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桜舞う春休みのこと……
僕は新しい高校に入学することになった。
「うわぁー」
僕は思わず声を上げてしまった。なぜなら目の前に広がる景色はとてもきれいだったからだ。ここは私立天之川学園高等部である。僕が通うことになる学校であり、僕の家から徒歩で通える距離に位置している。つまり通学しやすいのだ。そして僕は今日からこの学校で3年間過ごすことになっている。入学式が始まるまであと10分ほどあるのだが……教室に入ろうにもまだクラス分けが発表されていないため自分のクラスの場所がわからない。しかし周りにいる人達はほとんどが同じ方向に向かっているため僕もその流れに乗って行くことにした。しばらくすると校舎の前にたどり着いた。入り口付近に張り出されている紙を見ると1年4組と書かれている。どうやら僕は1年生らしい。さっそく中に入り指定された席に着く。周りの生徒達はまだ緊張しているためかあまり会話はない。僕も例外ではなくこれからどんな生活になるのか不安であった。ふと時計を見る。時刻はすでに9時40分になっていた。そろそろ入学式が始まる時間だ。すると突然放送が流れてきた。
「新入生の皆さん。本日はご入学誠におめでとうございます。」
おそらく生徒会長の声だろう。
「これより第30回天之川学園入学式を始めます。一同起立!礼!」
いよいよ始まった。僕は今まで生きてきてこんなにもワクワクしたことなんてなかったかもしれない。だってそうじゃないか。今日から始まる高校生活なのだ。中学の頃とは比べ物にならないほどの楽しみが待っているに違いない。
「ではまず初めに学園長先生のお話です。お願いします。」
ついに来たぞ。学園長が話す時はいつも長いことで有名だからな。一体何を言われるんだろうか?
「あー君たちよ。私は今とても感動している。なぜ私がこのような話をするかわかるかね?」
は?なんだいきなり。全く意味がわかんねぇよ。なんでここで感動の話をするんだよ。もっといいタイミングあったんじゃね?
「それはな…………」
えぇぇぇぇぇぇ~っ!? そっかぁ! それでこんな変なことになってるのね。
あたし、てっきり、 またなんか悪いことでも企んでるかと思ったわよ。……あ、そうだ、ねぇ、聞いてくれる? さっきの話だけど、実は続きがあってさ。
ほら、前に話したじゃない。
あの子ってば、 すんごいヘンテコな服着てるのよね。
あれ、ぜったい、おかしいと思うんだけど。
だって、いくらなんでも、あんなカッコウじゃ、 どこに行ったって目立っちゃうもん。
だからさ、いっつも思ってたわけ。
なんで誰も注意してあげなかったんだろうって。
あたしだったら絶対言うけどなー。
それに、やっぱり似合ってないし。
ちょっとぐらい直せばいいのに、どうしてかな? ねぇ、あんたどう思う? ほんっとにもぅ、バカみたい! なに考えて生きてるのかしら。
そんなんじゃ友達できないに決まってるじゃん。
あたしはちゃんと見抜いてましたからね。
あいつのことなら何でも知ってますから! はぁ……ホント、しょうがないヤツだよな。
あいつの頭ン中、どうなってんだろうか。
もう救いようのない大馬鹿野郎だし。
こっちまで恥ずかしくなるっていうかさ。
マジで勘弁してほしいよな。
まぁ、あたしの知ったことじゃないし。
ほっときゃそのうち何とかなるだろ。
だいたいアレはさ、昔から──。
あ、ゴメン。
今のナシ。
聞かなかったことにしてくれる? へへっ、悪ぃ。
だってしょうがないじゃないですか! こんな綺麗なお姉さんとお近づきになれるなんて思ってなかったんですもん!!
「あー……えっと」
うわっ!? いきなり睨まれたよ~(泣)。
はぁ……あたしってば、可愛くない顔してたんだろう。
「すまないね。君は……その、知り合いかい?」
ですよねぇぇぇ!!! そりゃそうだよね。