ねぇ知ってる?
この学校にある七不思議の話…
──
「貴方」
[赤根葵]
〈八尋寧々〉
──
[…っていう噂なんだけどね]
〈トイレの花子さん?〉
「寧々ちゃん〜?何話してるのっ!」
[あっ ちゃん]
〈 ちゃん!〉
〈 ちゃんは知ってる?〉
皆さんは知っていますか?
七不思議の7番目
トイレの花子さん
3番目のトイレを3回ノックし
コンコンコン
「こ、これほんとに出ないよね……?」
こう言うの
ゴクリ
「花子さん花子さんいらっしゃいますか?」
ギィィ
ビクッ
「な、なんだ~」
「噂は噂なのね」
扉が開いただけね
『こっちだよ』
「えっ……?」
後ろを振り返ると
「ぎ、ぎぁあ!!」
「貴方っだれ?!」
「男の子?!」
「ここ女子トイレよ?!」
バっ
「す、透ける……?」
『ははっ』
『始まして』
『俺はトイレの花子さん』
『花子くんって呼んでね』
「は、花子……くん……?!」
『って事さ!』
「怪異…?」
「あ、そういえば」
『そういえば』
「?」
『?』
「あ、えっとその、お願い事…」
『あ〜!!そうそう俺もそれ言いたかったんだよ』
「その……」
え〜!!ちょっと待ってお願い事考えて無かったんだけど~?!!
「えっとじゃあ」
トイレの花子さん
トイレの花子さんは学校の神でもあるの
だからお願い事を必ず叶えてくれるわ
でも、もし花子さんが怒るようなことをしたら
呪い殺されるんですって
ガタガタ
「か、カレシが欲しい…です」
『彼氏~?』
『ははっ』
『分かったよ』
『その代わり…』
『お代はちゃんと払って貰うから』
「お、お代」
「その、怪異?って奴はオバケなんだよね」
『ん〜?まぁそうだよ』
「あ!話全然違うけど」
「花子さんってなにか道具とか使うの…!?」
『道具ね〜』
『あ〜あるある』
『これ、これ』
『じゃじゃーん』
『はい、これ』
ら、らぶめそっと…?
「らぶ…え、遠慮しときます」
『まぁまぁ』
『俺の力を借りるにはそれなりの代償を支払わなきゃいけないんだ』
『力がもっと強くなれば、代償も、もっと重くなるんだ』
「えぇ……」
『んまっ!』
『とりあえずやってみようよ』
『んで君名前は?』
「 です…」
『 それで、彼氏を作りたいって言うのは』
『好きな人が居るって事だよね』
「居ます!」
「かっこよくて~優しくて~強くて~」
『ま、まぁ』
『とりあえずその人と付き合いたいってことかな?』
「はい…」
ほんとにこの花子さん大丈夫~?
『おっけ~』
『んじゃ、』
ペラペラ
えぇ…読んでる
『なにか特技は…?』
「特技?」
「そうだな~」
「花を育てる…とか?」
『ん!いいね』
『じゃあその花を渡してみたらどうかな』
「おぉ…」
以外にいい案
いや、本読んでたわね
「こんな感じ?」
『いいね』
「出来た…かな?」
『お、出来た?』
「うん!」
─教室─
─
《源輝》
─
スタスタ
おいおい輝~
お前の机に枯れた花あんぞ~
「か、枯れてしまった……」
『次次〜』
─女子便所─
「な、何もいい道具ないじゃない」
『え〜だって俺初心者なんだし』
「しょ、初心者?!」
「そんなことあるの……」
コロッ
「?」
何これ
花子さんの落し物かな?
カラッ
綺麗
「花子さんこれ」
『え、あっ、』
『それは縁結び』
『縁結び返してっ!』
「んむっ!」
『ナッ”……』
おどおど
『それは』
『その代わり非常に強い縁で結ばれるんだ』
「ほほーう」
『あれっ』
『縁結びは?』
え、?
あれ、
「あれっ、な、無い」
の、飲んじゃった~……
「って言うか花子さん道具持ってたじゃない!」
「花子さんの嘘つき」
『待っ』
──
これを飲めば強い縁で結ばれるのよね
「あれ、」
わたし、手が。
鱗生えてる……?!
あ、やだ……
「あれ……」
冷たい……
何?水……?
『じゃじゃーん』
水槽?!
「え、へ?!水槽?!」
『だから2人で鱗を、飲んで入れば完璧にはお魚にならなかっただろうね』
「2人で……」
ゴゴゴ
「きゃっ」
バっ
『……』
ゴゴゴ
喜べそなたは今妾のしもべ
可愛がってやろう
『これが人魚』
バっ
ドコッ
弱っちいね
早く持って帰るのじゃ
『待って』
「花子さん……」
『まだ俺はその子の願いを叶えてないんだ』
『連れてくならその後にしてくれるかな』
無理ね
『…そっか』
『ならこっちも力ずくで行くよ』
「……!」
うわぁぁ
「きゃぁぁ」
『よっと』
『ナイスキャッチ』
『また来るだろうな。時間が稼げたしま、いっか』
「ありがとう」
「ありがとう花子さん!」
『……!』
にこっ
『泣いても無駄言ったよね、使うなって』
ぎゃぁあ
やっぱ七不思議の7番目怖いぃいい
『忠告してあげたのに』
『おバカさん』
『でもまだ君はこれを使ってない』
あ、鱗…そうだった使ってない
『だからまだ願いを叶えてあげられる』
『人間に戻りたい?』
「人間に……」
「私!人間に戻りたいっ!」
『言ったね?』
『じゃあ』
な、何……
鱗を口に……
『お代はカラダで』
『払ってもらうよ』
「か……体……/」
って言い方よ!言い方!
『…』
ゴクッ
飲んだ……
ぼんっ
「わっ、」
『これで俺たちの縁は結ばれた』
『代わりに貰うよ』
「ぅ……」
『手伝って欲しいんだ~』
『俺人間の助手欲しかったんだよね~』
『って事で』
「と、トイレ掃除……」
毎日毎日めんどくさい~!!!
コメント
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わぁぁお! 地縛少年花子くん! 推せるわぁ!
地縛少年花子くんダァーーー!