺、出身京都だよ?それに妹も弟も一人だけだ。その中に福良はいない。」
河「でも、福良のあの反応は貴方が兄であるかのようでした。」
須「寝ぼけてんじゃねぇの…?」
この言い方、嘘をついてるわけでは無さそう…。
するとまたガチャッと音がして…
伊「福良さん、どうだ?」
山「見た感じ落ち着いてそう?」
河「ええ。さっき少し起きましたが、もう一度寝ましたね。」
鶴「そう言えば、福良さんってお兄さんがいるとか聞いてませんか?」
伊「お兄さん?まぁいることは知ってるけど…それがどうかしたの?」
鶴「名前は!?」
伊「名前…名前は分からんな…福良さんから兄がいるとは聞いてるけど。」
鶴「そうですか…」
お兄さんがあの人だって証明できる人っていないのかな…?
福「うぅ…」
皆「!」
福「あれ?みんな…」
山「!起きましたか。どうです?具合は。」
福「…具合は悪くないよ。少し、懐かしい夢を見てて…」
夢…それがお兄さんと関係してるのかな?
聞いてみても…いいのかな?でもとてもつらそうだった。解決してあげたい。それでも僕達が踏み込んでいい問題なのか分からなかった。
河「なぁ、福良。」
福「ん?」
河「お前さ、お兄さんいるのか?」
福「え、何で知ってるの?」
どうやら、さっきのは覚えていなかったようだけど…。
福良さんのあの感じ、
しゅんにぃという名前、
須貝さんの名前に「駿」って入る…
やっぱり…そういうことだよね?
河「お前のお兄さん、須貝さんなんだろ?」
他「えっ!?」
福「え、なんで…?」
否定しないという事は…
河「…認めるの?」
福「まぁ…この反応とさっきので、バレちゃうよね…」
さっきのって…抱きついたあの時の?
鶴「覚えてるって事ですか?」
福「本当はね。」
伊「……。」
山「伊沢さんは知ってたんですか?」
伊「………うん。ごめん。名前も知ってたよ。聞いたから。全部。」
河「なら何で…!」
福「口止めしてたんだよ。なにか聞かれても、誤魔化してって。」
そういう事か…というか、全然喋ってない人いるな…まぁ、そうだよね。急に自分が知らない弟な話なんて驚くよね…あれ?
須貝さん、何で知らないんだ?そこは何も解決してないな?
須「………なに、言ってんだよ…福良さんが…俺の弟なんて…知らないよ…なんのドッキリだよ……!」
伊「…ドッキリじゃありませんよ。これは、紛れもない事実なんです。」
須「そんな訳ない!俺は、京都でうまれて、育って、弟や妹もいて…!」
福「そうですよね……貴方は…僕を身を挺して守ってくれたんですよね…これは…僕に対する…神からの罰なんですよ…きっと…」
伊「福良さんはそれで良いのか!?大切なたった一人のお兄さんなんだろ!」
福「‥別に良いよ…僕のせいでしゅんにぃがまた苦しめられるのはもう嫌だから…お兄さんには…幸せになってほしいから…」
伊「…。」
話が何の事かは分からない。昔、須貝さんは福良さんの事を身を挺して守った…そしてこれは罰だと言ってた。そこから推測すると福良さんが何らかの原因で事故が起きて、それを庇い須貝さんは怪我をした。福良さんはその原因をつくった罰なのか、須貝さんは記憶を失った。そこからが完全に憶測になるけど、記憶を失った須貝さんは別の家に引き取られ、記憶がその新しい家族と生活しているものになった…だから何も覚えていないのかもしれない。
人は嫌な事や覚えていたくない記憶を無意識に封じることがあるらしい。多分、それなんだろうな…。でも、嫌な記憶ってなに?って話なんだけど…。
須「……俺、ちょっと外出てくる。」
伊「ちょ、須貝さん!」
いきなり衝撃の事実を突きつけられ、それが真実なのかと疑いたくてもこの福良さんを見れば誰だって分かる。きっと信じられなくて、いたたまれなくなって出て行ったんだろうな…。
でも、これで良いの?須貝さんだって、このまま謎も残ったままで、福良さんも大切なお兄さんを今は失ってるといっても過言じゃない。
……どうすれば、2人を…助けられるんだ…
続く
長いなぁおい!!
前編に分ける気はなかったけどこれは長くなると思い、きらせてもらいました。
本当計画性がありませんね。
呆れた方いらっしゃると思います。
わたし自身、呆れてますw
続きは今日か、明日出せますので良ければお待ち下さい!ここまでの閲覧ありがとうございました!
コメント
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もう最初の所で心がぁ…ッ 猫好きさんの書き方めっちゃ好き…