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午前0時を迎え、また同じ7月5日が始まった。
教室に閉じ込められた6人は、疲労と焦燥に押しつぶされそうになりながらも、互いに支え合っていた。
天音はふと、自分のスマホの写真フォルダを見返していた。
そこで、以前撮った何気ない学校の風景に、不自然な影が写っていることに気づく。
「これ…赤い人の影かもしれない」天音は呟いた。
他の5人にも見せると、彼らもその異様な存在感に気づき、身震いした。
「赤い人は、単なる怨霊じゃない。何か、もっと深い理由がある」秋冬が言う。
「それに、私たちの記憶も何かが欠けている気がする」舞が続けた。
天音はその言葉に強く共感した。
「もしかしたら、私たち自身の過去や、赤い人の正体にも繋がっているのかも」
その時、教室の奥の壁に見えなかった扉がゆっくりと開き始めた。
中からは冷たい風とともに、忘れ去られた記憶の欠片が漂ってきた。
6人は恐怖と好奇心に駆られながら、その扉の中へと足を踏み入れた。
そこは、学校の地下に眠る忘れられた部屋だった。
壁には古びた写真や日記、そして赤い人の手がかりらしきメモが散らばっていた。
天音は日記の一節を読み上げた。
「彼女は…事故で命を落とした少女。だけど、その身体は見つからなかった」
「それが赤い人の正体か?」花乃が声を震わせた。
「ならば、私たちは彼女のバラバラになったカラダを見つけて、彼女の魂を解放しなければならない」天音は決意を新たにした。
だが、その部屋の奥から、不気味な囁き声が響き渡る。
「カラダ…まだ見つからない…」
6人は手を取り合い、再び絶望のループに立ち向かう覚悟を固めた。