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14 - 第14話 サイド トキ

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2022年04月05日

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サイド トキ


「×××!」

「母さん!」

家の前、母さんが立っていた。その横には、母さんを守るようにマオさんとタエさんがいる。

「よかった……!×××が無事本当にでよかった……!!」

そう言って母さんは僕を強く抱きしめた。

こんな表情の母さんはいつぶりだったけ。

「母さんも、無事でよかった」

おそるおそる母さんの背中に腕を回して、そっと抱きしめかえす。

誰も何も言わず、冷やかしもしなかったのがありがたかった。

しばらくした後、母さんは徐に切り出した。

「私ね……、この人たちと話して考えたんだけど、少し入院しようと思う」

「……僕も、そのほうが母さんのためになると思う」

お金は、今までの活動してきた貯金があるから、たぶん大丈夫だ。


これから、僕たちは幸せになってもいいのだろうか?

ただ、それだけが不安だった。

あいつの会社の人たちは、まだいる。

いつ、あの日のように地獄に戻ってもおかしくない。

だから、母さんだけでも安全な場所に逃げて欲しかった。

「病院、毎日お見舞いに行くよ。だから、母さんも無理せずにね」

僕は、笑ってそう言った。


さて、と。

「本当にいろいろありがとうございました」

僕は帽子をかぶっている五人に向き直って頭を下げた。

「いいって!俺らがやりたくてやったんだからな!!」

キノさんが明るい笑顔でそう言った。

「俺もトキの作った曲に救われたから」

ふっとマオさんが目を細める。

「うん、トキには人を救う力があると思うな」

タエさんがそう言って微笑んだ。

「その力、モンダイジ団に入って生かしてみないか?!」

いいこと思いついた!と言わんばかりの勢いで、キノさんが僕の肩を掴む。

……?

「えっ、と……」

「ここは、暖かくていい団だよ」

キリさんが朗らかに笑う。

でも、

「僕みたいなこの世界に馴染めなかった人が、他の人と関わるなんて…………」

「何言ってんの!」


「私たち、全員モンダイジなんだよ!」


「俺、忘れっぽいから学校に馴染めなかった!」

「わ、私は施設育ちでいじめられてた……」

「俺は濡れ衣を着せられて誹謗中傷にあった」

「俺は、大切だった人が亡くなった瞬間を目撃したんだ〜」

「私は、私のことを私自身として見てくれる人がいなかった」

「「「「「だから、モンダイジ団」」」」」

「を作ったんだ!」

「「「「に入ったんだ」」」」

「おいでよ、トキ。私たちはあなたの仲間なんだから!」

みんな、辛い過去を持っていた。

けれど、それぞれが前を向いて、助けあって生きている。

僕も、こんなふうになれるかな。

「……活動の間に、時間がある時なら……」

「本当か!じゃあ、決まりだな!!」

早い。けれど、それも愛おしく思えてしまう。

僕はふっと笑った。心の底からでた本当の笑顔だ。


「これから、よろしくお願いします」


……第一章、完。

時間かかるかもしれないけど、第二章もあるから、気長に待ってて(*´ω`*)by作者

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