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あの祭りの夜を境に、みいと律の間に漂う空気は変わった。
同じグループで笑い合っていても、二人の視線は交わらない。
律は、何か言いかけては飲み込み、みいは、それを追いかけるように問いかける。
「なんで?」
「別に」
そんな会話が何度も繰り返された。
その一方で、悠真は変わらなかった。
廊下でも、放課後の校門でも、当たり前のように隣にいてくれる。
みいが少し笑えば、悠真も同じだけ笑った。
その安心感は、冬の空気の冷たさをやわらげるようだった。
春休み明け、クラス替えの名簿の前に立ったとき、胸がざわついた。
2年生になった私と律は同じクラスで、悠馬は別のクラス。
その紙を見た律は、少しだけ目を見開き、けれどすぐ視線を逸らした。