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結婚して二年目に突入しようとしていた頃、俊哉は私たちの間に異様に子供を欲しがった
それは私の兄、俳優の櫻崎拓哉に第一子が生まれたと報道を見てからだった
私は兄に祝福の連絡をしたかったけど、以前に兄に車をねだったまま身内の葬式にも行けずじまい、で連絡が出来ていないので後ろめたい気持ちがあったからだった
「今のうちの経済状態で、子供が出来たら生活はとても苦しくなるわ」
俊哉はいつものごとくビールを飲みながら言った
「それは大丈夫だよ、櫻崎の子供が産めるのはお前の兄以外にも、いるって事をあの強欲な父親にわからせてやれよ」
この頃から私はなんとか家計をやりくりして、へそくりをつくりそれで毎月婦人科で、ピルを処方してもらっていた
子供が欲しくないからだ
俊哉の言動を聞いているといくら私が子供は、欲しくないと言っても、このままでは無理やり犯されて妊娠させられてしまう
私の気持ちなどおかまいなく俊哉がただ子供を、欲しがっているという理由でだけだ
彼は子供をだしに櫻崎家からお金をせびろうとしているのかもしれない・・・・
彼は今だにこの結婚に援助してもらえない櫻崎家を憎んでいた、家を買うお金すら出してもらえない、父や兄をしょっちゅうなじった
彼は私たちの未来の子供を櫻崎家から金をせしめる道具としか考えていないのではないかとさえ思う時があった
もちろんきっと私が泣きついていけば父も兄も援助はしてくれるだろう・・・・
でも一回ダムが崩壊してしまえば俊哉は、なんでもかんでも櫻崎家に頼るようになるだろう
ただでさえ兄より出来の悪い娘がまた金のかかる、厄介ごとを持ち込んでしまうのだ
しかし私にも小さなプライドがある・・・・
やはり俊哉と結婚して立派に暮らしていると、いつか家族に誇らしく思ってほしかった