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「お久しぶりです!」
「おぉ!あの時の兄ちゃんか!この前は散々な目にあったみたいだな」
「まぁ…。それより、おっちゃんももうここで商い出来るんだな」
「警察の方が温情効かせてくれたんだけど…まぁ、売上はぼちぼちだな」
「あんなことがあった直後だから仕方ないですよ」
あの事件から実は二週間という時が過ぎ去っていた。その間リナは何をしていたかと言うと、カナの装備の組み合わせやスキルの勉強はもちろんのこと、ミカゲの話した天使創造計画についても少し調べていた。が、もちろんこれと言った収穫はなし。いくら調べても同じような内容ばかりで当てにならない。
やはり、ミカゲ本人から聞き出すしか無いようだ。あの人はなんとなくだが、表に出てる情報以上の何かを持ってる気がする。その予想を確かなものにする為にはやはり、大会に出るしかない。そして、勝ち進むしかない。が、その為には装備やスキルに立ち回りと経験値が必要となる。だから、今回は最初に立ち寄った戦姫ショップに来ているという事だ
「んで?兄ちゃんがここに来たってことはやっぱり戦姫の装備が欲しいんだよな?」
「そうなんだけど、ショップで取り揃えてる装備品はそんなにって感じでしょ?」
「当たらずも遠からずってとこだな」
「どゆこと?」
「アリーナランクという存在は知ってるか?」
「ふんわりと…」
「アリーナランクが高いとそこで手に入るカプセルの装備のラインナップが増えるんだ。」
「そのアリーナランクはどこで?」
「バトルスポットからならどこでもエントリー可能で大戦も可能だ」
「バトルスポットさえあればどこでも行えるのはいいなそれ。」
「更にこのアリーナランクは自分と同等または、工夫すれば勝てるレベルの相手が転がってるから練習にも適してるな。」
「やる価値しかないなそれ!」
「おう!ランクと聞くと身構えるが別にデメリットは無いからやるだけ得だな。」
「んじゃ、サクッとアリーナランク上げるかな」
「一応昇格戦は敵が固定で、現ランクのひとつ上の相手が出てくることは覚えときな」
「あいよ!んじゃやるぞカナ!」
「はいストップ〜。その前にもう一つ聞くことがあるでしょ?」
「あっ…。そうだそうだ!以前初心者応援パック的なの貰った時に【電晶石】なるもの貰ったけど、用途がわかんなくてさ 」
「あぁ、そういやその説明あの時してなかったな!簡単にでいいなら教えてやるよ」
「頼んます」
「電晶石ってのは簡単に言えばなんでも出来る石だ。」
「どゆこと?」
「装備の強化にも使えるし、限定装備の通貨としても使える。なんなら個数指定して売ることもできるから金策にも適してる。それが電晶石ってものだ。」
「ホントに万能なものなんだなコレ…」
「その分貴重なものだから大切に扱うんだぞ?」
「了解っす」
電晶石の話も聞けたのでこの日はアリーナランクをこなしてすぐにF帯の玉座に座ることが出来た。あとはE帯の門番を倒すだけだがこの日はとりあえず戦姫大戦は辞めて、とある人物に会いに行くことにした。
「……わざわざ私のところに来るなんてメンタルどうなってんのアンタ?」
「天使創造計画について知ってそうなのはやっぱり国の犬である警察かなって」
「警察本人を目の前によくそんなこと言えたね。やっぱりアンタ肝っ玉が座ってるとかのレベルじゃないわ」
「たったあの一件のあの瞬間だけですけど、何となく僕の勘が貴女は敵では無いって告げてるんでその勘を信じてるだけです。」
「根拠ないものを頼るところはガキっぽいわね全く……。」
モールを後にして僕が訪れたのはあの事件でお世話になった警察署。そこでカレンさんの名前を出して何とか会話をする場を設けてもらった。
カレンさんに会って何をするのかと言われればもちろんやることは1つ。天使創造計画についての資料を提供してもらうこと。カレンさんは恐らく天使創造計画について何かを知っている。少なくとも、僕よりかは知っているはずだ。なら聞き出すのがベストだし、カレンさんからしても僕という存在は貴重なはずだ。同じ天使創造計画について知りたいという目的は同じなのだから断る理由はないだろう。
もし、断る理由があるならそれは立場的な問題による返答だろう。警察の資料を一人の民間人に見せる、または聞かせるなど刑としては重罪に当たるはずだ。情報漏洩により国が隠していたアレコレが出ていけば、きっと国民は黙ってないだろうからね。だから、断る理由としては十分すぎる。が、『天使』達に関して情報がなく迷宮入りしてる問題が解決出来るかもしれないとなれば揺らぐかも知らない。その辺はカレンさんの腕の見せどころだろう。
兎にも角にも今は僕が超えるべき難所はカレンさんが僕の質問に対して答えてくれるかどうかというところからだ。
「それで?天使創造計画について教えてくれますか?」
「……基本的にそういったものは機密情報だ。教えることは出来ない。」
「けど、この機会を伸ばせばもう二度とその機会は訪れないですよ?
この『天使』の行方や行動理由を知る機会見逃せば今度こそ本当に迷宮入りです。それでもカレンさんはいいんですか?」
「……私個人の意見だけなら、すぐにでも手を貸してやりたい。だが、これは決まりだ。私もこればかりは太刀打ちができない。 」
「説得もできないんですか?ネットに転がってる情報を見る限り歴史的な事件の1つだと言われてるのに?上層部の人間はそれでも動かないんですか?」
「悲しい事になリナ…。国だって一枚岩では無い。私のように思うところがある人間もいれば、臭いものには蓋をしろと言わんばかりに真実を隠す者もいる。
特にこういった規模が大きいものほど上層部は隠したくなるんだろうな。」
「……結局権限がないから動けないって訳ですか。」
「………情けないな私は。」
「…えぇ。全くです。
けど、それが大人ってやつなら自由に動ける僕が1人でも真相暴いてみせますよ」
「ふん……。言ってなシャバ僧が。
アンタのそのバカの気に当てられてやる。私に時間をよこしな!資料ひっくり返して提供してやろうじゃねぇの!」
「いいね!その姿が本来のカレンさんなら僕は絶対的な信頼をおけるよ」
「……ふん。」