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※本作は、前垢にて投稿していた《拝啓、本当の幸せを求める君へ_。》という作品を元に作成しています。(こちらはリメイク版です。)
↑リメイク前を観たい方は、こちらの方を検索してご覧ください。
(小説の中で、暴言等の要素を含みます。しかし、作者はこれらを肯定したり、助長したりなどの意図は一切ございません。)
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「………ッ、ハァ……ハァ…」
轟音が聞こえた方へ走ると、先ほどナビるんを罵っていた二人の内の一人が、瓦礫に巻き込まれて怪我をしていた。
ランダとナビるんはすぐに駆けつけたが、羽衣はその馬に場に立ち止まり、煙が立つ向こう側を睨む。
「……?羽衣……?」
「……そこにいるのは誰だ。名を名乗れ。」
薄れた煙の先にいたのは……
「………チェッ、あいつらいないじゃんか…ボスなんで此処に向かわせたんだろ?」
「…もしかして、もう既に他の場所に…?」
「いやいや、それはあり得ないだろ?ボスから報告来たのは5分前だぞ?そんな逃げ足早くないって」
そこにいたのは見知らぬ二人組。怪しい、とランダは姿を見た瞬間に読み取った。
ただ、二人組はこちら側は全く気づいていない。
まるで貴方達は空気ですと言われてる様な、妙な雰囲気に耐えられなかった羽衣がブチギレだすと、やっと二人組はこちら側に気づいたようだった。
背後には、羽衣が叫ばなければ逃げれたのに!!と心の中で羽衣に対する罵倒が止まらないナビるんがいた。
「……あ、あいつらじゃね??ラッキー、自分から向かいに来てくれて助かった」
「俺の質問に答えろ!!無視すんな!!」
突如豹変した羽衣に「えぇ……?」驚きを隠せないランダだったが、その耳だけはちゃんと話を捉えていた。
「あっ……そっか、まだ言ってないんじゃないですか……?」
「そうか……フッフッフッ…。まあいい、特別に教えてやろうじゃねえの。ワイらは”ヴァルキューレ”、この世界を支配する組織だ」
「えだっせネーミングセンス終わってんな……君達、厨二病真っしぐら……?」
一人の口から出たしょうもない、胡散臭い組織名に思わず口走ってしまう。ランダはこういうことに首を突っ込むから、いつもトラブルを起こすのだ。ランダ自身もまた、しまったと口元を手で押さえた。
「はぁ……うるさいですね…ボスが付けた名前に文句言わないでくださいよ」
もう一人がランダ達に銃口を向ける。
この二人組は恐らく街を破壊し回ってる連中の可能性が高いと言った所だろう。じゃないと爆発だなんて起こせない。なぜならば、爆発させられるものを一般人が持っていたら、自警兵団にすぐ目をつけられるからだ。密輸でもしているのだろう。
「……早くこいつ倒しちゃうおうぜ〜?今日休日なのにこのワイが!!わざ わざ来てやってるんだからな」
「……はいはいそうですかお疲れ様です。ただ、早く終わらせるのは私も賛成です。手短に済ませましょう。」
二人は戦闘態勢に入ろうとしている。
余計なことをした二人のせいで、通らない事が可能だった道に足を踏み入れてしまった。
羽衣は「仕方ない……」と呟くと、懐から双刀を取り出す。そして、慌てふためくランダに瓦礫を渡した。
「ええ!?!?ちょ、俺義兄に稽古つけてもらってるだけで全然戦闘経験ないんだけど!?!?しかも俺瓦礫だけ!!酷い」
「……こっちの状況は通用しない。お前も怒らせた要因の一人だ。せめてもの償いとして一緒に戦え。なるべく俺が前に出るからランダはサポートを、ナビるんは怪我してるそいつを頼む」
「……えっ!?はっ、はい!!!!!!」
「え???元はと言えば羽衣のせいじゃない!?!?……ったくもうー!」
羽衣が、ナビるん達の姿が見えなくなった事を確認したのをトリガーに、敵との慣れない戦闘が始まった。
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ランダと羽衣が敵を足止めしている最中、逃げてきたナビるんと同じく自警兵団に所属している二人の少年。ナビるんは怪我をした一人を手当てしていた。
「……よいしょ、これで大丈夫なは…ず!痛みはどう?包帯キツくない?」
「……あぁ…大丈夫だ。本当にすまなかった、罵ったりして…。お前はなんにもしてないのにさ」
「俺もだ。あれは完全に隊律違反同様だと思う。度が過ぎてたよな。去り側思ったよ。反省してる。許してくれないか?」
先ほどナビるんを罵った二人は謝る。あれは流石に度が過ぎていた、と二人ながらに反省したのだ。鬱陶しかったとはいえ、ランダの言葉で目が覚めたようだ。 もう二度と自分を罵らないことを条件に、ナビるんは二人を許した。
「……俺らさ、何すればいいかな。 あいつら、爆発を起こしてたから自警兵団の一員として、こいつと二人で片付けようとしたんだけど…二人がかりでも刃が立たなかった。足止めしてくれてる二人もいつまで持つか分からない。でも、六人なら…。」
「………今はとりあえず、逃げたほうが良いよ。僕は二人を援護しに行くから、君たちは外部に無線入れといて」
「……分かった。なにからなにまで申し訳ないな。健闘を祈ってる。絶対死ぬなよ」
二人は外部に状況を伝えるべく、無線を探しに街の外へと走っていった。
ナビるんは二人を見送った後、手についた砂を払った。
「………さて、二人に加勢しに行こうかな」
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数分戦いを繰り広げただけなのに、もうランダと羽衣はボロボロ。おそらく一人なら歯が立つが、あいにく一人は動きが早いし、技のバリエーションが様々だ。いつ、どのように攻撃してくるか分からない。さらに、羽衣はランダを庇いながら戦っていた為、立つことで精一杯の状態まで追い詰められていた。しかし、幹部はどこまでも余裕そうだった。
「(…フー、フー…やべぇどんだけ強いんだよしかも瓦礫なのにハンデなし)」
「………お前らも此処までかな?残念だよ、もう少し楽しめるかなと思ったのに。でもまあ…邪魔なハエ紛いは早く潰しといて損はないし、それじゃあバイバ〜イ」
敵の一人がランダ武達に武器を振りかざす。絶体絶命、そんな時だった。
「………ローリングスラッシュ!!」
突然後方から、標識の様な物が飛んできたと思うと、そのまま敵二人を縛り上げた。
「……ッはぁ!?なんだよこれ!!」
「……しまった…油断してましたね……」
その場にトコトコと歩いてきたのはナビるん。
危機一髪で二人を縛り上げたのだ。
続けて回復魔法を唱えると、近くにいたランダ達はもう一撃を食らわせられるくらいにまで回復した。
「………僕の恩人に……手を出すな!!」
「……うおぉ…!!ナイスだナビるん…!!行け!!瓦k…」
「ヒプノシスアサシン」
素早く拘束を解いた敵の一人が、跳んできた瓦礫を武器で瓦礫を弾く。速い。
そして、もう一撃が繰り出されようとした瞬間。敵が身につけていた腕時計が、赤く点滅し始めた。
「………は???誰だよ他の現場呼んだやつ…。せっかくいい良いところだったのにさ。 仕方ねぇ、此処は一時退散しようぜ」
「これはタイミング悪かったですね…ボスには私から言っときますよ」
不機嫌そうに一人がキューブ状の煙幕を上空に投げると、瞬時に黒煙に包まれて消えていった。
「……はっ…?はぁ〜!?なんで逃げてったあいつら〜!!」
ランダは地団駄する。逃げられた事が腑に落ちなかった。
ふと、ランダは地面に視線を落とした 。そこには小さい水色のチップが。
「……ありがとうナビるん、助かった」
「いやいや、二人も時間稼いでくれてありがとう、おかげで助かったよ!」
いつの間にか敬語が外れていることに、羽衣だけが気づいたが、それ以上は口に出さなかった。
「………?なんだこれ…チップ?見て二人共!チップみたい…随分とちっちゃいね」
「……何だそれ。さっきの連中のか……?逃げた時にでも落としたんだろうか」
「……あ〜!もしかして、なんか重要なデータ入ってたりするんじゃないかな?そうだよ、きっとそうだよ〜!」
「……そうだな、後で師匠に繋いで調べてもらおう」
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その後、無線を探しに行った二人が助けを呼び、街の周辺には何台もパトカーが止まった。ランダ達も何十分にも渡り、面倒くさい事情聴取を受け続けた。
自警兵団の隊長によると、この件は主犯逮捕に一歩近づいたという。
それから、やっと解放された時には日が沈んでいた。辺りは真っ暗。
「いや〜貢献出来たなんて嬉しいな〜でも事情聴取めちゃくちゃ面倒くさかった!!!!時間返せよ〜」
ランダは未だに不貞腐れている。ある時隣にいたナビるんは意を決したように、ランダ達に向き合って言った。
「………ね、ねぇ…!!」
「……?どうしたんだ?」
ナビるんは、もじもじと恥ずかしそうに下を向いて言った。
ランダと羽衣は首を傾げる。
「………僕も…旅、ついていって良いかな…?やっぱりランダ達と一緒にいると楽しい!自警兵団ブラックで疲れたし…辞めたのは親に言わなければ大丈夫でしょ?」
「………どーすんだ?」
「……もちろん!仲間が増えて心強いよ!改めて、これから宜しくねナビるん!」
「えっ……!!やった!いいの!?…本当に…本当にありがとう!こちらこそ、これから宜しくね!」
羽衣に引き続き、ナビるんが仲間となったランダ。そして、彼らは月が照らす道と向かって歩き出すのだった。
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❑情報補足+
世界征服を目論む組織《ヴァルキューレ》
東の町を中心に破壊活動を行っている。
ランダに目をつけており、ランダの姉である リヨを誘拐し、人質にしている。
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→次回
《変わらない野望》