守りたい

出演番組は知ってる。

ここが怖いところ。

高橋は、阿部の出演番組のテレビ局で待ち構えるようになった。

気がついたのはマネージャー。

いつもと違う車で迎えに来て帰った。

窓にはスモークフィルム貼ってあるし阿部に身を屈めるようにして高橋の横を通り過ぎた。

阿部ーめめ、いた。

目黒ー会ったの？

阿部ー車の中から見た。

目黒ーバレてない？

阿部ーマネージャーさんが車を変えて来てくれたから大丈夫。

目黒ー皆んな事務所にいるから来て？

阿部ー分かった。

だが、皆んな揃ったところでいい案がある訳ではない。

阿部の無事を確認する以外にない。

その頃、高橋にとってラッキーな事があった。

テレビ局の駐車場の近くでもういない阿部の出てくるのを待っていた。

横を通り過ぎた男が何か落とした。

高橋が拾うと、それはテレビ局の社員証だった。

急いで携帯で写真を撮る。

持ち主に声を掛けて返す。

ニヤリと笑って帰っていく。

偽の社員証を作るのだ。

高橋は悪知恵は働く。

ちょっと細工して自分の写真を貼り作った。

今日、阿部の収録がある。

高橋は偽の社員証を首からかけて車に乗ってやってきた。

阿部の出る番組名を言い、新しくADとして来たと言う。

駐車場で車を止め、阿部が来るのを待った。

阿部は変装というか、顔が分からないようマフラーをぐるぐる巻きにしてる。

いつもと違う車でやって来た。

高橋はすぐ阿部だと見抜いた。

高橋ー車を変えたのか。

鋭い目で阿部の後姿を見ていた。

じっと駐車場にいては怪しまれる。

テレビ局に入って行った。

首から社員証を下げてるから誰にも疑われない。

スタジオの1番後ろから阿部の姿を見ていた。