第9話 監視者の影
《Magica Order》の本拠地
とき「それで……どうやって探るつもり?」
ときが腕を組みながら問いかける。
みこはスマホを取り出し、《Magica Order》のアプリを開いた。
みこ「このアプリ、最初は ‘契約’ のときしか使わなかったけど、何か情報があるかもしれない」
みこは慎重に画面をスクロールする。
すると、今まで気づかなかった項目が表示されているのを発見した。
『活動記録』
みこ「……これ、前からあった?」
みこが疑問を口にすると、海が画面を覗き込む。
海「いや、こんなの見たことねぇな……」
みこ「試しに開いてみる」
みこが画面をタップすると、そこには彼女たちがこれまで倒した アノマリーの記録 が一覧表示されていた。
みこ「……!」
みこは思わず息を呑んだ。
みこ「これって……全部?」
とき「今まで私たちが戦ったアノマリーの ‘データ’ ってこと?」
ときも驚いた様子で画面を見つめる。
それぞれのアノマリーには識別番号が振られ、詳細な情報が記録されていた。
しかし、みこが画面をスクロールしていくと、ある 異変 に気づいた。
みこ「……この番号、飛んでる」
海「え?」
みこ「ほら、ここ。103の次が105になってる……」
海「104がない?」
海が眉をひそめる。
海「番号が抜けてるのって、何か理由があるのか?」
とき「可能性があるとすれば……隠された記録 ね」
ときが冷静に分析する。
とき「でも、それが何なのかは、ここには載ってない」
みこ「104番のアノマリー……気になるね」
みこは考え込んだ。
すると、突然——
???「それ以上は、見ない方がいい」
低く、冷たい声が部屋に響いた。
みこ「……誰?」
みこはハッと顔を上げた。
天井近くの暗がりから、一人の 黒いフードの人物 が現れた。
《Magica Order》の監視者
みこ「あなた、誰……?」
みこが警戒しながら問いかける。
フードの人物は、ゆっくりと足を踏み出す。
???「私は……《Magica Order》の ‘監視者’」
みこ「監視者……?」
監視者「君たちの ‘行動’ は、すべて見させてもらっている」
みこ「……!」
みこは背筋が凍るのを感じた。
とに「どういうこと?」
ときが鋭い視線を向ける。
監視者「そのままの意味だよ」
監視者は冷ややかに言った。
監視者「魔法少女は ‘秩序を守る存在’ であり、反逆者ではない。君たちは……今、その一線を越えようとしている」
海「だから、何だ?」
海が睨みつける。
海「俺たちが知ろうとすることが、そんなに都合悪いのか?」
監視者はフードの奥で微笑んだように見えた。
監視者「君たちが ‘選ばれた理由’ を知るべきではない」
みこ「選ばれた……理由?」
みこが困惑する。
監視者「君たちは ‘偶然’ 魔法少女になったわけじゃない」
みこ「それって……どういうこと?」
監視者は答えず、代わりに静かに手を挙げた。
監視者「これ以上の ‘介入’ は許されない」
次の瞬間——
監視者の背後に 黒い影 がうごめき、形を成していく。
みこ「アノマリー……!」
みこたちは身構えた。
監視者「君たちの ‘力’ が本物かどうか……試させてもらおう」
監視者の言葉と同時に、アノマリーが牙を剥いた——。
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