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朝。
「……なんか、だるい」
悠真は布団の中でぼんやりしていた。
いつもなら朝から元気なのに、今日は起き上がるのも少しつらい。
お母さんに体調を見てもらうと、熱があることが分かった。
「今日は学校お休みしようね」
「……うん」
その頃、学校では――
「悠真、今日休み?」
湊が席を見ながら聞いた。
「そうみたい」
クラスメイトから聞いた瞬間、湊は少し心配そうな顔になった。
放課後。
湊は悠真にメッセージを送った。
『大丈夫?』
しばらくして返信が来る。
『だいじょぶ……たぶん』
『絶対大丈夫じゃないだろ』
『ちょっと熱あるだけー』
湊はスマホを見つめた。
そして――
「……心配だな」
次の日。
悠真はまだ学校を休んでいた。
放課後、湊は家の人に相談して、短い時間だけ悠真の様子を見に行くことになった。
「湊……?」
「起きてた?」
「うん……」
悠真は少し元気がなさそうに笑う。
「学校どうだった?」
「普通。でも、お前いないと静かだった」
「なにそれ……」
悠真が小さく笑った。
湊は持ってきたものを置いて、
「ちゃんと休めよ」
と言う。
「……ありがと」
「早く元気になれ」
「湊が来てくれたから、ちょっと元気出た」
「……そういうこと言うなよ」
湊は照れて、目をそらした。
「なんで?」
「……恥ずかしいから」
悠真も少し照れながら笑う。
「湊も照れるんだ」
「うるさい」
「ふふっ」
しばらく二人で話したあと、悠真は眠そうに目をこすった。
「眠い?」
「うん……」
「じゃあ寝ろ」
「湊、帰るの?」
「うん。でも、また連絡する」
「……約束な」
「約束」
湊はそう言って帰っていった。
布団に戻った悠真は、スマホを見ながら小さく笑う。
「……優しいな、湊」
その頃、帰り道の湊も――
「早く元気になってくれればいいけど」
と、悠真のことを考えていた。
二人にとって、
いつも一緒にいることが当たり前になっていた。
だからこそ――
会えない一日が、いつもより長く感じた。
コメント
1件
第19話「熱」、読みました! 悠真が休んだことで、湊の心配する様子がすごく自然に出てて良かったです。「お前いないと静かだった」って照れ隠しっぽい台詞とか、見舞いに行って「そういうこと言うなよ」って照れる湊とか、二人の関係性がじんわり伝わってきました。会えない一日が長く感じるっていうラストも、普段一緒にいるからこその感覚ですごく共感できました。沙良さんの描く日常の空気感、好きです。
#ふかいわ
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