テラーノベル
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Q:もし同棲していたデレデレ嫁がホラー系殺人鬼になってしまったらどうすればいいでしょうか。
A:その場から速やかに離れましょう。
Q:トイレの個室に閉じ込められてすぐ外にずっと張り付かれてるんですけどまだ舞えますか?
A:???
俺が脳内で某質問サイトを展開しているとそろそろ相手は痺れを切らしてきたらしい。
「大丈夫ですか?西宮君。」
ドアを外側からドンドンと、ノックされて俺の全身の産毛がたつ。
「もしお腹がとても辛いなら私が診てあげましょうか?」
俺は便座の上に立って個室の中で脱出できる所を探す。
だめだ。通気口があるけど狭すぎる。俺の体じゃ入らない。
「やべええ。腹が痛ええ。副委員長、俺今腹がビックバーン起こしてるからちょっと離れてて欲しい。」
切迫詰まったスタンスで演出を盛った。いけるか?
彼女は納得したのか、後でまた見にくると言って立ち去った。
その隙に俺は武器になりそうなものを物見する。
飾ってあるお花が入った盆と、トイレの長いブラシ、お手洗いのハンドソープ、詰まった時に通す用の棒。
俺は比較的にマシな盆を盾に、ブラシを剣に見立てて選んだ。
細かい土が全身に掛かったけどしゃーない。
副委員長が立ち去った今のうちに出るしかない。
また戻ってきたら今度こそチャンスがなくなる。
そう判断した俺は
ドアに耳を貼り付けて外で音がしないのを確認してから。密かに扉を開けた。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
暗い不気味な廊下。いつもの廊下がこんなに心地悪く感じたのは初めてだ。俺は、足音を消して忍者になり切る。
因みに伊賀衆とかのどっかの時代劇で見た忍足とやらがあるらしい。
廊下から見て階段の方に光がついている。
副委員長は一階にいそうだな。俺は2階のトイレの前でしばらく思考してからある部屋を目指す。
もし彼女が1階にいるなら一見3階は安全に見える。
しかし3階は論外だ。万が一副委員長がただ電気を消し忘れて寝室に戻っていたら俺はそのまま捕獲される自信がある。
そもそも階段はキシキシ言うしなあの床。
となるといける場所は…..
俺は今まで入ったことがなかった副委員長の親の部屋の前に辿り着いた。
頼む開けよ?そう思ってドアを静かに押すと案外素直に開いた。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
よくわからない謎の像の骨董品が部屋の長い卓の上にずらっと並んでる。
お義父さんたちはコレクターだったのか。
俺はナムさんと唱えながら電気をつける。部屋のもう半分は可愛い置物がふんだんにある。
壁には大きなハートの形をした謎の銀のモニュメントが架けてある。
これはなんか見てても恥ずいなと俺が引くレベルである。
どうやら一つの部屋でしっかり棲み分けをしていて、ラブラブだったらしい。
副委員長のデレデレ属性はもしかして遺伝だったのか?
そう思っていると、卓のど真ん中に置かれた写真立てを見つけた。
4人組ですらっとしたらメガネ風のおじさんの肩の上に男の子が乗っていて、娘よりオシャレをしているママと、恥ずかしそうにもじもじしているミニ副委員長がいた。
ぱっと見、9歳、10歳ぐらいのようだ。
何年前のだ?
俺はその写真に少し見惚れていたが、足音で我に帰る。
どうやらトイレの方から扉が開けられてた音がする。まずい。
俺はさっき入った時にしっかり閉めた扉を確認して咄嗟に床の下に潜る。
うげっ。すごい。埃。
俺は口に入った埃を我慢してると、すぐ外で足音が止まる。
ギィーーー。
扉が静かに開けられた。
床の下から彼女の綺麗なお足が見える。
俺は息を殺して音を噛み殺す。
過ぎてくれ。お願いだ。
人生で初めて神に願った。
名前はよくわからないので、とりあえずDear 全ての神(略)に助けを求めた。
「西宮君。どこに行ったんですか?隠れちゃったらめー!ですよ?」
優しく俺を呼んで探しているらしい。気持ちの悪い声の出し方に吐き気を覚える。こいつは副委員長じゃない。
俺はブラシを持ったまま震える。
足音が急に止まる。
数秒静止すると悪魔はこの部屋を出た。
足音が遠ざかっていくのを聞いて俺は額の汗を拭う。
副委員長いつ元に戻るんだよ。てか、戻ることあんのかよ。
できれば傷つけたくないな。
でも無理なら軽くあしらって倒してここから逃げよう。
俺はベッドの下から出て全身の埃を祓う。
全身むずむずする。
暇もなくまた響き出した足音に俺は慌てて元の場所に帰る。
おいおい。またかよ!またかよおおおお!
ベッドの前で細い足は止まる。
地面の埃を細い指で掬って。彼女は俺に話しかける。
「バレバレですよ西宮君♡」
あ、終わったわ。
ベッド下の隙間から可愛い顔が俺を覗く。ハート目が恐ろしい。その目を見ているとまるで蛇に睨まれたカエルみたいになる。
俺は強い力で髪を掴まれ、外に引き摺られた。
彼女は左手にナイフを装備しているようだ。
俺は持っていたブラシを振ってみる。
シュッ!
ブラシの先っぽが切り飛ばされて遠くに転がる。
「西宮君、どうして悪いことをするんでしょうか。どうして私に嘘をつくんですか。全部分かってますよ♡」
悪魔は嘘つきが嫌いらしい。
俺は無事荒れ狂う彼女によって細切れにされた。
DEAD END : 11
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
クソ野郎あいつまじで許さん。
スポーン地点が床下とか設定ミスってるだろ。お陰で俺はゲホゲホした。
俺はクソ神への呪詛を終えて、お義父さんたちの部屋のドアの裏に隠れる。
奇襲することにした。
一泡吹かせてやんよ。
俺はこちらに猛スピードで近づく足音に耳を澄まして聞きつつ機会を狙う。
ギィーーー。
扉が開く。
今だ!
くらえ!
俺は持っていたブラシを振り上げて飛び掛かる。
重力が合わさってブラシはかつてないほど加速と攻撃力を獲得して副委員長目掛けていく。
シュッ!
ん?
俺は手応えのなさに疑問を覚える。え、副委員長は?
そのまま空振りし顔面から床とキスをする。
一歩引いた位置にいた副委員長は俺にナイフを両手で振り上げる。
まじかよ。
面を上げて眉間に迫るナイフで再度人型ステーキに俺は化けた。
DEAD END : 12
コメント
3件
心配おかけしました!明日(今日)から描きます!
コロナ明けた😭
わあ、第30話、読ませていただきました!「床下突撃隊」ってタイトルからしてユーモアと緊迫感が混ざってて面白いですね。デレデレ嫁が殺人鬼になった時の対処法をQ&Aサイト風に考えちゃう主人公の切り替えし方がツボでした。「ブラシを剣に、盆を盾に」ってチョイスが可愛くて、でも実際に切られちゃうところで「あ、やっぱり本気なんだ」とヒヤッとしました。床下に隠れてるのにバレバレで「バレバレですよ♡」ってハート目で覗かれるシーン、ゾクゾクしながらも笑っちゃいました。デスゲーム感とお笑いギャグの絶妙なミックス、続きが気になります!